ErogameScape -エロゲー批評空間-

ゲーム名
水月 -すいげつ-
ブランド名
F&C
得点
94
おかず得点
一言コメント
「知識を増す者は憂いを増す」と言ったのは伝道の書だったが、この作品はそんな「幸せ」と「真実」の関係という厄介なテーマを中心に物語を展開する。これが厄介なのは、ふつう、物語においては全ての謎が解決し、そして、それが登場人物達の幸せにまっすぐ繋がる「真善美」の目論見論的三位一体の法則が鉄則に成っているが、お察しのとおり現実ではそうでないからだ。そこで、この作品は面白いことに「幸せ」と「真実」の補給線を断ち切る作戦に出る。水や空気が上と下でそれぞれ別の方向に進むように、この物語は「真実」と「幸せ」が別の音階でズレながら進行し、最後には「幸せ」が「真実」を抹殺していく。これを「強制された歓喜」と取るか「幸せの無条件な肯定」と取るかは各々の解釈に任されているが、ラスト、狂ったように咲き誇るエーデルワイスたちは安易な解釈を許さない。恐ろしさと優しさと軽さが一体化したこの白さは、天使的といっていいだろう
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
AIR
ブランド名
Key
得点
94
おかず得点
一言コメント
この運命的な作品がすべての泣きゲの終わりであるといえることを希望する。T・W・アドルノは「アウシュビッツのあとに詩を書くことは野蛮である」と述べたが、同様にAIRの後に泣きゲを作ることも、泣くことも、野蛮極まりない行為である。何故なら涙では拭いきれないほどの血がこの悲劇では流されるのだから。AIRは悲劇の口当たりのいいロジックを全て否定する。悲劇のカタストロフィのために用意されるお涙頂戴シーンはその機能を止め犠牲者だけを生み出し、神様は何の取引も持ち出さず左手で奪い右手で壊したまう。プレイヤーの過ごした2日間ぐらいのプレイ時間はその重さを失いすべては風に流され、宇宙空間にひとり放り出さされたような哀しさを経験する。「意味はなくてもそこには存在があるのだ」という悲劇論者最後の切り札もラストの強烈な一言によって完全に批判される。ここで語られるのは「悲劇」ではなくほんとうの「かなしいこと」なのだ
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
大悪司
ブランド名
ALICESOFT
得点
92
おかず得点
一言コメント
アリスアリスと昔の人が五月蝿いので「そんだけ言うなら、どんなモンかやってみようか」と思いたった人に是非お奨めするソフト。この作品が「詰まらない」と感じるのなら、ぶっちゃけアリスのSLGなんかやらなくていい。鬼畜展開がダメなら「大番長」でもいいが、やや完成度は落ちるし、鬼畜云々だけではなく物語の分岐によって「鬼畜にならざるを得ない」物語を描くのが、アリスSLGの魅力なので、出来ればこの作品からやるべきだ。大阪を舞台にした魅力的な世界観、物語の展開によって必然的な分岐をしていく臨場感溢れるシナリオ、純ゲームバランス的には決して「よい」は言えないが、大味な能力の設定がそのキャラの個性を引き立たせて「悪司と殺っちんを温存しておけば最後までいけるな」と漫画的に楽しめるような、キャラの個性を軸にしたゲームバランスが本当に良く練りこまれている。あくまで現時点で言えば、ひとつの最高のかたちを持った名作だ。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
Succubus Rhapsodia
ブランド名
Dreamania(CIRCLE)
得点
90
おかず得点
一言コメント
この作品自体が二次創作で生まれたという運命は連鎖していき、サキュラブ誘惑スキーたちがMODに大集合した結果、オリジナルのエロテキストどころか、エロCGも20枚以上追加され、今現在も更新が途絶えないような「サキュバススキー紳士の創作場」になってしまったという特異な作品というか、誘惑エッチやハーレムエッチといった最新の同人エロを適切に表現できる二次創作プログラムである。RPG形式を利用しながら、作品世界の輪郭を世界地図MAPのように明確に描写せず、物語と世界の断片を絶妙に彷徨い繋げるような本編も面白いが、やはり今作最大の魅力は「サキュラブの誘惑エッチやハーレムエッチ」を徹底的に極めんとしてるMOD版だろう。BFのシステムを用いながらも、商業エロゲのエロシーンと同じくらいの尺が用意され、いま現在の商業エロゲでは味わうことのできないサキュバスたちの未知なる誘惑ハーレムがあなたを待ち受けているのだ! → 長文感想(62322文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
イブニクル
ブランド名
ALICESOFT
得点
90
おかず得点
一言コメント
オタクが、増えすぎたエロゲをソシャゲーに移住させるようになって、既に5年が過ぎた。膨大なソシャゲーはオタの第二の故郷となり、エロゲオタは長年の尊厳と引き替えにデレマスで刹那の尊さを得て、そして、死んでいった。西暦2015年(だぶるおーせぶんてぃーないん)、アニメ自爆を経てもケッコンカッコカリは止まらず、オタは自分の艦むすゲームナラティブを共有生産する集団二次創作乱交体制を樹立し、母たるエロゲの独占生セックスから独立を宣言。エロゲ連邦の最古国アリスは新兵器の開発に着手する。巧みなゲームバランス調整で無駄のないキャラ育成&バトルを実現させたRPGによって、フィールド上にあらゆるサブイベントシーンを配置し、ゲーム性体験とストーリーをシームレスに繋げることで、エロゲの豊潤な物語とイチャラブを見事に融合させるケッコンカッコトゥルー嫁ハーレムエロゲのレゴンギスタを目指して……その名は「イブニクル」だ。 → 長文感想(59338文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
歌月十夜
ブランド名
TYPE-MOON
得点
90
おかず得点
一言コメント
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ループ系のなかで一番好きな作品。「別に元の世界に帰んなくてもいいや」みたいな気軽さと、世界のゲーム的な変化が感覚的に楽しめるのが良い。普段不便としか思えない古臭い選択型移動形式が、ここでは何よりもプラスに働く。煩雑に進む場所移動が迷路のような虚構のセカイをリアルに感じさせ、少しづつ崩壊していくセカイの足音を静かに響かせていく。本をめくっているとき誤って指先を切ってしまうように、何気ない行動が現実のセカイを突如切り裂いてしまい、そこからドクドクと虚構のノイズが流れ出していって、世界全体がバグに満ち溢れてていく夢幻的な描写ははまさに作家奈須きのこの面目躍如といったところだろう。これ以上魅力的にゲーム的リアリズムを表現した作品を僕は知らない。そして、何よりもレンたん可愛いよレンたん。無口ロリなのにとっても淫乱な淫魔ちんという凶悪ロリキャラは、まさにロリぺド犯罪者奈須きのこの真骨頂と言えるだろう。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
みずいろ
ブランド名
ねこねこソフト
得点
90
おかず得点
一言コメント
僕に義妹萌えの病気を完治不可能まで植えつけやがった運命的な作品。このソフトをやるまで僕は義妹を実妹の攻略可能廉価版ver――つまり、祖父倫規定で実妹が攻略できな(かったのである。昔は)いから、義妹で我慢しますよ――程度の認識しかなかったが、雪希たんはその大いなる誤りに気づかせてくれた。僕は実妹の近親相姦の背徳感やそのタブーを巡る世間的・近代的葛藤に燃えていたのではなく、真の「恋人」でもなく「兄妹」でもなく「家族」でもないという、義妹の幽霊的な属性を巡る物語に萌えていたのだ。この作品でそれを象徴し物語を構築するのは玩具の指輪だ。その盗まれた指輪は本来の持ち主から離れた故に本物の指輪と同じように輝き、主人公達の関係を引き裂きながら同時にまた結びつけていく。これは恋愛というより、漱石的にいえばPity's akin to loveかもしれないが、信じるかしないような、そんな切実で優しい物語である
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
ワンコとリリー
ブランド名
CUFFS
得点
88
おかず得点
一言コメント
トノイケダイスケの作品にはイベントらしいイベントがないとか、物語らしい展開が少ないと言われがちではある。これは相対的な評価、つまり「他のエロゲと比べた場合の特徴」という意味では正しいんだけど、その作品そのものを見た場合にそのように評価できるか?と言われたら結構むずかしい話ではある。もしも、正確に定義してみるなら、トノイケダイスケにおける物語とは「発展しない」「展開しない」物語、或いは「循環する物語」や「変奏する物語」というべきものだろう。登場人物たちが巻き込まれる状況であるところの物語空間は存在するのだが、それがある一定の方向をもって「進み」はせずに、前に進んだりうしろに戻ったり、方向がわからなくなってその場で昼寝をしたりする。この作品の「お散歩」のように、お散歩に目的地は必要かもしれないが、お散歩は目的地にたどりつくためにするものではない。それはただあるいて誰かとなにかを話す物語である。 → 長文感想(38720文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
ゆのはな
ブランド名
PULLTOP
得点
88
おかず得点
一言コメント
個人的には「ほなにーは俺の嫁ですので100点」と言えば済む作品ではあるんだが、それだとほなにーに「布教が足りていないのです」と怒られるので少しは客観化してみよう。あくまで恋愛シナリオという点で言えばここ数年生まれた作品の中ではトップクラスの出来だと思う。一見するとこのシナリオは「纏まってないよう」に見える。「ほなにーの隠された能力」と「亡き父親の記憶」と「主人公との恋愛」という三本の主要旋律が終始変則的なテンポで進むので、ひとによっては「どれも飛び飛びな印象を受けると」いうように感じるかもしれない。だが、この作品の急所はそこだ。それぞれのメロディが、じつは同じ動機から生み出されていたのだと理解したとき、この不協和音は聴いたことのないような素晴らしい音楽に変化する。彼女の諦めたような笑顔の下に隠されているのは、運命と忘れられない記憶と小さな臆病さが入り混じった、一人の普通の女の子の物語なのだ
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
あぶのーまるらば~ず
ブランド名
とるてそふと
得点
87
おかず得点
一言コメント
エロゲのエロとシナリオの関係においては、だいたい三つの位階を設けることが出来る。一つは「単純に物語にエロシーンがくっついてる」だけの作品で、大半のエロゲシナリオがこれに該当し、エロの配置は良くも悪くもユーザーがそこに意味や劣情を見出すものとなり、今作では幼馴染の姫兎が該当する。二つは「物語がエロの傾向に結びついてるもの」で、ジャンル抜きゲや、エロ導入に拘ったイチャラブエロゲがそれに値し、兄姉近親相姦を懐かしく巧みにSM物語に接続する暁乃や、未知なる感情と性癖に悪戦絶頂する鏑城もこの中に入るだろう。そうして最後の三つは「人間とエロの関係それ自体について」挑もうとする勇者であり、さらに、この作品の瀬利ルートは第二位階の「誘惑エロヒロイン」という昨今性徴目覚ましいジャンルを見事にエロゲながらも、その論理的な帰結としてのエロに病んで愛はパンツを駆け巡るを走り切ってしまう小池百合子シナリオの傑作だ。 → 長文感想(61427文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
妹スパイラル
ブランド名
まかろんソフト
得点
87
おかず得点
一言コメント
「シナリオはイマイチだけど妹属性が好きな人にはお奨めの作品」であるが然しこの作品のシナリオはサイコーである。まずそれを順接的に言えば、傑作ロリシナリオが犇めく今年においても凜火のロリ妹っぷりは、お兄ちゃんに無自覚におしっこしーしーさせてぇと誘惑してくるほどの破壊力を保持しており、もはやギャグに等しいツンデレ妹キャラ霞空も今年で一番笑える駄忠犬妹っぷりを披露してくれるだろうが、それを逆説的に言えば、妹スマイルが義妹的テーマを用いた作品であり、妹スタイルが実妹的テーマを用いた作品であるとするならば、この妹スパイラルはエロゲならではの「可能世界妹」に照準を合わせている。複数の個別シナリオの別世界を無理矢理ひとつの世界に次元融合させ、その別世界での記憶や能力を持たない兄とそれらを持つ妹との恋愛物語から、いろんな夢を見続けるようにして、兄妹関係の新たなイチャラブ可能性を描く異次元規模の傑作なのだっ! → 長文感想(31866文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
同棲ラブラブル
ブランド名
SMEE
得点
87
おかず得点
一言コメント
僕は通常このような言葉をあまり好まないが、この作品に限って言えば、この言葉を使うのが最も適切だと思われる。即ち「この作品は人類が踏み出した偉大なる妄想の第一歩」であると。イチャラブがどーだとかの、そういった俗説に惑わされてはいけない。なるほど、前作に比べるとデレ時の糖分はマイルドだろう。けれども、この作品はイチャラブゲーではなくイチャ嫁ゲーなのだ。前作の恋人なりたての興奮と好奇心はその純度をいっそう高め、今作では何事にも揺るがない不動の熱愛と信頼感へと昇華しており、もうことさらにイチャイチャ描写を強調しないでも、ふたりのご飯の会話をみているだけで、最初から最後まで結婚への散歩道を楽しそうに歩んでいるふたりをみているだけで幸福感に包まれる。結婚をここまで描いたエロゲは空前絶後。むろん、その全ては花穗よっていったん否定され、そして、花嫁を越えた永遠の妹への愛によって力強く肯定されるのであった。 → 長文感想(25707文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
はぴねす!2 Sakura Celebration
ブランド名
ういんどみるOasis
得点
86
おかず得点
一言コメント
いまや日本人のストレスを一身に浴びた血塗れとげぬき地蔵とさえ言ってもいい「けものフレンズ2」のスタッフが参考にしたと(俺の脳内では)される「ウィザーズコンプレックス」というヘルジャパンエロゲの決定版を生み出したどみるが、ウィザコンの反省を踏まえ送り出したのが、このどみる最高傑作とさえ言っていい「はぴねす2」である。前作のオマージュどころか、共通ルートでは前作のヒロイン配置やシナリオ構造を6割型コピーするという「前作もそんな感じだったようなデジャブ感」を連想させつつ、個別ルートではそれを踏まえつつ全く新しい物語を生み出しながらも、それでいてどこか温泉まんじゅうのようなむかしのエロゲの暖かい雰囲気を醸し出す。グランドが実質ハーレムなのに3Pがひとつしか無かったり、あまりそれを生かせてなかったりと多少の弱点はあるものの、まさに昔を振り返りながら、令和の新しいイチャラブエロゲを提示した傑作なのだ。 → 長文感想(45929文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
ラブラブル ~lover able~
ブランド名
SMEE
得点
86
おかず得点
一言コメント
前作「らぶでれ」は「主人 公」といったイカれたキャラクターと、みみみ先輩のような真面目なヒロインの存在がおるごぅる的に合体した、へんてこエロゲーの傑作であったが、今作は喫茶店の中で白鳥堂々「野球」をするようなモブを除けば「主人公」を主体とした普通の恋愛ゲームである。故に共通ルートは「らぶでれ」の圧倒的勝利だ。舞台設定とキャラ関係を描写しすぎたため、前作のようなヒロインと主人公の友達時点のキレキレな日常描写が薄くなってしまった。だが個別ルートは「らぶでれ」と互角いやそれ以上。おどおど後輩から小悪魔系メイドさんの変身が凄いつぐみ。そこらへんのロリキャラ以上に保護欲をそそられる奈々子さん。どんどんぷんぷんぽん病がいぬ夫する千夏といった強敵が待ち構えているうえ、僕らは「近親相姦の鬱展開」をほぼぶっ飛ばしたうえで愛しのマイスタ-と同棲生活を過ごさなければならないのだから。全国の脳内兄者の健闘を祈る。 → 長文感想(21075文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
RanceVI -ゼス崩壊-
ブランド名
ALICESOFT
得点
86
おかず得点
一言コメント
個人的にはランスの最高傑作。ゲームシステムは正直凡作。RPG仕様に行動回数という縛りをつけて、全キャラを幅広く使用しないとクリアできないという独自観点は面白いのだが、これは全キャラクターのレベル上げも意味するわけで、通常作品の倍近い地味な経験地稼ぎが求められる。戦闘もタコ殴りが基本であり、この労苦と単調の最悪の組み合わせがゲームを終始味気ないものにしている。しかし、この作品はそんな欠点を乗り越えてもやる価値がある。ランスシリーズはその戦略SLGというゲームシステムから、複数の勢力を俯瞰的に描写していく多視点構造を取るが、この作品ではそれらの視点が一つの物語(状況)に収斂されていくのではなく、まるで国家の混乱状態を象徴するように、それぞれバラバラのまま放置され物語はカオスを増大させていく。我らがランスは混乱した国家を尻目に女を喰らうばかり。これはランスシリーズしか書きえなかった崩壊の物語だ。 → 長文感想(11604文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
下級生(Win95)
ブランド名
elf
得点
86
おかず得点
一言コメント
取り合えず昔のエルフの代表作をやってみたいなぁって人はこれからどうぞ。フラグも緩く、一部キャラを除いては攻略情報を見なくても簡単にクリアできるので、初心者にもとっつきやすいはず。このゲームの面白さはその攻略要素とゲーム全体の仮想的な現実感――もっといえば、自分がそこにいる感じ――がバランスよく配合されているのに尽きる。好きなキャラを落としたい。でもあのキャラはどこにいるんだろう?と街の中をストーキングし、学校の女子便所から真昼間のラブホテルまでひたすら歩き回り、時間を無駄に潰しながらもそこから小さなヒントを発見して、ピースを繋ぎ合わせるようにヒロインとの関係を近づけていく試行錯誤はまさに「バーチャル恋愛ゲー」という気分を与えてくれるはずである。好感度と睨めっこしながら「今日はおっぱいまで触れるかな?」とハァハァドキドキさせる攻略性からは、他では決して味わえないエロと萌えを体験できると思う。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
戦国†恋姫BRAVE壱 ~四国の鬼若子、長曾我部編~
ブランド名
BaseSon
得点
85
おかず得点
一言コメント
戦国恋姫シリーズの2シリーズ目に当たる「BRAVE」の一作目に当たる今作、正直あまり期待はしていなかったんだけど、予想の3倍ぐらいは楽しめた作品だった。序盤は「記憶喪失の主人公と二重人格の長曾我部」の恋愛日常雰囲気を漂わせながら、微妙に展開予想を外せながら戦乱へと突入しつつ、記憶喪失状態のまま前作ヒロイン達との再会を果たし…と言ったようにプロットを絡ませた二桁ぐらいもいる多数のヒロイン描写が実に見事だ。いちおうパケでは長曾我部と仙谷と帰蝶の三人がメインなのだが、OHPで紹介された今作登場キャラが全員メインと言っていいほど全ヒロインに物語を通じて魅せ場を用意しており、ハーレムヒロイン満足感をたっぷり堪能させてくれる。エロシチュがほぼ挿入オンリーだったり、また後半は戦国シリーズの弱点である「ずっと城攻め展開」と言った弱点は若干あるものの「恋姫シリーズ」全体を通してひとつの到着点と言える良作だ。 → 長文感想(13323文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
淫闘ダンジョン
ブランド名
他力本願(CIRCLE)
得点
85
おかず得点
一言コメント
同人エロRPG界では大ヒットした「プリンセスハニートラップ」に続いて登場したフルボイスのエロRPGだ。フルボイスの恩恵と言う意味では模範作と言えて「普通のRPG敵キャラとして対峙してくる」ような演技をフルボイスでやっているからこそ「ピンチになって突如として媚びた猫なで声で誘惑してくる」という「命乞いエロボイスのエロさ」が思う存分楽しめる作品となっている。RPGとしてはBFのための最低限の規模しかないものの「最後に受けたエロ誘惑技でその後の敗北エロシーンも変化する」等々「BFにおけるエロ誘惑テキスト」と「その敗北後のエロシーン」も非常にシームレスに繋がっており、エロシチュも甘々な誘惑からハードなマゾプレイまで揃っていて、最後のボスのサキュバスのエロはめちゃゃ凝っているという「同人エロRPGにはちょっと興味あるけどボイスがないと抜けるわけないだろ?」初心者にはもってこいの作品だと言えよう。 → 長文感想(4578文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
フォーリン・ラビリンス -隷属の少女たち-
ブランド名
ジュッカクゲームス(CIRCLE)
得点
85
おかず得点
一言コメント
同人エロゲRPGやらSLGやらの大抵の問題点とは「個々のエロシーンが薄い」ことであるが、これが何故起きるのかというと同人の予算制約以外の側面を言えば「個々のシーンの質」よりも「色んなエッチが出来るというエロシーン可能性の量」を優先するからで、結果として個々のシーンはハクオロ×2ぐらいの長さになってしまう。その点この作品は同人エロゲなのに「フルボイス」且つエロ重視ヒロインをメインの2人に調教限定したうえで、RPGと調教SLGを組み合わせながらも、一つ一つのエロシーンもハクオロ×40くらいの濃さを維持しているのがじつに素晴らしい。サブヒロインもエロは4回くらい用意されているし、RPGとしての完成度や物語の内容「調教純愛RPG」としては多少粗削りなところはアリながらも読ませる内容にはなっている。「同人エロRPGは商業に比べるとエロシーンが駄目だから」という人は是非プレイして欲しい良作だとおもう。 → 長文感想(11227文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
彼女と俺の恋愛日常
ブランド名
Parasol
得点
85
おかず得点
一言コメント
パラソル作品では、前作に次ぐ「普通に楽しめるレベルのイチャラブゲー」+「異常なほど可愛い妹ルート」ゲーと言えよう。このブランドは毎回エロだけでは鉄板で、今作も幼馴染みにメイドご主人様プレイとか、萌えゲのエロ王道を解っていて素晴らしいのだが、今作はそこにシナリオブーストがきちんと適切に掛かっているので隙が少ない。ちこたむヒロインのシナリオは、ヒロインの悩みを、恋人後の恋愛のなかで少しずつ解決していくという構造によって「シナリオのテーマ進行」と「主人公に感謝デスイチャラブ」を反復させていくという、イチャラブ描写とテーマ進行を危なげなく進めていく丁寧な作りなのに、そんな鉄板を隕石によって打ち破っていくのが実妹シナリオだ。シリアスやシナリオが逆に欲しくなるような、兄妹のふたりだけの世界が最初から最後まで展開されており、近親相姦シナリオというよりも火星人の恋愛のようなイチャラブショックの清々しさよ。 → 長文感想(37648文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
妖魔大戦 第一章 ~封印のヒメガミ~
ブランド名
ya-ho-games(CIRCLE)
得点
85
おかず得点
一言コメント
廉価同人ゲーの弱点は値段により値段以上の評価が妨げられることが多いところ。この作品は最安315円で、高く評価されているところを見ても「315円にしては良いってだけだろw」と捉える人は多いだろうが、真実3150円ぐらいで買っても充分お釣りが来るほどの良作なのに。「いちゃらぶRPG」と聞いてどんな異色作かと思う人は、まずRPGとして普通に優れた完成度、またこの手のエロRPGにしてはマシな音声付きエロシーン等々をベースとして、そのうえに細部のテキストの「イチャラブ描写」と「戦闘におけるイチャラブシステム」が乗ってると理解したほうが適切。特筆すべきなのは後者で。基本的にはヒロインとキスをするとMPが回復するとか、ラブラブパワーモードに入るとかそんな感じなのだが、このイチャコマンドが戦闘内で絶妙な瞬間に生かされるような絶妙なゲームバランスが、まさに萌えと燃えを両立させる理想のRPGを作り出したのだ。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
もんむす・くえすと! 中章 ~負ければ妖女に犯される~
ブランド名
とろとろレジスタンス(CIRCLE)
得点
85
おかず得点
一言コメント
今はもう全部発売されているのだから、普通に「前章」から始め「中章」そして一気に「終章」までやるべきだという意見は全くの正論だ。ただ内容が内容だけに、興味はあるんだけどCGが自分の好みではないなぁとか、今どき音声無しかよっ!とか思い手に取りにくい人は、この中章から始めるのが良いとおもう。主要キャラ(音声つき)のエロシーンが複数回用意されており、サキュバスやインプといった比較的メジャーなもんむすも多く、自分にはグロすぎて全部のもんむすが合わない!というようなこともないだろう。むろん、この作品の魅力は自分の目当てのもんむすがどーこーと言うハナシでは無くて、圧倒的なもんむすの物量によって一つのファンタジー世界を強力に作り上げているところにあり、その世界に迷い込んだ哀れなユーザーが本来好みでは全くないはずのもんむすに逆レイプの性癖を植え付けられる快感にあるわけで、騙されたと思って真剣に犯されなさい!
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
LOVELY QUEST
ブランド名
HOOKSOFT(HOOK)
得点
85
おかず得点
一言コメント
hookというのは難しいメーカーで、一方ではまったりゲーメーカーとして不動の位置を占めながら、つねに謎の「新システム」によってその不動の位置を崩していたわけだが、今作に限って言えば「hookの純愛は完成した」と言っても決して大袈裟ではない。hook過去作品のアイデア「恋愛授業」「メール機能」「ヒロイン視点の定期的な挿入」が「これってマジhook作品?」と思わず呟いてしまうほど手際よく取り入れられている。最初から最後までヒロインと少しずつ仲良くなるだけの小鳥のようなキスを繰り返す日々が語られ、ヒロイン視点によってヒロインの甘く緩い心の声によって脳髄を破壊されながら、ときどきヒロインのメールに「愛しているよ」といった選択肢を自ら返しているだけでもエロゲは成立してしまうのだよ。ミニマルな快楽の反復だけで萌え転がれるなんて、これは「純愛の探求」ではなく「純愛洗脳の追求」の傑作だと言わざるをえない。 → 長文感想(37338文字)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
感覚の鋭い牙
ブランド名
WINTERS
得点
85
おかず得点
一言コメント
平井次郎氏のエロゲから漂ってくるのは圧倒的な貧しさである。べつだん経済的な貧しさが作品のテーマとなっているわけでも、OHPが殺伐としているからそう感じるわけでもなくて、切りつめられ凝縮されているというよりも「ただそれしか語ることがないから」寡黙たらざるをえないテキストと、ノイズ系音楽が好きと言うよりも「自分の持っているCDがそれしかないから」という理由で鳴っているようなまさに「ノイズ」でしかないBGMの宙ぶらりんな二重奏が、全てが四畳半のブリーフのフルボッキに支えられているような「取りあえずエロいことぐらいしかやることがない」世界観をしゃりしゃりと噛みしめさせる。そうした「貧しさ」が一番伝わってくるのがこの作品だろうか。序盤の「ただ他に相手がいないから兄姉相姦」と言った感じのダメ共依存関係は、アホな中学生が見るようなSF淫夢世界に呑み込まれながら、生に病んでエロは荒野を駆け巡るのであった。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
VenusBlood -FRONTIER-
ブランド名
DualTail(DualMage)
得点
85
おかず得点
一言コメント
ネタバレコメントを表示する
取りあえず最凶難易度までクリアしたので感想をババぁ。良い言い方をすれば毎回確実に進化を遂げるVB、悪い言い方をすれば毎回確実に改良点が見つかってしまうVBシリーズではあるけれども、良い方から言えば今作VBFのFはFinaleと言って良いくらいの完成度を誇っているのは間違いない。純粋に戦略/育成システム(のみ)で言えば、ここ数年のエロゲーのなかでいちばん他の楽しめた作品だった。エンカウントバトルで50ユニット以上の運用を求められることもさることながら、男キャラなんて主人公以外ツカワネ可愛いユニットは正義!を餌でいく萌え豚硬派プレイをしても、所謂「捨てキャラ」のようなユニットが見当たらず、運用次第でフツーに使えるゲームバランスは素晴らしいと言わざるをえない。しかしどうしようもなくFrontierなのはシナリオと各種バグで、中ボス不在そっこー最終戦争燃え展開やロリエチが少ないのに俺は泣いたのだ。
長文感想(11575文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
先生だーいすき
ブランド名
SCORE
得点
85
おかず得点
一言コメント
例えばあなたの大好きなエロゲシナリオのヒロインが、とつぜんカトリック教会が仕掛けたブルックナーウィルスによって全て「12歳以下しか見えない」立ち絵やCGに変わったとしよう。変更点はそれだけで他は全部変わらない。その時にあなたは今までと同じようにそのシナリオを愛せるかだろうか? エロゲにおけるロリゲーシナリオの抱える問題点というのは、上の例の問題と似たようなところがある。つまり、もしも立ち絵やCGが「ロリキャラじゃなかったら」それはまぁ普通の純愛シナリオと読めるのだが、それが「ロリキャラ」になった途端「そうじゃねぇだろ」と思ってしまうわけだ。このゲームも基本的に前半部分はNHK教育でやってもおかしくない「ええ先生モノ」なのだが、後半になると「ええ先生モノ」の論理のまま「悲しんでいる幼女を愛さないのはヘンだ」という流れで幼女天国に至るのであり、コレの何処がヘンなのかを指摘するのは大変に難しい。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
MAID iN HEAVEN SuperS
ブランド名
PIL
得点
85
おかず得点
一言コメント
なんだかよくわからない理由によって昨今の秋葉にはリアルメイドさんが徘徊しているのだが、なんだかよくわからない理由によって10数年前の鬼畜&調教ゲーではメイドさんが調教されており、そのような状況を一発で変革したのがなんだかよくわからないこのバカゲーだ。「メイドはご主人様によって調教されるべきだ」を語るのが以前の調教ゲーだとしたら、この作品はメイド自身が「ご主人様はわたしを調教するべきだ」と訴える。これにより調教ゲーの基本原理である「単純反復調教による心理又は性感の性奴隷化」といった巨人の星は無効化されてしまう。だってハナっからメイドがやる気マンマンで、基本的にどんな行為も受け入れちまうんだから、数々の調教行為は何らかの目標を失って、ひたすらバカカップルの終わりなきバイブをくるくる回し続けるしかない。天国とは意味なしで幸せになれる場所であり、メイド・イン・ヘブンの扉は今ここに開かれたのだった。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
True Love Story Summer Days, and yet…(PS2)
ブランド名
エンターブレイン
得点
85
おかず得点
一言コメント
所謂「葉鍵時代」が到来する前に美少女ゲーム業界を支えていたタイトルといえば、エルフの「同級生」「下級生」シリーズ、コナミの「ときめも」シリーズ、セガの「サクラ大戦」シリーズといった名前が、これらのソフトをプレイしたことがない人でも思い浮かぶと思う。その中でも葉鍵時代以降も確実に生き残って、ある意味では2009年の現在まで、そのDNAが存続していると思われるのがこのTLSシリーズであり、そして、作品の内容的に「有終の美を飾った」といえるのがこのソフトだ。前述した作品の多くが1や2で基本的なシステムの改良を停止したのに対し、このTLSSだけは最後の最後にシリーズ最高のゲームシステムを構築したという希有な達成を持つ。TLSシリーズを未プレイの人は、まずはこれをやるのが一番手っ取り早いと思うし、恋愛SLGをやったことがない人でも、攻略サイトに頼らず自分自身で面白さを発見できる取っ付きやすい作品だ。 → 長文感想(29007文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
うたわれるもの
ブランド名
Leaf
得点
85
おかず得点
一言コメント
エロゲ史上、最も早漏れな男として勇猛を馳せているハクオロキングダムであるが、彼がそうなった理由を語らないのはフェアではあるまい。エロゲには数多くの「ハーレムゲー」が存在するが、日常的な意味でハーレムしているのはハクオロくらいだからである。そりゃあんなに枯れても仕方がない。まず「ヒロイン全員から好かれている」だけでは、エッチしていないので「可能性上ハーレム」というべきだし、「全員とエッチした」場合でも大抵メインは「全員エッチするまでの物語」なので、「結果的ハーレム」でしかない。確かに抜きゲには全員とエッチする作品は多いけど、それはエッチすることが目的化されていて、他の日常要素が軽視される傾向にある。つまり、ヒロイン全員とエッチした上で、なおかつそれが当たり前であるかのような空間を作らなければならない。この作品のSLGだの国家戦争だのSF設定だのは、そんなハーレムの為の素材に過ぎないのである。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
Daydreamer ~淫魔と天使ともんすた~娘の思い出~ 前編
ブランド名
さんとり(CIRCLE)
得点
84
おかず得点
一言コメント
84点というかなり高めな点数を付けているものの「色仕掛け」とか「誘惑エロ」とか「甘々堕落エロ」といったジャンルに全く興味の無い人にとっては74点前後が妥当な点数だろう。エロ嗜好を除けば作品それ自体は「そこまで悪くはない」レベルで、他の凡庸なエロRPG傑作のように「エロ抜きでもRPGとしての楽しめる」ような作品とは言い難い。但し「色仕掛け甘々堕落」に特化した作品としてはこれは超良作レベルといってもいい。基本は「質より量」の典型的エロRPG仕様ではあるのだが、そのエロ全体が妙に甘ったるく、世界観も程よいシリアスのファンタジーの中で「主人公である勇者をサキュバスたちの虜にしよう」と誘惑を仕掛けてきて、敵に負けても主人公はサキュバスたちに丁重に可愛がられますたみたいな「もう世界なんて救わなくて良くね?」というイチャラブ退廃誘惑エロを思う存分味わえるのだ。単に絞られるだけエロRPGが苦手な人は是非。 → 長文感想(7778文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
VenusBlood -HYPNO-
ブランド名
DualTail(DualMage)
得点
84
おかず得点
一言コメント
VBD以降のゲーム性デザインの最後となるこのVBHは、残念なことにその有終の美を飾る作品とは言い難い作品で、せいぜい「変異獣バクス」あたりの相応しい作品になってしまった。実際のところ、今作でいちばん良く出来ている部分はVBシリーズらしからぬロウルートのシナリオである。基本的にどの場面においてもアノーラやシルヴィアといった物語の核となる真ヒロインキャラを前面に出したシナリオの御陰で、王道的な「みんなの力で最大の悪をやっつけます」的なシナリオがVBシリーズの中では一番よく書けている。その次に良いのが3PW調教エロでこれはVBGから大いに進歩している。逆に言えばそれ以外はややイマイチである。肝心要のゲーム性は相変わらず部隊編成の戦術バランスは面白いものの、戦略ゲーム性が基本的に多師団を要求しないので食い合わせが悪く、エロも純愛から悪堕ちから狂落ちまで薄く薄く揃えるコンビニの納豆売り場状態で萎え。 → 長文感想(19280文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
VenusBlood -GAIA-
ブランド名
DualTail(DualMage)
得点
84
おかず得点
一言コメント
「2割増しの面白さ」という公式コメントは良くも悪くもその通り。良い面から言えば、九尾お得意のゲーム性は順調に5割ほど進化している。前作まではほぼゼロだった戦術性、VBAでは全く生かし切れていなかったタワーディフェンスも大幅に改善され、前作から引き継いだエンカウントバトルをさらに奥深いものにしている。編成を組むだけで軽く一時間ぐらい経ってしまう「レギオン」の組み合わせや、ノーマル難易度でもハードクラスに難しいのだが、良く考えれば出口は見つかるゲームバランスの妙も相変わらずだ。とはいえ、シナリオテキスト全般は7割パワーダウンといっても大袈裟ではあるまい。たぶんVBシリーズにおいて最低の出来であり、いろいろと文句はあるが端的にシナリオもテキストも薄っぺら過ぎ、また前述のレギオン関係もキャラと物語の印象の薄さに拍車を掛けている。天は九尾にあくまで二物を与えないつもりか。ふたなりはたくさんあるのに。 → 長文感想(17528文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
GEARS of DRAGOON ~迷宮のウロボロス~
ブランド名
ninetail
得点
84
おかず得点
一言コメント
九尾系列は数年まえから作品の完成度もメーカーの知名度も売り上げも上がり続けているが、今回の作品は良くも悪くもその総決算ともいえるだろうか。良い意味から言うと、九尾作品は難易度自由選択またはやり込みモード選択といった形で、ひとつの作品のなかでなるべく多数のユーザーが納得できる形を目指していたと思うのだけど、今作はかなり徹底している。やり方次第で序盤からLV最高に出来るような試行錯誤プレイの幅が本当に広いのだ。ストーリーモードでもストーリーを無視し、工夫して経験値稼ぎに邁進するようなユーザーには、これは最高の作品なのかもしれない。但し、そのゲーム性がストーリーに寄与しているかと言えばかなりの疑問であり、今回はストーリーとゲーム性が完全に分裂してしまっている。今回の売りであったカオスやロウもシステム的にも物語的にも大きな変化はなく、九尾の良いところと悪いところがクッキリ出た作品になってしまった。 → 長文感想(24692文字)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
Clover Point
ブランド名
Meteor
得点
84
おかず得点
一言コメント
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エロゲにおける血縁関係の背徳感というのを冷静に分析してみると、基本的にはまぁバカバカしいといえるわけだ。たとえばあるヒロインシナリオのテキストを一字一句変えずに、そのキャラ設定を「義妹」を「実妹」と一文字変えるだけで、レッツ背徳だと萌えてしまう人は結構多いわけで、ここで起きていることは、その作品のベタ物語内容による背徳感の想起ではなく、ユーザーの心理において「オレは本来はイケナイ実妹キャラを攻略しているんだ」とメタ自作自演的に背徳感を生成しているのである。そして、この作品の夜々シナリオは以上のような二つの視点のレベルを犯罪的なまでに利用しまくる。夜々が普通の後輩キャラだったとしても、このキャラ造形と凄まじいデレ日常描写で相当に評価されていただろうが、そこにメタ的な近親相姦設定を匂わせつつ、しかし確定させないことにより、普通の恋愛物語は背徳感を帯びながらも運命的な純愛物語へと変身するだろう。
長文感想(51678文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
神採りアルケミーマイスター
ブランド名
エウシュリー
得点
84
おかず得点
一言コメント
「姫狩り」は基本システムは良くできていたのに、二周目以降の難易度が低く、シナリオ分岐が最終章のみに限られていたりとツメの甘さが目立つ作品だったが、今回は中盤から三つのメインヒロインルートに分岐し、二周目全引き継ぎ難易度難しい、三周目全引き継ぎ敵レベル解除、といった感じでやれば全ルートを楽しみつつ、最後まで緊張感を失わずにプレイできるようになったのは確実な進歩だろう。そして、本作のメインディッシュ――アイテム収集&合成は前作以上に楽しい。今作の場合「要らん素材」が後々役に立ったり、金稼ぎ用のアイテムにすぐ転化できるので、全ての作業プレイが貯蓄プレイのように感じられ、小銭をかぞえ集めているだけで毎日毎晩睡眠時間を虐殺される廃人たちが夢のあと。ただ、こうしたゲーム性と最後まで謎を小出しで引っ張るメインシナリオの食い合わせが悪く、絡みの多いサブ勢のほうが魅力的に見えてしまうのは気になる点ではある。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
らぶでれーしょん!
ブランド名
SMEE
得点
84
おかず得点
一言コメント
昨今の主人公に求められる単語と言えば「大人」「勤勉」「誠実」であり、なんかもうすべての主人公の名前は二宮金次郎でよくね?って感じであるが、この「主人 公」は金次郎の背中にコソーリ接近し薪にチャッカマンしそうなイカしたヤツだ。無論、ただの御巫山戯が面白いわけじゃない。この「主人 公」という変な名前と、らぶでれーしょんなエロゲ空間が絶妙にマッチしているのだ。複数ヒロインと主人公の「仲良しグループ」描写で、各ヒロインの特徴と物語を描く普通のエロゲとは違い、この作品は始めから最後までヒロインと主人公ふたりだけの日常描写を徹底する。すると、「主人 公」のボケ&突っ込みトークを通じてヒロインの特徴が浮き彫りになり、自ずとふたりで恋愛を創りだしていくような独特の密着感が生まれるのだ。とってつけたような山場で密着感を壊すこともなく、ハーレムシナリオも異常にエロ狂っており、まさにタイトル通りの傑作と言える。 → 長文感想(19414文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
Fate/stay night
ブランド名
TYPE-MOON
得点
84
おかず得点
一言コメント
この作品をやると2CHによく貼られる「キモオタ」のAAを思い出す。これは別に笛のファンがあんなキモオタだとか、或いは作者がそうであると言いたいわけではない。そうではなく、あのキモオタが「どうだっ、俺の考えたこの設定はすごいだろっ!」と、本当に楽しそうにFATEという物語をぺちゃくちゃかたる風景が目に浮かぶのである。夢枕獏という作家はオタクの本質を「凶暴、純情、劣情」と言ったが、この作品はそれらのおもちゃ箱といっていだろう。ちょっと冷静に読めば、物語のテーマと物語の行為がズレまくっているのに気がつくのだが、そんなん気にするほうが馬鹿馬鹿しくなるくらい、あるいは自分が馬鹿でもいいや♪と開き直ってしまうほどオタ妄想のドライブ力に満ち溢れた故郷のような作品だ。この作品を全然楽しめないという人は、ちゃんとした一般人に復帰できる可能性が残されているので、今日から一日四時間を目標にこれをやり直すべきだ。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
神楽新風記 ~みくるの章~
ブランド名
でぼの巣製作所
得点
83
おかず得点
一言コメント
シリーズファン以外にはほとんど知られていなんでしょうけどかれこれ20年ぐらいは続いてる「神楽」シリーズが「黎明記」から「新風記」に変わりましたよ!とはいっても基本的なシステムから作風エロはあまり変わっていないんですけど、僕のような「異種姦快楽堕ちスキー」にとっては今作はひさびさに満足が逝く作品ではありました。天狗さんやヒダル神と言った「快楽堕ち系妖怪」は残念ながら登場しないものの、みくるちゃんが基本ロリエロっ娘なので快楽に弱く、シーンの中うしろあたりで快楽堕ちしてくれるので「最後まで落ちません快楽我慢大会」エロテキストが苦手な自分のようなエロゲオタにとっては推奨できる神楽ではありますね。後半の妖怪には複数(3体)「諦める」選択肢が用意されているのもよくて、そこで完落ち系エロシーンも堪能することはできます。まぁいちおうマルチエンドに苗床ひぎい系エロはありますが、今作は快楽堕ちがメインかなと。 → 長文感想(5990文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
素晴らしき国家の築き方
ブランド名
アイリスフィールド(CIRCLE)
得点
83
おかず得点
一言コメント
良い意味で典型的な同人ゲーの「良作」だろう。これを定式化するなら「1:ゲーム性は兎に角難易度設定から経験値稼ぎまで自由度が高くていろいろやれる感じが一番楽しい(裏を返せば自由が高いだけで最適戦略の幅は少ない)」「2:シナリオは同ブランドの他作品と関係していて、当作品の内容よりもそれらのサーガ的な壮大な世界観を感じさせる」「3:エロはやっぱり早漏れ量より質でパートボイスでもエロシーンにはボイスを使わないくらいエロ軽視」ってのが、これらの典型良作であるが、この作品は「2」の部分が良く出来ている。序盤から中盤までは「この作品単体に収まりそうな内容」なのに後半から徐々にサーガ的な加速が強まりグイグイと強引に長大なテキスト量を読ませてしまうところが面白い。にこういう「バランスは非常に悪いが作り手の異様な熱意」を感じさせるのがこの手の良作の良いところではあると思うんだが、この質より量の無駄エロがなぁ…
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
キミトユメミシ
ブランド名
Laplacian
得点
83
おかず得点
一言コメント
七月ダークホースゲー扱いされている今作。発売前は声優陣が豪華な抜きゲーっぽいと言われ、それが歌も豪華だが内容はワカランゲーへと変わり、体験版が公開されたら思わず便秘少女も荒野を目指してしまうくらいの変幻自在ギャグ十字砲で期待のバカゲーへと祭り上げられたものの、実際は今どき珍しい地味な「ヒロインと一緒に頑張ろう青春ゲー」だったでござるよ。大半ルートは序盤から、早くもヒロインと主人公の目標が決まり、後はそれに向けて様々な問題を解決しながらも、基本は日々の努力をイチャラブしながら続けていくのみ。ヒロインの夢を覗き見する一方関係から、ヒロインの未来への夢を共有していく「キミトユメミシ」ダブルミーミングを生かした時雨ルートは処女作とは思えないクオリティなのに、ブツ切りが目立つ他ルートや、淫夢ネタをギャグ以外の特にエロに上手く生かしていない等々、処女作らしい荒削りさと新鮮な推進力に満ち溢れた良作だ。 → 長文感想(14697文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
イマコイ サキュバスと添い遂げるオレ!?
ブランド名
とらいあんぐる!(CIRCLE)
得点
83
おかず得点
一言コメント
今までもエロゲにおいてはサキュバスキャラはわりと出ていたと思うが、その殆どは基本的に「純愛サキュバス」物語であり、エロシーンにおいても物語においても、主人公を性的に誘惑するようなエロや主人公が堕落したり籠絡されるようなエロシチュを描いたものは少なかった。そうして、まさにイマコイに「誘惑サキュバス」モノの古典と言える完成度を持った作品が誕生したのであーる。確かに今どきcdromかよって感じの低ボリュームであり、エロシーンも堕落分岐を含め各キャラ3回しかなく、個別ルートなんてものは10分足らず終わる基本廉価ゲームではあるね。しかしそれらのエロシーンはまさしく「いままで殆ど体験したことがなかった」ようなエロさに満ち溢れていて、今までの二次作品では叶えられなかった、サキュバスの尻尾で性器やらお尻やらにキス注射されまくった挙げ句あの柔らかい翼で優しく魂を抱きしめられながら闇で逝きたい人は特攻すべし! → 長文感想(19756文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
Kasumisan# -真夏のリフレイン-
ブランド名
GASTRO
得点
83
おかず得点
一言コメント
ループ物語において登場人物達がループから脱出する理由は、そのループ世界を成り立たせている犠牲者を救うためである。要は「こんな嘘の世界によって苦しんでいる人がいるんだから」という実に人倫に適った行動であり、つまんない言い方だと「日本の原発は絶対に安全です」のような日本社会的フィクションの批判を暗に含んでいるわけだ。ただ、ここでひとつ問題がある。もしも「日本の原発は絶対に安全です」がそれ自体は真実であり、誰にも何ら犠牲者を産みだしていないが、その世界が巨大なフィクションだったばあい、登場人物たちはそこから脱出する理路を、どこから導き出せば良いのだろうか? この作品はこの問いの答えに見事に失敗することで、ループ物語の別側面を逆説的に語る。かび臭いクーラーのぬるい風に抱きしめられて、締め切ったくらい部屋のなか今日もあしたもアイスと少女が永遠に溶け続ける夏の甘い腐った時間が忘れられない人は、是非。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
妹スタイル
ブランド名
C:drive.
得点
83
おかず得点
一言コメント
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偉大なる毛沢東主席は、西欧の核兵器に中国は対抗できるのかと聞かれ「我が国には広大な国土と10億人の人民がいるっ!」とムスカ様も痺れる台詞を吐いてくださったが、まぁ確かに「圧倒的な量」がある種の「質の変化」になるのは事実である。正直な話、僕はいま自分のやっている作品が本当にエロゲーなのかと何度か自問自答してしまった。個別ルート分岐後30分ぐらいでエチシーンに入るのは珍しくないが、その後も大きな起伏なく主人公である「お兄ちゃん」と妹たちは甘い日常を繰り返しながらチュッチュするばかりなので、日常シーンとエロしーんの区別すらつかないまま永遠の現在が描かれるばかりなのだから。しかし、この作品の本当の恐ろしさは、苺花ルートや柚奈のように、いっけんイチャだけに見えるテキストのなかで、お兄ちゃんと妹とのジグザクな成長物語がきちんと描かれているところだ。エロゲの「シナリオ」の意味を考えさせれる逸品でもある。
長文感想(24738文字)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
同級生オリジナル版
ブランド名
elf
得点
83
おかず得点
一言コメント
エロゲーの元祖といわれている作品だが、改めてプレイすると、なんともアナーキーな作品である。大日本エロゲ帝国憲法修正九条により、女性キャラクターは全て18歳以下であるはずだが、この作品は同級生といいつつ20歳以上の還暦を迎えたおばはんが攻略キャラの大多数を占め、下は16歳から上は25歳までのババァが幅広く出現する。ゲームシステムも極めて異常だ。一部キャラを除いて、複数キャラを同時攻略しないと狙ったヒロインを攻略できない異常フラグ。主人公は複数のキャラとHをし、ババァから性病を移され痛むチンポを宥めつつ、二股で悩んでいる親友キャラをバツの悪い気分で眺めながら、時にはそいつの彼女を寝取ったり寝取られたりして、夏休みの最後の日までに、本当に好きな女の子と自分の将来を決めなくてはならない。18年前のエロゲの未成熟な試行錯誤と、全てはこれからだという熱気が伝わってくる歴史的な作品である。 → 長文感想(41577文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
CLANNAD(非18禁)
ブランド名
Key
得点
83
おかず得点
一言コメント
点数はそれなりに客観的につけているが、忌憚ない主観的な意見を吐かせて貰うなら、これほど怒りを覚えたkey作品は存在しない。これをkey以外が作るならいい。或いはAIR以前のkeyが作ったなら90点はつけてもいい。だが、よりにもよってAIR以降のkeyがこんな「美しい泣きゲー」を作ってどうするのだ! いや、まぁ単純に言えば正直「かなり」期待していたのである。特にOPの曲がよかった。「痛みも悲しみも味方に変えながら~」という歌詞は鍵のある本質的な部分を上手く表現していて素晴らしいとさえ思った。ところが、実際に「味方」になったのは単なる「泣きゲ的カタストロフィ」ではないか。ヒロインをぶっ殺して喪失感を演出させて、最後までそれをネチネチ弄った挙げ句涙の射精に導くポルノ的構造だ。無論、それはとても良く書けている。だけれど、僕は今更鍵にこんなもの作って欲しくなかったのだ。これは一種の後退ではないのか。
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
Daydreamer 天使と淫魔と踊り子の思い出
ブランド名
さんとり(CIRCLE)
得点
82
おかず得点
一言コメント
一応「Daydreamer」シリーズの三作目にあたる今作で、物語的には前作の続きと言う展開にはなっているものの、登場キャラは今回初登場が多く、物語的にもそこまで連続性はないので今作から始めてもそこまで支障はない。さて、評価としては「前作の良い誘惑篭絡えっち部分は割と強化したうえで、前作のイマイチなゲームシステム部分は色々変えたものの本質的には変わってない」と言う感じだ。前者に関しては「サキュバスとかにあままま快楽攻めで虜にされたい。あんま罵倒とかマゾ責めとかされたくない」という人には素晴らしい出来で、誘惑同人エロゲ界唯一の甘口カレーと言った作品ではあるんだが、後者についてはタワーディエンスとか会話システムとかいろいろ頑張って凝っているもののそれがあまり生かされていないのは残念だ。一枚絵とそれのアニメのクオリティはどれも非常に高いので、そんなサキュバスに快楽の虜にされたい人にはお勧めだろう。 → 長文感想(8258文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
まどひ白きの神隠し
ブランド名
Lump of Sugar
得点
82
おかず得点
一言コメント
最近の角砂糖作品の中では、特にこれといった欠点も無く、素直にヒロインの可愛さとそれに応じたエロさを楽しめるスキのない良作だ。まぁ前作の「ひより」同様に今作も「娘ヒロイン」展開で煽りながら結局は「娘じゃなくて恋人になる」みたいなシナリオはあるとして、それ以外のヒロインは何気ない日常描写からあふれ出るヒロインの魅力やエロさ上手く生かしたシナリオになっており、千代さんなんて「私を道具として使ってください」という台詞や振る舞いに隠されたエロさだけで後半まで突き切っるような良い意味で内容が無いようのシナリオにも拘らず「ましろ」シナリオは存在の境界線を感じさせるような幻想話であったり角砂糖ならではの雰囲気も楽しめる。実妹の「椎凪」が物語的にトゥルーの位置を占めているのも久しぶりな感じで、実利功利的な振る舞いをリアルとして是とする最近のエロゲに疲れながらも、癒しなエッチを求める人には強力にお薦めしたい。 → 長文感想(18836文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
三枚のおふだ 鼎 コドクの妖己
ブランド名
ミンワ(CIRCLE)
得点
82
おかず得点
一言コメント
三枚のお札シリーズの第三作目。物語内容としては「今作の主要登場人物は主人公以外全員新キャラ」であるし、前作らと特に深い繋がりがあるわけでもないので全くの初心者でも楽しめる内容になっている。さて、基本は「妖怪系もんむすに逆レイプされたり誘惑されたりするソフトM系エロRPG」なのであるが、今作の売りどちらかと言うと「ショタ主人公を生かした意外にシリアスなシナリオ」であると言えるだろう。「大義の為に人を犠牲にするべきか、或いは自分の命を犠牲にしてまで他人を助けるべきか?」という古典的なテーマを中心に物語は動いていくが、この作品の見どころは「主人公がそんな重い問いに答えられない」という優柔不断リアリティを「ショタ主人公がもんむすに慕われるる理由」としてうまく描写出来ている点だ。パズル要素はやり過ぎだが、エロ描写も中々に上手く、テーマやエロ等々に気になった人はやっても決して損はしない作品ではないか。 → 長文感想(9958文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
闇染Revenger -墜ちた魔王と堕ちる戦姫-
ブランド名
Escu:de
得点
82
おかず得点
一言コメント
エスクードと言えば、物語と融合したゲームシステムと、選択肢より物語への感情移入を巧みに操作するようなゲームナラティブによって世評の高いメーカーであったが、今作はそうした既存の魅力に加え「闇堕ち恋愛イチャラブエロゲ」とでもいうべき、新しい方向性の悪堕ちにチャレンジし見事に成功を収めたと言えよう。主人公が正体を隠しヒロインと接するジャンルのお約束を踏襲しつつ、その中で主人公が普通の恋愛ゲのようにヒロインの悩みを知りながら、ヒロインの悩みを突いて裏ではヒロインを凌辱し自分のモノにする「ヒロインを凌辱したいが、しかしそこまで酷い事はしたくないし、最終的には独占してイチャラブしたい」という非常に都合のいい純愛凌辱願望を満たしてくれてありがたや。そういう作品なのに、闇堕ち後のイチャラブエッチや描写がやや少ないという弱点もあるが、今までの闇堕ちゲーには純愛凌辱が足りないという人には垂涎モノの良作だろう。 → 長文感想(21314文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル
ゲーム名
QUINTUPLE☆SPLASH
ブランド名
Parasol
得点
82
おかず得点
一言コメント
パラソルっていうメーカーは、昔からわりと作風がコロコロ変わる不安定なメーカーで、さらに今作からは看板ゲンガーだった「ちこたむ」画伯も抜けて、なんかウリ要素あるんですかこれぇ?みたい微妙雰囲気が漂っていた今作だが、こういう時に限って良作がポンと出たりするからエロゲっていうのは面白い。水泳大会展開になりながらも、最後まで本当はもっと楽しいことをしたいー、主人公にいいカッコを見せたいだけーと、だらけイチャラブする亜美ちゃんシナリオや、アニキからお兄ちゃんまで兄妹の関係性の変化をシリアスを交え丁寧に描きつつも、根本的な所ではいつもお兄ちゃんに子供のようにじゃれ合っている姿を見逃さないい巴シナリオといった、イイ話や成長頑張りました話には収斂されない「水と弾けるようなイチャラブ」の毎日を軽やかに描いてる。貧乳ボディを煽り立てる着エロや何気ない日常仕草からのエロ移行といった、間接エロの強調も素晴らしい。 → 長文感想(40870文字) (ネタバレ注意)
投稿日時
ユーザー名
マルセル