マルセル
基本情報
- 総プレイ数
- 288
- 総プレイ時間
- 28
- 一言感想数
- 287
- 長文感想数
- 123
- 総長文感想参照数
- 337297
得点分布
得点 | 度数 | グラフ |
---|---|---|
100 | ||
90~99 | 7 | ![]() ![]() |
80~89 | 102 | ![]() ![]() |
70~79 | 156 | ![]() ![]() |
60~69 | 14 | ![]() ![]() |
50~59 | 1 | ![]() ![]() |
40~49 | 2 | ![]() ![]() |
30~39 | ||
20~29 | ||
10~19 | ||
0~9 | 1 | ![]() ![]() |
おかずに使える状況
状況 | 度数 | グラフ |
---|---|---|
とても | 0 | ![]() |
かなり | 0 | ![]() |
だいぶ | 0 | ![]() |
それなりに | 0 | ![]() |
あまり… | 1 | ![]() |
まったく… | 0 | ![]() |
あわなかった | 0 | ![]() |
得点の高いゲームのコメント
- ゲーム名
- 水月 -すいげつ-
- ブランド名
- F&C
- 得点
- 94点
- おかず得点
- 一言コメント
- 「知識を増す者は憂いを増す」と言ったのは伝道の書だったが、この作品はそんな「幸せ」と「真実」の関係という厄介なテーマを中心に物語を展開する。これが厄介なのは、ふつう、物語においては全ての謎が解決し、そして、それが登場人物達の幸せにまっすぐ繋がる「真善美」の目論見論的三位一体の法則が鉄則に成っているが、お察しのとおり現実ではそうでないからだ。そこで、この作品は面白いことに「幸せ」と「真実」の補給線を断ち切る作戦に出る。水や空気が上と下でそれぞれ別の方向に進むように、この物語は「真実」と「幸せ」が別の音階でズレながら進行し、最後には「幸せ」が「真実」を抹殺していく。これを「強制された歓喜」と取るか「幸せの無条件な肯定」と取るかは各々の解釈に任されているが、ラスト、狂ったように咲き誇るエーデルワイスたちは安易な解釈を許さない。恐ろしさと優しさと軽さが一体化したこの白さは、天使的といっていいだろう
- 投稿日時
- ユーザー名
- マルセル
- ゲーム名
- AIR
- ブランド名
- Key
- 得点
- 94点
- おかず得点
- 一言コメント
- この運命的な作品がすべての泣きゲの終わりであるといえることを希望する。T・W・アドルノは「アウシュビッツのあとに詩を書くことは野蛮である」と述べたが、同様にAIRの後に泣きゲを作ることも、泣くことも、野蛮極まりない行為である。何故なら涙では拭いきれないほどの血がこの悲劇では流されるのだから。AIRは悲劇の口当たりのいいロジックを全て否定する。悲劇のカタストロフィのために用意されるお涙頂戴シーンはその機能を止め犠牲者だけを生み出し、神様は何の取引も持ち出さず左手で奪い右手で壊したまう。プレイヤーの過ごした2日間ぐらいのプレイ時間はその重さを失いすべては風に流され、宇宙空間にひとり放り出さされたような哀しさを経験する。「意味はなくてもそこには存在があるのだ」という悲劇論者最後の切り札もラストの強烈な一言によって完全に批判される。ここで語られるのは「悲劇」ではなくほんとうの「かなしいこと」なのだ
- 投稿日時
- ユーザー名
- マルセル
- ゲーム名
- 大悪司
- ブランド名
- ALICESOFT
- 得点
- 92点
- おかず得点
- 一言コメント
- アリスアリスと昔の人が五月蝿いので「そんだけ言うなら、どんなモンかやってみようか」と思いたった人に是非お奨めするソフト。この作品が「詰まらない」と感じるのなら、ぶっちゃけアリスのSLGなんかやらなくていい。鬼畜展開がダメなら「大番長」でもいいが、やや完成度は落ちるし、鬼畜云々だけではなく物語の分岐によって「鬼畜にならざるを得ない」物語を描くのが、アリスSLGの魅力なので、出来ればこの作品からやるべきだ。大阪を舞台にした魅力的な世界観、物語の展開によって必然的な分岐をしていく臨場感溢れるシナリオ、純ゲームバランス的には決して「よい」は言えないが、大味な能力の設定がそのキャラの個性を引き立たせて「悪司と殺っちんを温存しておけば最後までいけるな」と漫画的に楽しめるような、キャラの個性を軸にしたゲームバランスが本当に良く練りこまれている。あくまで現時点で言えば、ひとつの最高のかたちを持った名作だ。
- 投稿日時
- ユーザー名
- マルセル