戦国恋姫シリーズの2シリーズ目に当たる「BRAVE」の一作目に当たる今作、正直あまり期待はしていなかったんだけど、予想の3倍ぐらいは楽しめた作品だった。序盤は「記憶喪失の主人公と二重人格の長曾我部」の恋愛日常雰囲気を漂わせながら、微妙に展開予想を外せながら戦乱へと突入しつつ、記憶喪失状態のまま前作ヒロイン達との再会を果たし…と言ったようにプロットを絡ませた二桁ぐらいもいる多数のヒロイン描写が実に見事だ。いちおうパケでは長曾我部と仙谷と帰蝶の三人がメインなのだが、OHPで紹介された今作登場キャラが全員メインと言っていいほど全ヒロインに物語を通じて魅せ場を用意しており、ハーレムヒロイン満足感をたっぷり堪能させてくれる。エロシチュがほぼ挿入オンリーだったり、また後半は戦国シリーズの弱点である「ずっと城攻め展開」と言った弱点は若干あるものの「恋姫シリーズ」全体を通してひとつの到着点と言える良作だ。
「殆どのそのシリーズをやっているが今までレビューしていなかった」シリーズというモノがあって、自分にとってはこの「恋姫シリーズ」がこれに当たる。まぁ優先的に発売日に買って必ずプレイというわけではなかったが、
なんだかんだ言って今まで「(三国)恋姫」から「戦国恋姫」のほぼ全作をやっているし、新シリーズの「双天恋姫」もやる予定ではあるのに。なんで今まで全くレビューしていなかったのか?というと、簡単に言うとこのシリーズ、
どうも「一作で作品として完成していなかった」り「一作だけではなくシリーズ全体を通して楽しむ」ような作品だというのが大きい。まず前者から言うと、これは戦国恋姫シリーズのような「物語の続きモン」が典型であって、
要は「次回へ続く」と言う形になると「物語として全体でどうこう」と言う評価が先延ばしになる。ただ、後者の話は些か複雑で「シリーズ全体で楽しむ」と言うのは、例えば戦国で言えば長尾勢のヒロインが好きな場合には、
戦国作品の中で長尾勢が活躍する複数の作品を楽しむことになる。これはエチシーンでも同じことだ。これらの単品作品でも二桁のヒロインが登場する作品では、一人当たりのエロシーンは少ないが、複数作品を合わせれば割と満足に足る。
このように「作品の評価基準」というのが「一つの作品だけで判断できる」ような感じでは無いので、純粋に「今作だけの評価で言ったら」と言うのがやりにくいシリーズではあったりするのだ。
それじゃあ、今作のレビューを書くってことは?今作は「今作だけで楽しめるレベルの作品だった」ということなのか?と思う人もいるかもしれないけど、それは半分あたりで半分間違えだ。
まず間違えているところは、そりゃ今作も「戦国シリーズの本編→EX→ブレイブ」へとつながっている「物語の続きモノ」であり、それなりに前作までの物語説明はついてるのでEXをやってはいるが、
物語の内容を大半忘れたというレベルぐらいの人には楽しめると思うが「全く戦国恋姫をやっていない」人にはそりゃ辛いだろう。ヒロインの魅力やエロも含めてこの一作だけでは辛いのも前述動揺ではある。
だが、今作はそうした「シリーズ全体を通して楽しむ」という前提の下で言えば「今作だけでも楽しめるという」よりも「一作品としての満足感」が非常に高いと言える。
その点で言えば、戦国本編とか(三国)恋姫の革命シリーズと同じともいえるが、それがあくまで「続きものの一作」の中で満足感が高いというのは恋姫シリーズの中で初めてなので、ちょいレビューを書きたくなったのである。
前置きは兎も角本題に入りたいところだが、いちおう「戦国恋姫」どころか「恋姫シリーズ」を全くやったことががない人の為に軽くこのシリーズをレクチャーしておこう。
まず「恋姫シリーズ」全体からいえば、この作品は「(ベタ)ハーレムエロゲ」とでもいえる作品だ。ここで気になるのが(ベタ)ハーレムというところだが、これは普通の恋愛エロゲのように、
「複数のヒロインが存在し、複数のヒロインルートにおいて一人のヒロインと恋愛をしてエッチをする」プレイ体験をユーザー視点から見て「メタハーレムエロゲ」とするようなハーレムエロゲと区別を設けるためだ。
つまり、恋姫シリーズでは(基本的に)選択肢分岐によるヒロインルート分岐というモノは存在せず、単品の今作は○○ヒロインシナリオと言った作品を除くとして、作品の中においてヒロインルートと言ったものは存在せず、
ひとつの作品またはそのシリーズにおいて全ヒロインと満遍なくエッチをしてハーレムを築きながら、戦国時代や三国志時代を生き抜くといったような「ハーレム×戦国バトルもの」が基本構造になる。
まずは「(三国)恋姫」の方から言うと、このシリーズの歴史はけっこう深いのだが、まぁ本格的な説明ではなく軽い説明にとどめると、基本は三国志演義をベースにしつつ、作品によってはそのまんま赤壁周辺のエピソードをなぞった
作品もあったりはするものの、とはいえそこは歴史女体化作品なのでベース以降の展開は自由である作品が多い。ただ、今作は「鬼」といった完全なファンタジーは存在しないので、そこはヒロイン同士が敵対関係になったりするんだけども、
ここが仇となって「戦国」のように「各作品において物語が連続している」ようなシリーズ展開にはならないんですよね。なので基本は「(三国)恋姫各ヒロインのルート」をそれぞれ「新しく語りなおす作品(革命シリーズ)」という形か、
その「革命シリーズの前日譚又は後日談」といった「各種アフターエピソード作品」という形にはなります。最近だと「董卓ヒロインの元に主人公が落下した」というイフルートの作品も出たりと色々とやっておりますが、
それでも基本は「ひとつの物語ルートがずっと続いていくようなシリーズとはいえない」というところは変わらないっすね。
それではこの「戦国恋姫」はどうなのかと言うと、まず「史実」との関係で言えば、戦国武将が女体化しておいて史実どうこう言うのはナンセンスかと思われようが、(三国)恋姫が作品によっちゃ三国志演義を割と踏襲しているに対し、
今作は史実どころか「戦国英雄伝」的なフィクションも殆ど踏襲していない。むろん「川中島」とか「桶狭間」とか「本能寺」と言った有名エピソードは取り入れているところはあるものの、なんせ今作は基本的に敵キャラが「鬼」である。
なので(三国)恋姫にあったような、各勢力の敵対関係や緊張関係というのもあるにはあるが、基本的には「いったん戦って仲間になったあとは鬼退治の連合ハーレムに加わる」と言うのが基本展開になるので、ここでも史実との乖離は甚だしい。
逆に言えば、この「鬼」が絡む展開であればこそ「本編→EX→ブレイブ」と言ったような「長い物語展開」が可能になったとはいえて、ここらへんは(三国)恋姫にはない戦国恋姫の特徴言えるだろう。
なお、以上の説明からわかるように、特にこの戦国恋姫は「史実展開」を気にする必要性は全くなく「織田信長の名前を知っている程度」の人間でも本編から始めれば容易に楽しめる作品には仕上がっている。
さて、またまた長い前置きになってしまったが本題に入ろう。今作ブレイブは前作EXからの物語続きとなり、ざっくり前回までと今回の出だし粗筋を言うととメインヒロイン信長(久遠)の体が別時空の信長?に乗っ取られて悪落ちして、
主人公は前作までのヒロインと離れ離れになって、なんか記憶喪失状態で四国に流れ着き、今作のメインヒロイン?の長曾我部(渚)と仙谷(鈴果)とあばら家で共同生活したりしている。
その渚も別の二重人格の潮の存在や、鈴果が明らかに何を隠しているものの主人公はそれを適当にスルーしつつ、町中にこれまた怪しい斎藤道三(絆名)が油売りを偽って暗躍のが見受けられるなか、
ふとしたきっかけで渚が長曾我部元親だと主人公は知るものの、そんなことは既に町の人たちは何故か知っていて、なんで棟梁がこんなあばら家に住んでいるのか?と疑問に思っていると、主人公の元に長曾我部家臣が現れ、
渚に対して縁談(女同士ですw)の説得をしてほしいと懇願される。その縁談のお相手はなんと言葉も話せぬ廃人状態になってしまっている、斎藤道三の娘の帰蝶こと結奈であった。そして徐々に主人公の元に近づきつつある前作ヒロインたち…
とまぁこんな感じの出だしだが、この時点でパケから予想されるような「渚(別人格の潮と鈴果と結奈が今作のメインヒロイン」のようなお話だとすると、むろんそれが悪いとかそういう話ではないにしても、
ある程度は展開が読めるだろうし、そのような展開を敢えて先読ませるようにシナリオにはなっている。渚の別人格である潮は、渚が長曾我部の色々にキツイ現実から逃れるために生み出した人格であって、
そこらへんの恋愛物語と前作ヒロインたちのお話を繋げるために結菜を絡ませるんだろうけど、この頑張りません寝るまではwって感じの鈴果は果たしていったいどんな役目なんだろうか?と言った感じで読み進めるものの、
こっから先の展開が少々意外なわりに、妙に納得感が強いのも今作のまずよかったところのひとつであった。。
まず最初にネタバレ展開しておくと、このニート予備軍の鈴果ちゃんは全く役に立たないっていうか、全クリしたあとでも物語の中でどこで役に立っていたのか説明するのは難しいほど美味しい立ち位置になってる。
先の展開のあと、土佐に鬼の集団が攻めてきて、鈴果は「知り合いに助けを求めてくるよ~」と言って手紙を書いて送るんだけども、その手紙は前作ヒロイン風魔姫野ちゃんに奪われて姫野が援軍を呼んだ形になってるねw
で、こっから先は「記憶を失った主人公と、前作までの主人公を知ってる前作ヒロインたち」の絡みのウェイトが大きくなって、ここはそれ定番展開ではあるものの、主人公との再会に喜びつつも、
自分たちの記憶を失ってしまった主人公に対して動揺を抑えきれないヒロインずに対し、記憶を失っても主人公は主人公でスケベで良い奴だよなー兄ちゃん一緒にセックスしようぜ!といった本作隠れMVPのほう北条氏照三日月とエッチ
しちゃったりして、なんかメインヒロイン?予定の渚の立ち位置が微妙に薄くなったりするんだけども、その立ち位置が薄くなるというところと記憶云々の話も今後の渚の行動の伏線になっていたりするんだなこれが。
とはいっても、別に今作は「物語が凄く良い」というタイプの作品では無い。確かに「最初から最後まで先が気になる」程度のけん引力はあるし、そのけん引力を用いた速いテンポを物語速度に設定しているとはいえるが、
それは全体評価からみると「やや欠点」と言えるものであって、それは後述するものの、今作の最大の美点は上記の粗筋説明レベルでもわかるような、プロット進行と密接に関係した各ヒロインたちの描写であろう。
例えば「記憶を失った主人公への前作ヒロインの対応」と言うレベルでも、まぁ三日月ちゃんは別次元だとしてもw、そこは北条現当主として気丈な振る舞いを見せる氏政十六夜ちゃんから、意外にこころ脆い綱成朧(おぼろ)、
そして普段通りながらもちょい不貞腐れ気味な姫野ちゃんといったように「鬼と対峙する戦国バトル展開」という戦国日常描写の中で主人公に対する思いを記憶喪失というイベントを通じて十人十色の思いを巧みに浮かび上がらせていく。
その中でも戦国恋姫の中でも5本の人気ヒロインと言われる竹中半兵衛詩乃ちゃんの描写は流石で、前作でもほぼメインヒロインの扱いであったものの、今作でも主人公が記憶を失っても自分は主人公の軍師であって取り乱してはならないと
しながらも、言葉の端々から主人公への想いが察せられ、それが途中のエチシーンで「今宵は素直な詩乃でいたいです…」と言った台詞になって爆発するとかもう溜まらなすぎるじゃないっすか!
ああ、先の記述からなんとなくわかるように、主人公の記憶は中盤あたりで戻るんですよね。いやレビューを読んでる未プレイ者の皆さんは「流石にそれはネタバレ禁止とはいえ…」と思いになるかもしれませんし、
僕も「ああ、このまま主人公は記憶喪失のまま進めて、最後の最後の上杉謙信こと美空ちんとの激しいセックスで記憶を取り戻すんだろうなあ」と期待していたんすよ。長尾勢の先陣となって現れた鬼小島こと貞子さんとのエッチも、
主人公が記憶を取り戻していない状態のエッチでして、これがまたええ感じのエッチでしてねえ。か記憶を失った主人公が貞子さんに窮地を助けられて一目ぼれしちゃっていて、その状態でのエッチシーンと言う実に良いエロでして、
こりゃもう主人公が定期的に記憶を失っていてロリヒロインに対してロリ一目ぼれ幼女可愛いよ幼女系エチシーンを展開すれば最高なんではないか!と股間を膨らませていたら、今度は主人公が真の力を取り戻してヒロイン達を
救う熱い展開になってましてねえ。その熱い展開とともに主人公が記憶を取り戻し、さらには廃人同然になっていた唯菜どころか、なんと前作で消息を絶った信長こと久遠までとコンボを発生させるというゴージャスな展開に。
だいたいここら辺までで、全体から言うと「中盤」ぐらいまでのお話になるんですけども、このようにこの作品のシナリオって「全体的な特定メインヒロインのテーマやプロット」を構築していないんですよね。
いやいちおう、パケに乗っていた渚で言えば、主人公が記憶を取り戻すことによって渚の行動もこれから大きく変わるんですけども、とはいえ全体からみて「渚の為のシナリオ」といえるほどにはウェイトを占めていない。
更に結菜にしても、母親の斎藤道三こと絆菜との組み合わせシナリオとも言えずに、そこに久遠と主人公を加えた関係性の描写がメインともいえる。この点で言えば先の絆菜は北条氏康こと朔夜に繋がっていて、
その朔夜と絆菜の繋がりのプロットは意外な形で北条一族のお話に繋がり、そのテーマ性を通じてと先ほどの結菜と絆菜の関係性をうっすらと浮かび上がらせるという絶妙な構成になっている。
今作は全ヒロインがメインヒロインと言えるほどに、全ヒロインの活躍を魅せてくれるシナリオであるともいえるが、主人公とヒロインとヒロインたちが物語のなかで作り出されるご縁が巡り巡って意外な人間関係を作り出すシナリオともいえる。
お話のプロットはあくまでこうした主人公とヒロインとヒロインたちの結びつきを紐解いていく導線であって、お話自体を楽しむためのものではないというキャラゲーの美学を独特の形で発揮したシナリオとも言えようか。
ただ、そのようなシナリオであるがゆえの弱点がそれなりにちらほら見受けられるのも事実だ。序盤から後半までは上記にあげたような美点が輝き、他にも別視点で動いていた三馬鹿ならぬ三若たちの意外な行動や、
美空の真の覚醒と言ったサブプロットが絶妙に絡み合い楽しませてくれるが、これらの要素があらかた収束して「お仲間全員集まりました」という形になっての後半からがイマイチ盛り上がりに欠けてしまうのだった。
「お仲間全員集まりました」のあとにきちんと物語が続くのは良いとは思う。特にこれらは「今作初登場の新ヒロイン」については、こういう展開がないと新ヒロインの活躍や魅力を伝えるのが難しくて、
まぁ渚は次回の九州編には出るっぽいが、EXのように「キャラのお話がその作品で解決して次に出番はないです」とかやると、ユーザーとしても新の印象が薄くなってしまうからねえ。だから別に今作の物語構成自体は間違っちゃいない。。
じゃあ何が間違ってはいるのかと言うと、これはけっこう細かい問題で幾つかに分類できる。まずはプロットと言うかこれは「イベント」と言った方が正しい問題だが、戦国恋姫シリーズのある程度は宿命とはいえるものの
「城攻めイベント」や「合戦イベント」に依存し過ぎて「城攻め→城攻め→城攻め」みたいな展開が多くなってしまうところだ。これはもちろん先にも言ったように、今作は「お話自体を楽しませる」と言うよりも、
お話を通じてヒロインを描く作品なので「城攻めイベントを通じてヒロインたちの連携描写とかをやろうとしている」わけではあるが、それにしたってこうも「城攻め→城攻め→城攻め」が連続されると卿が削がれるのもまた事実じゃ。
「お家流」という戦略的兵器級(核爆)が存在する以上、通常の戦国モノノのような描写は難しいと思うけど、例えば包囲したりとか、調略をしたりとか、地形を使って戦うといった物があんましないので、
毎回どうも似たようなバトルシーンになってしまうんですよね。包囲戦だけだったら、別にヒロイン達を戦わせなくてもその準備だけでどうこうとか、包囲戦の最中に暇だったからセックスするとか色々と描写に違いを生み出せるじゃないですか。
城攻めとか合戦をやるにしても、なんていうんですかねえ。単純な比較はあまりよくないんだけども、ネットの合戦とか城攻め解説みたいな動画やTV番組ではいちおう「その戦場のリアルタイム経過」みたいのを、
全体MAPで示しながらやるんですよ。これだとなじみのない土地や地形でも兵がどう動いているのか分かったりする。んでも、今シリーズはいちおう「M」キーを押すと、当時の地名とマップと主要戦場ぐらいは出るんですけども、
主人公たちのヒロイン部隊が何処にいてどうこう、みたいな物までは示してくれないんですよ。これはもちろんこの作品の「テンポを速めて先の興味を引っ張り意外な展開を与えるため」という理由もあるとは思っていて、
章の初めから開口一番城攻めから始まって、何の説明もないまま各ヒロインの部隊が色んな所に攻めている、見たいなテクと「こめMAPを最初に示して土地の特色を踏まえつつ今回の作戦を」みたいのは相性が悪いんだが、
別にこれも「途中で説明を切り上げる」とか、毎回このような説明をする必要はなくて、時には開口一番城攻めから、っていうのでもオッケーっすからね。ここらへんはあくまで「戦国バトルを通じてハーレムヒロインを楽しむ」ものだとしても、
ここらへんのクオリティアップは必要かなあとは思います。
あ、いい忘れたことがあった。これもテンポ感を速める系エロゲあるあるなんですけど。効果音や背景とかで季節感や天候やその場の雰囲気をさりげなく描写しないのもよくないっすね。これエロシーンに関しては毎回「夜の寝室」ですから、
昼の戦場との差異化は出来ているんですけど、いちおう今作は1年間も作中スパンがあるのに、なんかずっと同じ天気で戦っているような感じがするんですよ。いや、これも厳密にやると「寒いのになんでそんなエロイ薄着なんだw」とか
そういう話は出てくるんでしょうが、そこらへんはそりゃもうお家流というドラえもんがあるわけですしw、そこらへんはもっと「丁寧にやる場面は丁寧」にやって「テンポを速めるときテンポを速める」といったように、
作中のなかでダイナミックに描写テンポを切り分けた方が良いですね。別に「常に細部に神が宿る」わけじゃないんですけど、ヒロインハーレムの為に必要な細部描写と言うのはあるわけで、そこらへんを意識すれば
「途中から城攻めばかりで飽きる」は割と避けられるんじゃないかとは思います。
取り合えず全体の感想はこれぐらいにして、最期に85点もつけているんだから、ヒロインたちの良かったところ感想でもさらっと書いておきましょうかね。まぁハナっから僕は「長尾勢」と「北条勢」は作中のなかでも五本の指に入る
好きな勢力なので初めから期待値は高かったんですけど、その期待値をさらに超えてくれたんですよね。まず北条勢から言うと、これはもう理想的な姉妹丼とか親子丼シナリオですね!三日月ちゃんと暁ちゃんのエロシーンは良かったんですけど、
なんで十六夜ちゃんのトリプル丼が…あ、エロシーンについては後で書く予定だったんだw まぁ兎にも角にも北条一族が各ヒロインの役割分担をこなしながら、戦場でも日常でも仲良くやっている雰囲気がとてもいいっすね。
メインの戦闘要員としては北条綱成こと朧しかいないんですけど、その脇を三日月ちゃんや暁月ががっしりと固めて、十六夜ちゃんは戦場から離れて政務を取り仕切り、朔夜は裏で暗躍するといったように、北条一族だけで家族モノエロゲを
楽しんでいるような美味しさを堪能することができる。前述したように今回は北条のお家流を巡るメインテーマも伏流としてあってこれもええ味出してましたからねえ。
長尾勢に関して言えば、なんかもうシナリオとか一切関係ない萌えオタのブヒブヒから開始させていただきますが、もう美空たんのヴィジュアルと性格と何と言ってもボイスの組み合わせだけで自分の戦国評価は40点ぐらい確保されてますからねえ。
何と言っても声が良い声が。ぼくがそこまでツンデレヒロインが好きじゃない理由として、ツンデレヒロインのツンツンボイスやムカつきボイスが、演技力がどうこうっていうレベル以前に「ツン」声色は強すぎるんですよ。
これも単純に官能的な好き嫌いで、いくら「嫌も嫌も好きのうち」という事がわかっていても、ツン成分が強すぎる声色だと「理不尽なツンをしているんじゃねぇ」という感でムカついてしまう。ところが美空のツンボイスは柔らかい感じがとてもいい。
…ってこれ以上続けると美空だけで+5000文字とかになってしまうので辞めておきますが、今回の美空というか長尾勢は「裏の主役」感がマジバねえっすね。
前述したように、最初に貞子さんが先陣として参加して「長尾勢は来る予定なんですけどなかなか来ない」という感じでユーザーを焦らしておきながら、実に美味しいタイミングで美空たんが推参っすよ。いやぁ熱いっすねえ!
で、合流したら合流したらで、後述する渚の「それ主人公だけが気づいていないんだよなあ」ネタバレを美空が絞りだすように言うシーンもグッとくるし、その後、とある理由でお家流が使えなくなった美空が追い詰められて大ピンチ!
さあどうする!?というところで何とここで美空の隠しスキルが発動…って、えーっと、隠しスキルって「昔はチーマーだった」でいいんすか?という酷い伏線もありつつ、まぁその後の展開はネタバレ規制するとしても、
物語の最後に礼を言う主人公に対して「これがアンタと久遠と私が作ろうとした連合の姿じゃない」と何気なく言ってくれるの、いやぁハーレムエロゲのトップオブツンデレヒロインの成長譚として完璧なシナリオだとおもいましたねえ…
で、今作の新ヒロインの渚と鈴果ですけども、まずネタバレ配慮を一切する必要がない鈴果に関しては、凄く良い意味で「別段いてもいなくてもいいヒロイン」なのが、今作のように「なんだかんだでみんな見せどころがある」シナリオだと、
逆に息抜き要因として良いと思いますね。もちろんきちんと「鈴果のおかげで助かった」というイベントはあって、それは仲間の援軍を呼ぶための時間稼ぎで道に石を落とすのと、大ボス戦で暗闇回避するところぐらいなんですけど、
しょうじきそれ以外はずっと「働きたくないでござる」とずっとぐうたらしているだけっすからねえ。もちろん主人公には好意を抱きますが、主人公のハーレムの一員になれば楽な仕事にありつけるし、子供は欲しいんだけども、
子供を育てるのは面倒だから、主人公のハーレム要員には面倒見のいい女の子が多くてその子に子育ては任せればよくて、自分はぐうたら楽な仕事をしながらも主人公と適当にイチャラブセックスしていればいいという自堕落な鈴果の言葉に、
なんと北条の暁月ちゃんが共感してしまうというのも妙にエロくないっすか諸君!堕落落ちのマイクロビキニを付けた鈴果と暁ちゃんとのエチシーンを熱烈以下略だとして、お次は渚っすね。こちらはネタバレ展開が結構多いんですけど、
言ってしまえば「中盤から後半」にかけては一時的に敵役になるんですよね。で、その後仲間として復帰するわけですが、その敵役としてのヘイトコントロールを美空を上手く使っているところが上手くて、
敵役として廻ることに対するマイナスイメージが余りないのは良いです。今作においては渚だけが特に強い方言を使っているのも特徴的で「たまるか!」とか、これは声優さんの演技あって初めてわかる方言の可愛さでしょうか。
まぁ今作はどのヒロインも魅せ場が勢ぞろいなので、渚だけの可愛さを特別引き立てるほどのインパクトは弱かったんですけども、次回の九州編にも活躍するっぽいのでそれを期待したいところですわな。
あと意外と言っちゃ失礼ですけど、今回予想外に良かったのが奥州勢の伊達政宗こと龍巳と佐竹こと鳳蝶ですね。いや鳳蝶さんはECのころから好きで儚げで淑やかなボイスが凄く良かったんですけども、龍巳ちゃんはコンセプトは分かるんだけども、
べつに中二病ヒロインってそこまで好きじゃないしなぁぐらいでピンとこなかったんですよ。ところが今作の龍巳ちゃんはなんかいい。どこが?と言われると困るんですけどじんわりと好きになる感じですね。これはまぁ理由は割と単純で、
今作の龍巳ちゃんは割と序盤からでずっぱで貴重な戦略兵器級のお家流持ちってことで大活躍っていうより藻「割と負担をかけてしまう」んですよね。この中二病台詞を吐きながら血反吐状態で仲間の為に健気に頑張る中二病少女は可憐じゃないっすか。
あとは出番も増えたことで、必然的に他ヒロインとも絡みも増えて特に「中二病の台詞の意味も全くわかってないけど、何故か意気投合する三日月ちゃん」との絡みが良いんですよね。
こういうロリヒロインとのなんか馬鹿っぽいけど微笑ましい絡みを見ていると「中二病ヒロイン」と言うよりも「中二病が台詞が好きな小学校二年生ぐらいのヒロイン」とという隠れたロリ巨乳ヒロイン属性がブーストされて何でバイズリが以下略…
こんな感じで書いていくと織田家のメンツについても完全ネタバレしちゃいそうなので、流石にここはネタバレ配慮でもしておきますか。しかしちょろっとだけ書いておくと、三若こと三馬鹿、絶対にネタ墜ちだとは思っていたんだけどなあ…
とまぁ、細かいところにアラはあれど、全体的には戦国恋姫の新しいステージを作り上げた良作だとは思います。これが次回作ではどうなるのか?長尾勢と北条勢と織田家という人気どころを総動員してしまったので、
次回作では、今のところ足利と長曾我部は確定だとして後はあまり評判の宜しくない毛利家が味方と言うのが結構難しいとは思いますが、僕は双葉ちゃんの出番が増えればあとはどうでもいいのでよろしくおながいします(酷いオチw
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☆エロについて
まずは今作において登場するヒロインでエロシーンがあるのは…まぁこれは公式に情報があるわけですが、エチシーンがないヒロインを挙げた方が早いっすね。久遠、ひよ、麦穂、十六夜、朧が無しで他全員はあります。
エチシーンは全ヒロインにおいて一回ずつで、特殊と言えるのは渚と潮で別カウント。エロCGも新ヒロインはそれぞれ2枚、旧ヒロインは詩乃だけが優遇されていて2枚で、他は基本1枚となっております。
エロシチュについても分類説明は簡単で、詩乃と渚はフェラと本番挿入がありますが、他ヒロインは基本本番挿入のみ。4Pは3若と3Pが三日月と暁月って感じですね。三好三人衆のエチシーンはありませんw
まぁもちろんよかったところもあるんですけど、流石にこの情報を書いたら「いやシリーズものの宿命だ」と言うのは分かるにしても、そりゃひとことふたこといいたくもなりますわなあ。
まず基本的にほぼ全員の登場ヒロインのエチシーンを用意するっていう判断は良いと思うんですよ。で、後述するように今作と言うか戦国恋姫のエロの流れ上、きちんと全員に本番を用意するのも正しいとは思います。
んで定価価格エロゲっていう制約も、恋姫は5800円ぐらいで売ってもいいとは思いますが、4k前後だとこのCG枚数と言うのは妥当でしょう。とはいえ、流石にパイズリの一つや二つも三つもないのは弱いっすねえ。
これ、このヒロインはおっぱいが大きいからパイズリしてほしいって見たいな期待を抱いてエロゲを進める部分は少なからずあるんで、それが「ほぼ挿入オンリー」だと分かってしまうと結構萎えちゃうんですよ。
じゃあどうしたらいいのかと言うと、ここらへんは同人エロゲに見習うべきで、挿入シーンとかは過去の作品からCGを借りればいいと思うんですよね。んで新規CGはパイズリだとか他のエロシチュを導入する。
流石に商業エロゲでそんなことはできないっていうならば、衣装だけ変えても良いと思うんですよ。そのようにどうにか工夫して「ほぼ挿入オンリー」というのは何とか変えてほしいなと思いますねえ。
その点を除けば、今作は戦国恋姫シリーズのなかでは結構いい感じのエロだと思います。いちおうシリーズ未プレイのユーザーの為に説明しておくと、戦国恋姫のエロは「メインシナリオ」と「サブシナリオ」と別れているなかの、
「サブシナリオ」で見ることが出来るんですけど、物語的にはきちんとつながっているので、まぁエロシーンを見ない人のための配慮ぐらいっすね。んで、先ほども少し書きましたけど、今回は物語の流れを上手くエロブーストに繋げてますね。
前半のエロは「記憶喪失状態」のエッチで、記憶喪失状態の主人公だろうと主人公は主人公だろ?と迫ってくる三日月と、そんなことも言わずに恥ずかしがりながらもチ〇ポをねだってくる暁月ちゃんの天然ドスケベロリエッチが初っ端っすからねw
で、そこから主人公が記憶を取り戻して、今まで必死に思いを押し殺していた詩乃が思いを爆発えっち+結菜が廃人から復活したエッチと「物語上の流れでヒロインの想いに流される系フル勃起」が続いたこの流れで美空との再会エッチか?と
期待していたらここで石榴ちゃんの肉欲全開エッチが来ますからねえw この石榴ちゃん、主人公のことをチ〇ポさんじゃなかったスケベさんとかいって「大丈夫っす!そっちにやる気がなくても勝手にやるっす!」とか
ノリノリで押し倒してくるんですけど、中の人が小鳥居夕花なのでスゲー下品なことを言っても妙にロリ巨乳可愛らしさがあるのはズルエロなんすよw しかも今までのエッチが割としんみり系で来ていたんで、
ここに凶悪ロリボイスと我がままおっぱいの肉欲エロで突き通すエロシーンが来ると、今までのエロのギャップで妙にエロく感じてしまうんですね。これが今まで肉欲エロオンリーだったらそこまで来ないと思うんですが。
と、このように戦国恋姫シリーズのエロは、二桁ヒロインという登場ヒロイン数の多さゆえのヒロインあたりのエロイッカイズツのマイナスをカバーするために「複数のエロシチュ」をいれるというよりも、
「ヒロインごとに異なったエロのノリ」を微妙に変えていくことで、物語の流れとヒロインの個性に合わせたエロでユーザーの劣情を高めようとはしているわけですね。今作はそれが割とうまくいっているとは思います。
他にも3若の4Pシーンとか、これは戦国恋姫には在りそうであまりない「主人公が部下に御褒美としてエッチを与えて思う存分かわいがる」と言った感じのノリで、これもハーレムシナリオの中できちんと「主人公の部下」としての
存在感がシナリオの中で書かれているからこそこういうエロシーンは良いんですよ。そして最後に来るのが美空とのエッチで、いつもは石榴なノリで肉欲バトルエロになるんですけど、今作はあくまで正妻的ならぶらぶえっちで、
影の主役として今作の主人公を支えた美空の漏れ出ていたデレ成分を一気にエロシーンで回収するという実意にキレイなエロシーンの締めになっているわけですね。それだけにおっぱいヒロイン勢にパイズリが無かったことが悔やまれる(しつこい)
まぁ戦国恋姫のエロシーンについては、ソシャゲへの導入と言うのもあるんでしょうけど、エロゲオタにとって好きなヒロインのエッチシーンはナンボあっても良いものですから、価格を挙げてももう少しエロCGやシーン増やしても良いと思うし、
あとついでに言っておけば、時々出してる1kレベルのエロシナリオも、あれも3kレベルにして、九尾がやってるアナザシナリオ集みたいなボリュームにした方が満足度は高いと思うんですよね。
せいぜい1時間ぐらいの分量で良いので、先刻恋姫らしく2~4人のヒロインセットでエロシーン4~5回分でちゃんと日常シーンも絡めたみたいな奴。こういう奴を3か月に1本ぐらいのペースで出しながら、
年に1~2本の感覚で戦国恋姫の続編を出すみたいな感じが個人的にはいい感じのペースじゃないかなあとは思っております。それでは、長文、失礼しました。