誰かへ入れ込む話でもないのだけど、春秋にやや共感。亮みたいな人は眩しくて何かを託してしまいたくなる。異様なほど男性陣が立っているというか、感傷を自制できちゃう沙耶くらいしか表舞台には女の子がいない。それでよけいに"彼女"は特権的な女性となっていて、むき身の刃なボクらが戦う箱庭みたいなイメージが強調されてたような。男らしさが足らないわたしはヴァルハラの宴会でも観るような遠さから質実なテキストを読んでしまい、もう少しだけ彼ら目線で不安を噛みしめれてたなら終盤の流れにはもっと色々と思うところが出たのかも。"Open your mind"とは言われたのだけど、もとより開きっ放しで締まらない精神なためか、彼らの夢がこすれ合う音を聞きながらまどろむ心地よさの方にひたりきり、宙吊りとなってしまいました。遠くオレンジ色に染まる家々、誰かの窓を、倫がひとつひとつ懐こく眺めてくシーンを好きなままでいます。