「クソゲーでも絵と声優が命」という主義の自分にとっては、スワンの後継となるブラックカラントの一連の作品群は魅力的であり、余裕でプレイ可能である。ところが、本作は単純にクソゲーという枠に入れてしまうにはもったいないくらいに良く出来ている作品だった。特に、金髪ビッチの美樹のハッピーエンドは拍手モノの素晴らしいストーリーだった。ありふれた廉価版抜きゲー作品ではまず作りえないであろうシナリオ・演出であり、絵や声優の良さを越えてミドルプライスの良作に仕上がっていた。
ヒロインは3人ともビッチ(ヤリマン)であり、共通ルートでは主人公が全員と肉体関係を持つためプレイする人を選ぶ作品ではあるが、その中の金髪ビッチの美樹のハッピーエンドはプレイして良かったと心から思える良ストーリーだった。
年4~5本は作品を発表していたブラックカラントがここ1年以上新作を出していないのが非常に気になっているが、またいつか本作のような作品を出して欲しいと思っている。
●橘 美樹(金髪ロング+サイドテールのギャル) CV:いねむりすやこ
主人公のことを転校初日から狙っていたビッチ。主人公のイチモツが20センチはあることを放課後のフェラで知り、周囲に情報を流していた。その後主人公とはセフレとして時々学校内でセックスをする関係になった。
美樹の、その裏表が無く屈託のない明るさと笑顔にひかれていく主人公だが、美樹には主人公の転入前から好きな人がいると聞かされて心おだやかでは無くなってしまう。その真相を確かめるべく美樹に聞くか聞かないかの選択肢でハッピーエンドとバッドエンドに分岐する。
そのハッピーエンドは、その辺の廉価版作品ではまず作りえないような展開を遂げ、シナリオ・演出ともに見るべきものがあった。「光の紳士」氏の原画やCGの塗りも良く、美樹だけHシーンが他のヒロインよりも多いなど優遇されている様子だった。
CVのいねむりすやこの演技も自然であり、ビッチなギャルを好演していた。
●星川光莉【ほしかわ・あかり】(黒髪ロング) CV:柏木逢花
主人公が、追ってくるギャルたちから逃げて入った図書室の中で、ひとり静かに読書をしていたお嬢様風な落ち着いた雰囲気の子。しかし見かけとは裏腹に露出プレイ好きでゆがんだ性癖を持つヤリマンであり、主人公とセフレになった理由が「子供を10人は産みたいので、生まれた子供を育ててくれそうな人(のひとり)だったから」というとんでもないものだった。そんな気持ちを持つ光莉を受け入れる/受け入れないの選択肢でハッピーエンドとバッドエンドに分岐する。ふたりの結婚後の描写があり、腹ボテHシーンが見られる。
立ち絵が後ろから振り返っている姿であり非常に違和感があるほか、私服が学校制服風でダサいところが気になった。
CVの柏木逢花は、落ち着いた話し方の声質が今はもう居ない春乃伊吹に似ているため、今後もチェックして行きたい。
●新藤緋乃【しんどう・あけの】(メガネの先生) CV:唯香
一見カタブツで厳しそうな外見だが、ヤリマン学園の先生らしく、学校内では数少ない男子生徒とも関係を持っている。転校してきた主人公も先生から「指導」と称して自らのストレス発散も兼ねての肉体関係を持つこととなった。もともとは大人な振る舞いをしていたが、主人公が先生に好意を向けるようになると逆に先生のほうから主人公を特別な存在として見るようになって来る。ある日、主人公がクラスでは珍しい処女の同級生と仲良くなっている場面を見た結果、先生は嫉妬してその同級生に「自分と肉体関係がある」と言ってしまうのだった。そんな先生の真意を確かめる/確かめないの選択肢でハッピーエンドとバッドエンドに分岐する。やはりふたりの結婚後の描写があり、こちらも腹ボテHシーンが見られる。
CVの唯香は、こういう厳しい先生を演じさせると上手いと思った。
3人のヒロインのハッピーエンド・バッドエンドをすべて見たあとで、最初からプレイすると、二番目の選択肢の場面で新しい選択肢が登場する。この選択肢を選ぶとハーレムルートとなり、4Pエンドとなる。CG・Hシーンともに回収出来る。
光莉と先生はHシーンのCGで絵が崩れる場面があるところが残念だが、美樹はその崩れ方がギリギリ許容範囲内であるところが美樹ストーリーの評価の高さにつながっている。
なお、本作は本番以外のフェラチオ・手コキ・足コキ・髪コキなどのHシーンが充実しており、抜きゲーとしても合格点であると評価するものである。
・立ち絵+CG 15点/20点(CG50個、Hシーン45個)
・設定(システム、作品世界観) 15点/20点
・シナリオ 16点/20点
・音楽 14点/20点(BGM7個)
・声優 15点/20点
●合計75点