SFというか伝奇?って感じを含めた人狼ミステリー系かな。終盤というか種明かしは少し不満が残るが全体的には満足。
主人公が人狼ゲームをクリアするけどなぜかループするのでその原因を探っていく話。
良かった点は誰が人狼なのかというのが全く分からなかったというもの。こういうのって大体この人がやるのねって納得する感じ多い気はするのだが、ループが繰り返されるごとに役が変わるのでまさかこの人が…って事が良く起こる。常にハラハラして話を読み進められた。ボリュームも結構あった。
それと主人公に不満を感じることもないのも満足。共感は難しい頭のいかれた主人公だがやる行動には納得のいくものが多い。ループものだと主人公の理解がなぜか極端に遅かったり、なんでそういう行動するんだよという感じの事があったりすると思うが、この人にはほぼ無かったように思える。こういう状況に陥ったらこういう事やるよねってことをやってくれていて不快感は無かった。ただし繰り返すが人格は少し歪んでる。
悪かった点は人狼ゲームがどういう理由で開かれているのは理解できたけど、ループ関連の話が正直なぜ起きたのかよくわからなかった。という風な話の根幹は綺麗に終わるものの説明不足感が否めない。ファンタジーという事で無理やり理解した。
総評としては人狼ゲームを題材にしたものでは最高峰ではある。