なんでだろ。やり終えてから数日たって「よかったな…」って気持ちが膨らんできた。
選択肢総当たりにイラついたり人物画の不自然さが気になったりして、完走直後は悪い印象だったのだが、今やOPムービーを繰り返し観ては感傷に浸っている自分がいる。
どうしてだろう? 『古典的名作』をやり終えたという自負、いやホント俗っぽいなと自分でも思いますけど正直これは無視できない。
でもそれはそれとして、一気に読み進めてしまうシナリオの濃度、そして魅力あふれたキャラクター、これは諸手を挙げて称賛するほか無い。
行動力に溢れた二人の主人公、これは本当に読んでて全く飽きが来なかった。自分の趣向は全く正反対で、苦悩葛藤コンプレックスに塗れた自意識の垂れ流しをなぞることなのだけれど、本作のような、まず行動ありきで考える、内側でなく外側に向かう思考が描かれる作品も全く悪く無い、と思える。
早い話、本作の登場人物は観ていて爽快なのだ。目前の現実に専念して、ナイーブな問題は「どうにかなるさ!」と割り切る。身一つで食い扶持を稼ぐいっぱしの大人なら、そうあるべきなんですよ。