看板に偽りなし。まさしくノベルゲームの枠組みを変えるゲーム。なにはなくとも体験版をどうぞ。
すごく興奮しましたね。
楽しかった、というよりは興奮したというほうが正しい。
まず一番の衝撃は当然、体験版最後に当たるあれです。
「ノベルゲームの枠組みを変える」というのが言葉のままの意味であるという面白さと馬鹿らしさ。
この一瞬のためにあるゲームと言っても過言ではない。
とはいえギミックはそれだけじゃありません。
枠組みを変えるだけの単調作業なゲームにはなりません。
ここでは明言しませんが、よくもまあ「枠組み」というネタだけでここまでのことをやったなと思います。
既存のANOS作品と比べると正直こっちのほうが圧倒的に好きで、
一番の理由は、思いつく→答え合わせのレスポンスの速さにあります。
正解だったら「伸ばした」先に何かがあるわけですからね。
記憶管理にメッセージ入れて「カチャ」待ちするよりは断然スピードが違います。
あと総当たりも非常にしづらい。総当たりの「総」の部分を自分で探さないといけない。
そのあたりからは、かざみ社長の既存ANOSから脱却したいという意識が窺えるようにも思えます。
あと、これはちょっとアレなんですが、このゲームの一番良かった点は難易度。
長期で詰まらず、程よく悩んで突破を繰り返してのクリアだったので、すごく気分が良かったです。
――謎解きに関してだけならば。
物語のオチとしては、正直…………うん、なんやねん、これ。
いや、相変わらずではあるんですけどね。
かざみ社長に無難な結末とかあり得ないのは知ってるんですけどね。
ないわぁ……っていうのが本音になってしまいます。
もしかしたら終わってないのかもしれないですけどね。
「ゲームを終了します」とは出たんですけど。
そのあたりがわからないのが自転車創業。
「ノベルゲームの枠組みを変えるゲームではあるかもしれないけど、
このゲームの魅力ってノベルゲームとしての面白さじゃないよね」
という指摘をどこかで見たんですが、的を射てるなと思います。
物語は、あくまで枠組みをうんぬんするための舞台装置。
ノベル部分はあくまで道具として扱われている感は否めません。
とはいえ、謎解きゲームとして見たとき、これは素晴らしい出来だと思います。
よくこの仕組みが実装できたなぁと感心します。
たぶん実装もデバッグも死ぬほどめんどくさかったでしょうに……。