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throughputさんのメモリーズオフ -Innocent Fille- for Dearestの長文感想

ユーザー
throughput
ゲーム
メモリーズオフ -Innocent Fille- for Dearest
ブランド
MAGES.(5pb.)
得点
75
参照数
317

一言コメント

イチャラブ成分は補給出来たが・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

前年に発売した本編の方は、ザ・メモオフと呼ぶに相応しい内容だったのは言うまでもなく、クリア後の読後感および空気感は凄まじいものでした。
何と言うか、常に曇り空でザーッと雨が降り続いているイメージを持たせてくれるような。。。
でも、降り続いた雨はいつかは上がる。
辛い時期を乗り越えた先にある「何か」を探し求めるという、シリーズ共通の想いが伝わってくる作品でした。

時間がいくら経ったとしても、ふとしたことで登場人物を頭に描くと
あのキャラのシナリオはあんなこと、こんなことがあったなぁと、強烈に思い出させてくれる。そんな作品になったのではないでしょうか。
つまるところ、ひとつかふたつでもプレイしたユーザに強烈な印象を残せれば、その作品はもはや勝ちなんだと思います。


本作はその点がどうだったかと振り返ると。。。

「パンチが弱かった」

クリア後の印象としてはこれにつきるかと。


メモオフシリーズの最終作になるとの触れ込みでしたので、正直かなりのところ期待していました。
しかし、その「期待しすぎた」ことが逆にマイナスになったのかもしれません。
やはり全体を通してみても先に感じた印象は拭えなかったようです。

決して作りがおかしいとか、そういう話ではないのです。
ちゃんと本編では補給できなかったイチャラブ成分が各シナリオに多くちりばめられているし
どのルートもハッピーエンド(結婚エンドなど)で終わるというギャルゲのお約束も守られています。
中だるみや読んでて疲れるといったことも一切ないし、声優さんの演技も素晴らしいものばかりでした。


良かった点はやはりイチャラブ要素でしょう。

本作ではどのルートも旅行または温泉に行くというのが共通でもちあわせています。
琴莉ルートはちょっとだけ違いますが・・・。
お色気度MAXのサービスCGもありますし、ところどころにベッドシーンを匂わせるような表現もありました。
(昔はエロゲをコンシューマに移植することが多くて、エロシーンはすべて全年齢に置き換える必要が出てくるため
ベッドシーンの導入のとこだけはそのままに、あとは暗転。
いきなり朝チュンのシーンになるなんてのがザラにあったことを懐かしく思い出しましたw)

また、個人的に瑞羽ルートのイチャラブを期待していましたが、その点は期待通りすばらしい内容でした。
累の親族に挨拶するシーンなんかはリアルな感じがありましたし、瑞羽には辛いことがいろいろと多すぎたので、
ファンディスクをプレイすることで、ちゃんと幸せになってくれるような未来や期待を感じさせるものになっていた点がとても好印象でした。
水着も拝むことが出来たし。。。w

それと、一番驚いたのは、琴莉ルートでしょうか。
まさか本編で海に落ちたバッドエンド後の話から続くシナリオというのがとても斬新でした。
琴莉も本編ではイチャラブ要素が少なかったので、本作で大分補給できたのが良かったですね。



ただ、同じことの繰り返しになるのですが、どうしてもパンチが弱かったことが気がかりです。
とくにメモオフIFのメイン中のメインであるノエル。
ファンがうん千人は居るであろうと思われる(推測です)ノエルルートにいたっては、正直なところほぼほぼ覚えていません・・・・。
私の場合、YUKURUのメニューを上から順にプレイしたこともあって、初めにクリアしたというところが大きいとは思うのですが
それにしても印象が薄かったイメージが常にあります。

メモオフ最終作との触れ込みでしたので過去のキャラが大量に登場したり、
メモオフシリーズ全作に登場する稲穂信について何かしらアクションがあるのかと思っていたのですが、
あっさり終わってしまったところがさらにパンチの弱さに追い込みをかけてた気がしています。
(まったく何もないという訳ではなく、信にいたっては結婚して子供が生まれるという説明は出てきます)

こうなると、どうしても次がないのか、次は次はと考えてしまうところではあります。