ErogameScape -エロゲー批評空間-

throughputさんの蒼の彼方のフォーリズム Perfect Editionの長文感想

ユーザー
throughput
ゲーム
蒼の彼方のフォーリズム Perfect Edition
ブランド
sprite
得点
97
参照数
1211

一言コメント

キャッチコピーの通り「少女たちが空を駆け、恋を知る物語。」これにつきる作品。エロゲ初心者におすすめの声が多いが決してそんなことはない。むしろ熟練者がプレイすべき作品である。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

spriteが「重要なお知らせ」を発表したのが2018年6月。ブランド活動休止のお知らせでした。
お知らせの内容は冒頭から「毎年15%と言われている業界縮小、資金調達環境の悪化等、現在置かれている事業環境を総合的に検討いたしました結果~以下略~」と業界が瀕する切実な状況を唱えた文面から始まりました。
あれだけ蒼かなという作品が、高評価を得て、コンシューマにも多数移植されて、アニメ化までされた作品を生み出したブランドであってもなお厳しい状況だったのかと思うと、やるせない気持ちになったのを覚えています。

sprite作品はかなり前に恋チョコをプレイしてから長く日があいてしまいました。
というのも、私的な話で恐縮ですが、ちょうど2014年頃を境にエロゲから身を引きつつあった私。
蒼かなは当時購入したものの、一度もプレイすることなく手放してしたソフトのひとつでした(予約特典のCDだけは手元にある状態・・・)。
歳のせいか、長い間PCの前に座ってエロゲをするというのが辛くなってまして・・・。それよりは30分で終わる深夜アニメを酒でも飲みながら見る方ががぜん楽しいんですよね。
若いころと歳を取ったいまでは、帰宅後のプライベートな時間の使い方も大分変ってきたと思います。
さくっとプレイできる同人ゲーや抜きゲーはプレイしするものの、長時間大ボリュームのシナリオゲーは嫌煙するようになっていき、積んでいたエロゲーも何年か前に場所をとるという理由からすべて処分してしまいました。

そのような中で飛び込んできたsprite活動休止の知らせ。
昔、蒼かなを購入したものの未プレイのまま手放してしまった苦い思い出がフラッシュバックしました(ちょっとだけ後ろめたい気持ちにも似ているかもしれません)。
いまこのブランドに貢がなくていつ貢ぐのか、「いまでしょ!」と思いたち、当初はお布施的な意味で「蒼の彼方のフォーリズム 4th Anniversary Box」を購入しました。
そして迎えた正月休み。じっくりプレイするために長期休みまで溜めていたのですが、いざ最初の1時間そこらをプレイして思ったことがあります。

「続きが気になってクリックが止まらない!!」

なんというか年甲斐もなく徹夜までしてほぼ一気にオールクリアしてしまいました。
この辺りはホント作りが上手かったなぁと後になって思います。だって、長いこと集中できない歳になってきた私ですら、さくっと全クリしてしまったのですから。
これが何故できたかと考えてみると、いくつか思い当たることがあるんですよね。


■演出
本作はフライングサーカス(略してFC)を題材にした作品です。簡単に言うと、、、う~ん簡単には言えません(汗
アンチグラビトンシューズ(通称グラシュ)という空を飛ぶシューズを履いて、一定のフィールドを飛び回りながら
スピード勝負やドッグファイトを繰り広げてポイントを稼ぐ。という競技を題材にしています(戦闘機のドッグファイトを想像するとわかりやすいかも)。
※FCのことが知りたい人はwikiやほかのレビューを参考にしてください。そちらの方がよほどタメになります。

一見するとエロゲには不向きな題材なんですよ。。
昔からエロゲは紙芝居ゲーだと揶揄されてきましたが、3D系のエロゲを抜きにすると基本は、立ち絵、CG、文章で構成されてるのが当たり前なので、動きのあるシナリオ演出はどうしても難しいんですよ。
ですが、スピード感の表現がなにより重要になってくるFCという題材を、あえてイバラの道を進むといいますか、悪く言うと紙芝居で表現させようというところが既にチャレンジだと思うわけです。
それをいざプレイすると、とても4年以上前の作品とは思えない出来映え。むしろ当時としてはこの演出は画期的ではなかったのでしょうか。いや、今でも十分通用しますけどね。

空を飛ぶ際の演出として、立ち絵の裏側で流れるようにスクロールする強調線や雲。
離着陸の際はとてもなめらかに動いて行く立ち絵たち。
FCのバトルシーンでは数多くの差分とカットインによってとても迫力のある試合を演出。
とくに、競技用のグラシュから噴射されるコントレイルの表現。これがほんとに見事なんですよ。
コントレイルの上空高く舞うCGを、カメラ(画面)がティルト、またはパンしていく。

よくジャパニメーションの特徴のひとつとしてカメラワークが取り上げられることがありますが
本作でもこういった先人の知恵や技術を巧みに利用したことで、とても動きのある演出に繋がっていったのではないかと考えます。


■音楽
「Wings of Courage」と「INFINITE SKY」一発で好きになりました。
それと、大事なシーンでWing of CourageのピアノVerがかかるんですよ。これがまたシナリオとマッチして場面を盛り上げてくれます。
BGMもどれもキラリと光る曲が多くて、晴れの日に散歩するときにかけるにはうってつけかなと思ったり。
「蒼の彼方のフォーリズム 4th Anniversary Box」では劇中で使用したサントラCDが付いてるのでそれも良かったです。即PCに取り込みました。


■シナリオ
作品を通してすべてに言えることが「人と人の繋がり」を丁寧に描いている。これに尽きます。

本作の主人公はその昔、数々のタイトルを獲得したFCトッププレイヤーでした。ですが、天才・神童と呼ばれる一方、周りからの期待がプレッシャーとなったのです。
最終的には不眠症になるまで追い詰められて行くのですが、さらに追い打ちをかける出来事が。

それは、その日初めてグラシュを履いて初めて飛ぶという少年(正体はあの娘)に勝負で負けてしまったのです。
正確には、そのぱっと出の少年の飛び方が目を見張るほど綺麗で、いままでこの飛び方を習得するのに何年もかかったものがあっという間に抜かされてしまった。
自分のアイデンティティであるFC、誰にも負けない、負けたくないと思っていたFCが、音を立てて崩れていく。
そして主人公はFCから身を引いて、空を飛ぶことを辞めてしまいます。

苦悩、挫折、空を飛ぶことに対しての恐怖を持ってしまった、メンタル面に難ありの主人公。
FCのことは見るのも嫌という主人公ですが、恩師である各務先生の策略でFC部のコーチを任されることに。
初めは嫌がっていた主人公ですが、ヒロインのFCに対する強い思いに心が揺れ動いて行きます。
共通パートの終わりくらいで、もう一度FCに向き合ってみるのもいいかと主人公の考えにも変化が生まれます。

そして部活を通じてヒロインたちとの絆を紡いでいきます。

もうこの時点で青春なのですが、この部活練習を通して深まっていくヒロインとの絆の描き方が絶品なのです。
ヒロインと一緒に泣いたり悩んだり、時には周囲の人間に助けてもらいながら、ヒロインとの恋を育んでいく。
まさに、キャッチコピー「少女たちが空を駆け、恋を知る物語。」の通りなのですが、私が言いたいのはそれだけではありません。

主人公とヒロインは、各シナリオごとにそれぞれライバルに勝つという目標をたてます。
その目標に向かって練習していくわけですが、月日が流れていくうちに主人公の心の闇にも変化が現れます。

なんと「主人公が抱える心の闇をヒロインと"共に"乗り越える」のです。

ヒロインと恋人になりライバルにも勝つ、この時点でもハッピーエンドなのですが
ヒロインとの繋がり、FCの繋がり、人と人との繋がりによって、主人公の心の闇が浄化されていく。
そして・・・主人公は再び「FCが楽しい」と感じるまでに成長するわけです。
これって大団円、最上級のハッピーエンドといっても過言ではないですよね。なんというか2段階エンディングを見てるような。

ですが、本作はそれだけに留まりません。

ある理由から選手を辞めてしまった各務先生とそれを間近で見ていたパートナーの白瀬さん。
自分一人だけしか居ないFC部を存続させ続けていた青柳部長と、それを間近で見ていた窓果。
乾沙希に負けた真藤部長、それを間近で見ていた佐藤院さん。

こういった周りを取り巻くサブキャラクターのドラマすらもシナリオで表現している点。
そして、サブキャラクターたちが抱える悩みや不安さえも、主人公とヒロイン活躍によって、勇気づけられる、乗り越えて行く。

・・・・ここなんですよ。

とくに、グランドエンディングの各務先生と主人公の朝焼けのシーンは印象的。
主人公の次に(もしくはそれ以上)抱えている闇が深い各務先生までもが浄化されていく。「FCは楽しい」を取り戻していく。
このような細かな人間関係を描いている点がもっとも評価でき、作品を通してすべてに言えることが「人と人の繋がり」を丁寧に描いている。と表現したこの一言に詰まっているのではないかと考えました。

それに、ただでさえFCというスポーツを舞台にしているので、想像の通りスポ根色が強くとても熱い展開が待ち受けています。
日本人は良い意味でこういったスポ根ものに弱いんですよね。幼いころから潜在的に刷り込まれてるかのような(笑

これらの要素が相乗効果となり「続きが気になってクリックが止まらない!!」に繋がっていくわけです。

また、私のようなある意味でエロゲリタイア組でもシナリオに吸い込まれたわけですから、是非ともかつての熟練者たちにプレイして欲しい一品です。
昔シナリオゲーをクリアした後によく経験した「シナリオ読み終わったぞおおおお」といった感じと、プレイし終わった後の少し寂しくてセンチな気分の両方を体験できた素晴らしい作品でした。

と同時に、これだけ素晴らしい作品を提供してくれたブランドの活動休止はやはり悲しいものがあります。



~~~ヒロインについて~~~
■明日香
明日香はとても素直で純粋にFCが好き。FCが好きでたまらない。
FCはこんなに楽しいものなのだから、その楽しさを晶也や乾にも伝えたい。それらがまっすぐに読み手に伝わってくる、とてもいい娘でした。

晶也とのデートシーンや明日香の部屋に遊びに行くシーンなど、割とイチャラブ要素も詰めこまれていながら
FCの要素もたっぷり詰まっていて、とてもバランスのよいシナリオだったと思います。

いちご好きだったり、漫画が好きだったり、トビウオラブだったり、もともとは引っ込み思案の性格だったりと、細かいキャラ設定されていたのも良かったです。
また、明日香の強化のために真藤部長が練習に参加してくれるところも明日香シナリオの特徴でしょうか(三角関係にはならないので安心してください)。

FCの楽しさを明日香を通じて、昌也も再発見するという意味では、先の心の闇が一番浄化されたシナリオでもあったのかと思います。
明日香のお願いを聞いて、昌也は競技用のグラシュを履いて昔の技を披露するシーンもあったりと、他のシナリオとは一線を画すものがあります。
(ほかのルートだとトラウマになっていてグラシュを3秒履くだけで気分が悪くなるといった表現もあるので、そういった意味では選手復帰への希望が一番強いシナリオでもあります)

ただ、感情移入という意味だと、私の場合どうしても常に敬語でしゃべるところに違和感がありました。もう少しため語でしゃべればいいのに・・・と。
それも、エピローグの海外からの中継シーンで、若干ではありますが昌也とため語でしゃべっていたのを見る辺り、明日香自身もお付き合いする中での成長があったのかなと考えます。

乾との最終対決のシナリオは、乾のチート?(シューズ設定をいじる)のとこで「ん?」と思うところはありましたが
それに対抗するグラシュのバランサー設定をOFFにして明日香が覚醒するシーンは少年漫画っぽくて私は好きでした。

観客たちがまるで魚が泳いでいるようだと言っていましたが、ここでようやく明日香自身が好きなトビウオにホントの意味でなれたのかなと想像してしまいました。
マウスが手汗で濡れるくらい、手に汗握る対決シーンは見ごたえたっぷりです。

あ、全然関係ないですが明日香のうる~っと涙を流す表情の立ち絵、好きです。


■みさき
明日香と並ぶメインヒロイン級のみさき。正直なところ、私は明日香よりもみさきがメインでもおかしくないと思っています。それくらいシナリオが良かった。
何を隠そう、みさきが主人公の闇を抱える原因になった少年(当時は髪を短くして目深に帽子をかぶっていた)だったのですから。

みさきと昌也が心惹かれていくうちに、その時の正体が判明する、そのシーンが特に素晴らしい。
「俺を挫折させた責任を取ってもらうぞ」最初はみさきも腹がってましたが「俺を助けてくれ、みさき」と言われた日には・・・それはみさきでも折れますよ。
この泥臭くて自分の恥ずかしいことをすべてさらけ出すシーン、これでみさきをFCに引き戻すってすごくありませんか?
「あたしを助けて、昌也」みさきも挫折を抱えていたので、結局は昌也と同じ気持ちだったんですよね。
お互いにこの嫉妬のようなどろどろした黒い感情から抜け出して、再びFCが楽しいと思える場所へお互いにお互いを届けるという約束をします。

え~と、このシーンってもう誰がどう見ても告白ですよね。
実はちゃんとした告白シーンがこの後に用意されているわけですが、
何が言いたいかというと私自身、こういう「告白してないのにもうこれって告白してるのと同じじゃん!」という展開に弱いんですよ。。。
「あぁ、これぞ青春だなぁ」と思いながらシナリオを読んでいました(笑

そのみさきシナリオでもう一つ突出してるのが、何と言っても部活の醍醐味である練習の表現です。
新たに青柳部長、白瀬さん、覆面さんの3人が加わり、打倒、明日香&乾沙希を目標に作戦を考えるわけですが、
手の方が早い、いわば感覚だけに頼ったみさきのプレイスタイルを変えるためにシトーさんを使ってFC脳を鍛えることから始まります。
もちろんブランクもあるので、とてもキツイ基本練習にも耐えていきました。
その成果として、必殺技スモーを仲間たちと編み出し、みさきはそれを習得します。
つまり、汗と涙のSweat & Tearsで勝ち取った技になるわけです。

その技を駆使してライバルである乾、そして明日香を倒したあと、部長、白瀬さん、みなもちゃんの3人が映っているCGのシーンがあるのですが
そこで部長の漢泣きを見て、私もうるっとくるものがありました。「青春っていいものだ・・・」と久しぶりに感動しましたよ。。。

明日香の絶対的なFCの才能を目の当たりにしてバケモノとつぶやくみさき。
明日香のようにFCを好きになれない。何より、自分にはFCの才能なんてなかったんだと思いこむみさき。
もし試合に負けたら・・・仲間たちに合わせる顔がないと、恐怖と戦うみさき。
そしてその気持ちが痛いほどわかる昌也。そんな2人が惹かれあっていき・・・。

怖いという気持ちを乗り越える時が楽しい、怖い気持ちで努力することが楽しい、それをバネにしてもっと他のことを頑張ることができるようになる。
だからこの黒いアメーバのような気持ちは持っていてもいいんだと納得し、最後には昌也がみさきにFCを教えてくれと2人の出会いを逆に再現するようなラストシーン。
・・・うん、なんともドラマチックなのでしょう。ここまで読んでいて清々しい読後感になれるシナリオは素晴らしいの一言では表せません。
エンディングムービーのみさきの曲もぐっとくるものがありました。何と言ってもタイトルがSense of Lifeですからね。


■真白
みさきが「私が見向きもしなかったせいで、真白がデレるとすごいことになる」という予想の通りでした(笑

真白ルートはイチャラブ要素が多めでしたが、蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1ではそれが爆発します。
デートのために料理やファッションを勉強するという王道なストーリですが、反面、FC要素はほぼ皆無なので、そこに期待してしまうとEXTRA1はちょっと残念に思うかもですね。

真白ルートは昌也とのある約束がキーワードになっています。
それは、FCの試合で真白を勝たせてやる、そして部活をみさきをFC部に連れ戻してみせる。これが昌也が真白に約束した内容です。

真白を勝たせるチャンスがきても、余計な邪魔が入って真白のセコンドに着くことができず、急いで戻ったときには後の祭り。
真白は表では笑顔を振りまいて試合に負けたことを気にしていないように振りまいていますが、誰も見ていない裏では膝を抱えて悔し涙を流している。
昌也は再度、約束を守ることを約束します。そんな自分のために力を尽くしてくれる昌也のことをみて、真白も心が惹かれていくというストーリです。

この約束ですが、はじめは片方ずつ叶えていくのかと思っていたんですよ。
ところが、運が良いのか悪いのか、真白はずっと試合に負け続けて、最後の最後になんとこの約束をダブルで叶えてしまうのです。
これもまたドラマチックだなぁとプレイしていて思いました。

万年負け続けた真白も強くなったなぁと感慨深いものがあります。
また、真白には昔ボッチだったという設定があるのですが、莉佳とも本当の親友になれて良かったです。
本当は昌也の部屋に行く口実のために莉佳の家を訪れただけですが、最終的にはピュッホなんてあだ名をつけられる仲になったというのも感慨深いものが(ry


■莉佳
莉佳シナリオはかなり異色でしたね。なんとも胸くそが悪い。いや、莉佳に悪気はないのですが。

莉佳ルートは、ラフプレイを得意とする黒渕霞との対決がキーワードになっていきます。
黒渕霞は莉佳の幼馴染だったわけですが、この黒渕霞という人物。とにかく人をあおるのが上手なんですよ。
特に、試合が始まる前に対戦相手のところに現れて冷静な判断を欠いてしまうように仕向ける。これが何ともゲームのくせに上手でして(笑
作り手からすると狙い通りなのかもしれませんが、読み手からすると結構きついものがありました。
相手をカニバサミなるラフプレイで脳震盪を起こさせるような選手を、最終的には許してしまう佐藤院さんにもちょっとだけイラっとしましたし。

強い個性の黒渕霞が出てきたことで、莉佳の個性、つまり莉佳シナリオがどうしても薄印象となってしまったことは否めません。

莉佳のプレイスタイルは一言でいうと優等生。一見すると飛び方は綺麗だし、教えられたことはなんでもこなす印象ですが
莉佳には突出したスキルがなく、最大の弱点であるメンタル面、ここが弱いことで、このままでは選手としての成長や活躍は望めない。
それをまざまざと真藤部長から突きつけられたことで、昌也にコーチをお願いすることから始まります。

一度は挫折しかけますが、打倒、黒渕を目標とすることで、自分に自信をつけていくというストーリーです。
なかでもメンタル面の成長は目を見張るものがあり、最終決戦では黒渕のあおりも軽くあしらえるようになります。

また、可愛い顔して肉好きというキャラ設定も〇だとは思うのですが・・・
やはり、先の黒渕の印象と全体的に見ても莉佳の練り込みの甘さから、ぱっとしない印象になってしまったところは残念に思います。

キャラは可愛いし、見た目もよい、お嫁さんにしたいランキング一位、電話番号を聞きたくても聞けないランキング一位なだけのことはある、
それにフライングスーツ姿は莉佳が一番えっちい気がするのにもったいなかったなと(笑

本来であれば、EXTRAなにがしで莉佳の株が爆上げするはずだったのが、開発中断ということで非常に残念に思います。



~~~おしいと思った点~~~
本作Perfect Editionはコンシューマ版の逆移植作品になります。私は元のPC版もコンシューマ版も未プレイの状態でプレイしましたので、
どのシーンが追加になったのかとかはわかっていませんが、例えば明日香シナリオで、トビウオくんを抱き枕にして主人公と電話をかけるシーンの後に
主人公が明日香はトビウオくんの枕を抱いて独り言しゃべってそうだなみたいなことを発言したり(そのちょっと前にそのシーンあったやんけ!知っとるんじゃないんんかい!)
といった辻褄があっていないようなシーンがありました。これは元からの仕様なのかな・・・?

また、反重力粒子だかのせいで飛んでる最中は相手に触ろうとしてもお互い跳ね返されちゃう設定ですが莉佳シナリオではよく主人公と手を繋いでタンデム飛行してましたよね・・・?
シナリオを描く人によって設定にばらつきがあったように見受けられました。

CG回想が使いづらい。

立ち絵のバリエーションが少ない(その分、表情の差分が多い)。

上記で3点減らしました。