ここ2,3年のAXL作品の中では断トツに面白かった。作品の雰囲気もいつもと違う感じがしたしブランドの意識改革でもあったのだろうか?
正直言って、最近のAXL作品は薄味のシナリオに、山場はぬるま湯といいますか
普通オブ普通で、突出した良さというのがあまり感じられませんでした。
ブランド特有の良さ、例えばAXLの場合だと原画とCGの塗りの美麗さ、サブキャラのおもしろい性格、
キャラクター同士のかけ合いなんかは全作品に共通して言えるので、それについては安心ではあるのですが
ちょっとばかし、慣れというか惰性な所が最近出てきてて、プレイし終わっても「いつものAXLだったか・・・」で終わってたんですね。
本作もそんな感じなのかな~と決め付けてプレイしてみたのですが、釜を開けてみると驚きました。
というのも、今までにAXLの作品をプレイした人なら私と同じように感じたかもしれません。
「ちょっと雰囲気が違う・・・!?」
う~ん、どこがと言われると難しいんですが、今までの惰性な流れを断ち切り
AXLというブランドの良さは継承しつつ、近年のユーザが求める路線を強欲なまでに取り入れた感じがしました。
例えば萌え要素。
あまりAXLのシナリオは萌え萌えな感じではないんですが、本作はそういうところが
話のいたる所に取り込まれていて(初っ端からアンドロメダのギャップにやられたりしましたw)
SDCGの可愛さも相まって、萌え+ファンタジーという、いわば王道的な作品にしあがってます。
Hシーンにも一回にCG3種類使ったりして、近年のエロい萌えゲーというのを目指してたのかもしれません。
(まぁ、エロシーンはあまりエロくなかったのでこの試みは失敗かもしれませんがw)
シナリオの方はというと正直言います。
「長谷川さんどうしたんすか。。。」
いや、結構長谷川さんのシナリオって当たればデカイけど外れれば大はずれみたいなところがあって
今回もここがどうなんだろうとビクビクしていたのですが、これは完全に当たりの方でした。
ちょっと大雑把に言うと、主人公は村の困った財政などを立て直してくれるいわば役所の町おこし課。
地方自治体の役員みたいな人で(貴族の不正なんかも取り締まってる)
村人「いいアイディアが浮かばない。助けてけろ~」
主人公「よしわかった」「う~ん、何かいいアイディアは・・・」「よし!これでいこう!キリッ」
のような流れで話が進んでいきます。
このアイディア自体はよく考えれば誰でも思いつきそうな内容なのですが
それを取り巻く周りの環境がこのアイディアを何倍にも膨れさせ、面白い話へと変換してくれています。
あーだこうだ村人一丸となって話し合い、助け合いながら目標を達成していく。
たまに障害となりうるものが出てきますが(例えば悪役とか)最終的にはそれを乗り越えて大団円でエンド。
結婚関係については最終的にOK!となるので、ちょっとご都合主義なところはありますが、そこは他が良かったのでスルーw
LABみたいにバッドエンドがなかったのも好評価ですね。
(本作でバッドエンドあったら多分相当きついものになってたかも。結婚できずに別れる的な)
あとは、シナリオにウザキャラが居なかったことでしょうか。
周りのことはお構いなしの迷惑ヒロインや、すぐ人のことを蹴っ飛ばすヒロインのようなキャラクターがおらず
ヒロイン全員が本当はいい心の持ち主という設定がとても良かったと思います。
(バジルも金の亡者設定ではありますが、ホントはいい娘です)
トリロバ卿も普通なら嫌味な貴族キャラで終わりそうなところを、面白いいいやつに描いてたのもポイント高いです。
(というかトリロバ卿可愛すぎてちょっと萌えましたw 私が辺境の地に飛ばしたおかげで~とか皇帝に直談判してくる~とか)
笑える部分も結構あったし(バジルの膝枕を「膝枕事件」として呼んでたり、マーガレットのHシーンで「今日はぬるぬるしてる汗なの」とか面白かったw)
尺もそこまで長くないので、仕事で時間がない方でも丁度いいくらいの長さかと思います。
まさに、ほんわかファンタジーの一角と呼べる作品に仕上がっていますね。
■自分用メモ
毎年恒例?のAXLラジオが絶賛放送中。(13/6現在)
パーソナリティは鈴音華月さん、桃井穂美さん。ゲストに歩河みぃなさんが来ていた。(ゲスト回中は期間限定で壁紙がダウンロードできた)
このラジオで本作の略称が「ももはな」に決定した。※確かにどうやって略すのかと新作発表されてからずっと思ってた。
なお、タイトルコールの「AXLラジオーーー」が面白く毎回ネタにされる模様。
新しい試み?として、発売前に声優当てクイズが開催されていた。