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throughputさんのJusty×Nasty ~魔王はじめました~の長文感想

ユーザー
throughput
ゲーム
Justy×Nasty ~魔王はじめました~
ブランド
Whirlpool
得点
68
参照数
758

一言コメント

シナリオが単調で、個別入ってからはクリアするのが辛かった。。。ギャグはそれなりに面白い。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いや~、いかんせんシナリオというか、作りが悪かった本作。
と、言いますのも、個別ルートに入ってから、ヒロイン5人のストーリーが全て同じ。

ヒロインが朝起こしにくる。山に行く。海に行く。主人公の部屋に行く。軽くデートに行く。他の科の依頼を受けて簡単な冒険に行く。

これの永遠繰り返しなんですよ~(汗
なので、物語の起伏がまったくなく、単調なシナリオをカチカチ読み進めていくだけ。。。

共通パートではギャグもそれなりに面白かったし、パロネタも笑えた。(地獄の傀儡子 高遠とかw)
ワールプールが新たにドタバタハイテンションコメディに挑戦しようとしてる意欲も感じられた。

でも、ヒロインの個別ルートに入ってからは完全に失速気味。。。
本作の売りでもあろうギャグやパロも個別では落ちついたものになってしまいました。

主人公の能力である動物(自然)と会話できるという点から、動物や昆虫のカットインCGなんかも豊富に用意されていて
本作の構想やコンセプト自体に悪いところはないはずなのですが、つめるべきところがつめられてなく
なんか最初と最後だけ作って、間はノリとやっつけで作られたような印象を受けました。

そもそもヒロインたちがなぜ勇者科・魔王科にいるのか、将来何になりたいとか目標が不明確だし
(一応、真奈と霧江はそれらしい理由があったにはあったけども、今後どうしたいかが謎)
いくらギャグ路線だからといっても、世界観について、もう少し練って欲しかった。

本作では世間一般的に魔法が存在する世界なのだろうが、舞台が学園でかつそこから外(学園の敷地外?)に出入りできない。
閉鎖的な空間が舞台だったせいで、個別ルートの行動も制限されてしまったのかなぁと感じたりもしました。

また、せっかくCGを使ったイベントシーンでも、10クリックくらいで終わってしまうシーンだったりと
もったいない作りをしたCGが多数あったのもマイナスですね。


パロネタの使い方であれば、ALcot作品を是非参考にして欲しいし、
2012年はケンジさんが作った問題作、フツウノファンタジーがあったせいで、
ちょっとロープレネタのゲームは新鮮味がなかったかな~とも思ったり。


でも、立ち絵、CGについてはとても美麗で、キャラデザも可愛いので、
第一印象で好きなキャラが居れば楽しめるはずです。

また、豪華声優陣を起用してくれたのは良かった点ですね。
直前まで竜翼のメロディアをプレイしていたのですが、やっぱ桐谷さんは演技が上手ですね。
声がクロエと真奈で全然別人です。
個人的には桜川さんのボソボソ声と夏野さんのロリ声が好きなので、その点では俺得といった感じでした。