1000円高いだけあっていい曲ばかり。
本作、タイトル通り、曲(メロディ)がシナリオの至る所に絡んでくる作品でして
中でも一番目を惹く演出が曲です。(曲といってもBGMの方ではなくて歌のことです)
シナリオの魅せばで、ここぞ!という所で歌がかかり、美麗なCGと合わさってユーザを視覚と聴覚の両面から惹きつけてくれます。
曲もあのクリエイト集団のElements Gardenが作成しているとのことで、とてもポップな感じの曲が多く
プレイ中に流れる度に「いい曲だな~」と思いながらシナリオを読んでいました。
本作の2大ヒロインであるフローラとメルはそういう意味でどちらも歌手活動をなさってる
声優さんを起用していますので、2人が歌う曲についても文句なしでした。(やっぱプロだなという印象です)
テックジャイアン10月号のインタビューで、てんまそさんが「1000円高いので疑問に思われる方も多いと思うんですけど
その疑問についてはサポート宛にご連絡いただければと思います(笑)」とのことですが、これって明らかに曲のせいですよね??
まぁ、前述の通り、プレイしていてかなり曲にお金かけて力入れてるなぁと感じていたのでそこは好評価ですし
値段が高くなるのも致し方ないと思います。
ただ、これが毎回続いて、そのたびにどんどん定価があがっていく。。。なんてことにはしないで欲しいですがね。
こういうのはたまにだからいいんですよ。たまにはね。
CG面については文句なしの美麗なものばかりで、塗りについてもこれぞエロゲ塗りという塗りでして
文句なしにキレイだったと思います。
ただ、まぁ前述のインタビューにもありましたが、てんまそさんは昔から絵柄といいますか印象が作品を出すたびに変わりますので
もしかしたら、そこが気になるという方も居るかもしれませんので一応注意ですかね。
(本作ではちょっとだけ目が小さくなって、全体的にスマートというかほっそりした感じにみうけられます)
続いてシナリオですが、涼風のメルトではテキストが結構ボリュームがあり、トゥルーエンドも入れると
結構な時間がかかったはずで、そこがサクッとクリアしたい人にとってはネックかなぁと思っていたのですが
本作では、そこが改善といいますか、この時間内に上手いこと収めたな。といった感じですかね。
トゥルーエンドも入れて、そんなに時間はかかってないですが、決して短いということはなく
余分な部分を削ってスマートな形にうまく仕上げてくれたと思います。
ただ、全体を通してパンチが弱いかなぁと。
共通パートの地下ダンジョンへ探検したり、物語のひとつの山場である聖竜祭。
ここまではとても面白かったのですが、個別に入ってからは、ちょっと失速気味。
というのも、テキスト上、先の展開がちょっと読めてしまったかなぁと思います。
そのせいでラストの盛り上がりも中々盛り上がりづらかったように感じました。
特にシンシア先輩ルートとクロエルートはクリアした後もずっと印象に残るような話だったかというと
そうではなかったので、2人に期待していただけにちょっと残念。
あとはドーラやヴェストリア、マスターや主人公の謎というのもヒロイン5人をクリアした後の
トゥルールートにて分かるような複線をはった作りにはなっているのですが。。。
う~ん、これも今回に関しては、涼風のメルトほどの衝撃はなかったし、微妙だったかなと思います。
ここの話、出来ればフローラのルートでやって欲しかったかもです。(メルでも可)
分けた方が話として纏まりが出来るので良いのでしょうが、いかんせん、個別ルートの各々が
インパクトに欠ける感じでしたので、トゥルーの話が少しでも分割して入っていれば、インパクトに富んだ
印象に残るエンディングになったのではと思い、そこが少々残念でした。
まとめると、曲とCG面では印象的な作品でしたが、シナリオは個人的にパンチが弱いと感じる作品でした。
ですが、ひとつの作品としてはキレイにうまく纏まっているので、未プレイの方はお時間のある時にでもプレイしてみてはいかがでしょうか。
因みに、近年の流れから?でしょうか、ワールプールでは珍しく、本作ではイチャラブ要素が良かったです。
ここはかなり高評価ですね。いつもはシナリオに特化しているのであまりイチャラブ分は薄い感じだったのですが
本作は地味に全ヒロイン共にそういった部分が強くシナリオに出ていて、読んでいて「にやっ」とする部分もありましたw
■自分用メモ
なんでも、シナリオライターの大三元氏は2013年でライター業から引退するそうです。
ワールプール作品に多く携わっていた方だけに、とても寂しく思います。