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throughputさんの恋愛0キロメートルの長文感想

ユーザー
throughput
ゲーム
恋愛0キロメートル
ブランド
ASa Project
得点
87
参照数
794

一言コメント

ギャグパートはかなり面白いので高評価できる。ただ、前作のアチ恋から何か進歩したのかと言われるとギャグパート以外は。。。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ホント、もうひと踏んばりなんですよね。
あとちょっとで神になり得たかもしれないのに、どこかしら詰めが甘いというか。。。

ギャグパートはかなり面白かったのは皆さんが感じているとおりでして
かく言う私も終始笑いっぱなしでした。
ただ、それはあくまでも「共通パート」と「一部の個別ルート」のみなんですよね。

前作のアチ恋もでしたが、共通パートから個別ルートまでの疾走感といったらもうスゴイです。
多分、体験版を最初の30分~1時間やるだけでユーザのつかみはバッチリってくらいの内容。

というのも、共通パートのギャグセンスが素晴らしいです。ホント笑い死にするかとwww
その理由から、クリックが止まらなくてあっと言う間に読み進んでるといいますか。


その疾走感を体験したあとの個別ルート。問題はこちらなんですよね。

まず、尺が短い。あれよあれよと言う間に終わってしまいます。
まぁ、これはギャグに重点をおいてますし、話の広げようがないってのもあって若干しょうがない感はありますし
私自身、シナリオには期待せずにギャグにだけ期待していたのでここはこんなもんかくらいなんですが

なんと言っても個別ルートの差。
というのも、看板娘の双子ルート。こちらは文句のつけどころがないくらい素晴らしい出来でした。
(多分双子が天都氏でそれ以外が十全氏、廣瀬一貴氏のどちらかかな?と勝手に想像)
じゃあ、他の娘の個別パートは?というと、結論から言うと

「つまらなくはない。ただ、面白いかと聞かれると、そうでもない。」なんです。

前作のアチ恋の時も、個別パートに差がありすぎて
多分相当悩んだ挙句にだとは思いますが、今作では藤井リルケ氏を外しています。
それで、確かアサプロがアチ恋発売してちょっと経ってからギャグを書けるライターを募集していましたよね。
多分、それで採用になったのが十全氏、廣瀬一貴氏だと思われますが、やっぱり双子ルートに比べるとパンチが足りなかったです。

天都氏も天都氏で、アサプロの取りまとめをやってますから、どうしても一人で全ルートシナリオ担当するのは
厳しいんでしょうね。。。分かってはいるんですが、どうしても一人、もしくはメインを天都氏で
補佐として外注ライターを採用することは出来ないのかな?とつくづく思いました。

そういう意味で言うと、全作のアチ恋からはあまり進歩が見れなかったかな?
(ギャグはもちろん進化してましたけれど、製品そのものの要件定義や設計といった作りの部分でです)


でも、まぁ、アチ恋の時ほど差がありすぎて「きょとん・・(*・o・)」ってことはなかったです。
トータルで全体を見渡すとそれほど悪くはないんですが、やっぱり個別で見ていくと。。。って感じでしょうか。

シナリオゲーばかりプレイしてて気分転換にギャグゲーでもやってみっかという人にとっては思わぬ良作になり得たと思いますし
もちろん、従来のアサプロファンや、夕凪セシナ氏、ぱん太氏、天都氏のファンも楽しめる作品であることは間違いないです。



-------------------以下、ネタばれ感想---------------------------------------
■マヨ姉
人気投票ではメインの中で一番人気がなかったマヨ姉ですが。。。
う~ん、個人的には結構いいキャラだったと思うんですがどうでしょう?
意外にも個別ルートで泣き虫キャラだったというのが判明したり
告白シーンも、他のエロゲでは見ない感じで印象に残ってるし。

まぁ、誰かをくっつけようとして自分も好きになっちゃうとか気持ちに気付く系はこの手のゲームではよくあること
後半の生徒会長選挙の話があっさりすぎて「?」だったこと
なにより、シナリオが普通すぎて、双子シナリオの影に埋もれてしまったことが人気に繋がっているのではと思います。
双子シナリオがなければ普通のエロゲのシナリオっていう評価にはなったんでしょうがね。。。そこが残念です。
あと、マヨ姉ルートは若干ギャグが足りない気がしました。
シナリオが普通なだけに、もうちょっとギャグがあっても良かったかも。マヨっ!

■咲耶
一番シナリオが面白かったのはやっぱり咲耶ですね。キャラも一番好み。
エンドロールの途中で話が入るのも新鮮でした。
そして何より、夕空ルートwww

本作は各ヒロインのルートで主人公の兄弟ひとりひとりが何かしら絡んでくるように設定されてますが
まさか夕空が女だったとは。。。まぁ、ボイスが桐谷華さんって時点で薄々思ってましたけど。
ただ、夕空の過去についてなど、咲耶ルートは色々と伏線が解けるような内容で面白かったです。

因みに咲耶ルートで一番笑ったのがラストで親父の「やだ、私の年収低すぎ。。。」ってやつwww
他にも、口癖の「やだ。。。貯蓄額。。。」とかってのや、ベッドでくんかくんかしてたのバレるシーンがw
今回も、そよそよの名演技で楽しませてもらいました~。

■実咲
実咲の過去にはこんなことがあったのかと。
多分この過去の話だけで、シナリオゲーでしたら数時間分は稼げるんでは?といった内容でしたね。
まぁ、本作ではギャグ路線なので、それなりにサラッと終わってしまいましたが、まぁこのくらいの尺が
本作には一番合ってるのかも。とに角、こちらも面白かったです。

前作の朱とは違って、静かで優しい系のキャラだった五行なずなさん。
こういったキャラもやっぱり合いますねぇ。

因みに、風呂場でばったり出くわした時の「前を隠せ」ってのは笑ったw
あと、バイトの帰りにキスしてるのを乃来亜と華に見られる、奥さま演技にも笑いましたw

■乃来亜
乃来亜はホントギャグ担当なんで、何故シナリオにシリアスを入れたのか!?
ここだけはホント理解不能です。あれはちょっとなくても良かったな。
ただ、アチ恋のギャグ担当だった優由シナリオの終始ギャグで終わった一連のシナリオに
キャラの位置づけが同じ乃来亜で、シナリオに差を付けたかったというならまだ分からなくはないですが
出来れば優由シナリオみたいなノリで終わって欲しかった。。。


因みに乃来亜ルートもしくは乃来亜で爆笑した部分をピックアップしてみました。
・主人公、咲耶、実咲の話し合いの所に飛び込んで告白を台無しにするシーン
・パスワード「おっぱい」 本田:「ぎゃぁぁぁぁ」
・乃来亜ルートの駄菓子屋の婆さん「添加物山盛りの駄菓子食いまくって変な色の種ガンガン出しな」
・乃来亜を女の子として意識してると告白した翌日の乃来亜:「ごきげんよう、皆さん」
・キメキメ顔(これ、くるぞくるぞとクリックしながら思いつつも、あの変顔で笑ってしまいましたよw)
・乃来亜の語りモード「あたしが言いたいのはそれだけだ。バーイ」

■華
ここに新たな名演技をする方を見つけてしまいましたよ。森谷実園さんです。
感想は「こういった演技出来るんだ。。。すげ。。。」といった感じでしょうか。
直前まで晴れときどき~を攻略してたってのも余計に。。。

華のシナリオも良くもなく悪くもなくいたって普通といった感じです。
みんなに告白してるのを黙ってようってのもちょっとありがちな感じでしたし。
そういえば、下の階にいる希桜さんにばれないように下りたとき床が「ギシッ」
ってなったのには笑いましたねw
華のマッドサイエンティストの如き笑い(フハハハハ)ってのもwww

それにしても本作、希桜さんがものすごいいいキャラしてた。。。
何故希桜さんが攻略できないのかが、わけがわからなすぎです。