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throughputさんのもろびと こぞりて ~JOY TO THE WORLD! THE LORD IS COME~の長文感想

ユーザー
throughput
ゲーム
もろびと こぞりて ~JOY TO THE WORLD! THE LORD IS COME~
ブランド
CLAPWORKS
得点
77
参照数
1400

一言コメント

あれ、意外と笑えるぞ。ただ。。。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作、原画家さんのファンなので購入しました。
初めは「エロゲで、たまにある音楽モノか」「もしかしてちょっと重い話なんかな。。。」と思っていました。
それが、開けてびっくり玉手箱。

キャラのかけ合いが意外と笑えましたw

主に紫がボケて、主人公がつっこみ、麻由子がまとめて、仗助がオチでしょうか。
たまに麻由子がばっさり切り捨てるところがあったりして笑えました。
特に、この笑いのネタが某パロネタ好きのメーカーみたく、パロネタばかりで笑かそうとしてないところが好印象でした。
(ただ、完全にパロネタがないわけではない)

また、エロゲでは珍しくウザキャラが出てこないのもストレスを感じずにプレイ出来ましたね。


それに、一番の売りがなんと言ってもBGM。
音楽モノなだけあって、本作のBGMはかなり気合入ってます。
スタッフロールを見る限りだと、多分生演奏かと。
また、クラシックのことは全然分からない私でも「聞いたことある!!」って曲が何曲もあって面白かったです。

OPを歌っている野川さくらさんの「モロビトコゾリテ」はOPムービー公開の時から「すげぇ良い曲だな」と思い発売日にCD買ったほどですw
EDも各ヒロインがボーカルをやっていてとても気合入っています。


シナリオ的には、ヒロインと主人公が色んな苦難や挫折を乗り越えてハッピーエンドという超王道シナリオ。
(ベテランエロゲーマーの皆さんからすると少々もの足りない感もあるかもですがw)


これだけ良い所をあげてるとさぞ神作品なのか。。。というと、不満もあります。

一番はとに角、テンポが悪い。
(そもそも、ゲーム自体の速度(文字速度とかエフェクトの速度)も若干遅く感じるのは気のせい。。。?)

最近のエロゲはシーンが切り替わる時に、タイトルのカットインとかが入って明確にシーンの切り分け化がされてます。

本作ではそれがありませんw

なので、いきなりシーンが切り替わって「・・・・」「さ、さっきの話の続きは?」「これで終わり。。。?」ってなることがしばしば。
まぁ、2000年前後のエロゲはこんなのあたり前だったので、私個人としてはむしろ懐かしいくらいwww
ただ、最近エロゲをやり始めたユーザーにとってはちょっとキツイかもしれませんね。

次に気になったのがCGの塗り。
絵は萌え萌え系な割に、何故か肌の塗りと色がリアルなんですよね。つか、暗い。
モニタの角度によってはかなり見づらかったり、変な色に見えたりしました。

あとは、細かなバグが。
誤字脱字やなぜか同じシーンで歌乃の立ち絵が2人出てたりw
あと、CGが表示されてる画面でセーブして一旦終了して次にロードすると画面が真っ白になりますw
シーン回想ではSYSTEMボタンがクリック出来なかったり。。。まぁ、パッチ当てると治るんではと思いますが、パッチ当てるとセーブが使えないとオフィシャルHPに書いてあったので私は当てていません。


個人的には良作でしたが、人を選ぶと思うので、是非とも体験版をプレイしてみてからの購入をオススメします~。



~~~以下、クリアした人向け(ネタバレあり)~~~
■麻由子
麻由子かわいいよ!麻由子!
第一印象だと、「あ~、人の良い幼馴染系か。。。」と普通の印象でしたが、シナリオを読んでくウチに、「ぽわぽわ系の娘」から「ノリのいい犬っ娘系」の印象に。
いつの時代のエロゲも幼馴染は最強ですね。
ずっとずっと昔から主人公が好きだった。。。ってパターンにホント弱いです。
麻由子と一緒に出場した演奏会では2人のユニゾンパワーが炸裂!って印象でしたね~。
また、本作の中で一番イチャラブしてたようにも思いました。(特にお風呂でのエロシーンが良かった)
ラストにお互いの夢を叶えるために別れましたが、何故かひょっこり外国にいる主人公の元へw
訪ねた理由も麻由子らしくて良かった。
その後が気になります。。。

■四季
いや~、四季さんはかなり電波入ってましたねw
電波というよりも、おっとり?おっとりというよりも音楽の塊というか音楽キチ?みたいな。
天才にはちょっとおかしい人がいるみたいなことを良く聞きますが、四季さんもそんなタイプですよね。
徹夜で作曲して、学校行くのを忘れたりとか。。。w
主人公のことを好きになったせいで作曲が出来なくなるってのは今までにあまり見たことない観点で面白かったですね。
ただ、ちょっと残念だったのは、美鈴さんが「四季は人との繋がりや絆を大切にしない」「義務で月山の里に来てる」と言ってたことに対して
四季さんの気持ちの変化が明確に本編で描かれてないことでしょうか。
ラストでは周りの友達が四季さんを気遣い、再び作曲が出来るようになりました。また、エピローグでは主人公との間に子供が誕生していました。
これらから、ライターさんは「四季さんは成長したんだよ」ってのを言いたかったのだと思いますが、こっちからすると「大事な部分をはしょられた」感がMAXでした。

■紫
ゆかにゃん!ゆかにゃん!
いや、失礼。本作では唯一?のメイド+年下キャラですw
KUREHAさんに相談したり、麻由子と鳴とのガールズトークシーンや、演奏で勝った方の言うことをきく~云々のあたりで、実はゆかにゃんは主人公のことがずっと好きだったんだと知りびっくり。
また、主人公がヴァイオリンを弾き終わっていきなり「俺は渾神のことが好きだ」と告白したシーンは印象に残りました。
紫シナリオは若干シナリオを優先させた感があり、他のキャラよりもイチャラブが少なく感じましたね。
ただ、まさかうおしんのおっちゃんが実の父だとは夢にも思ってなかったのでかなり驚きましたわw
(話は変わりますが、本作はサブキャラが意外といい味出してますよね)
紫と主人公が恋人の関係でありながらも、お互い切磋琢磨してスキルを磨き上げるライバルでもあるという関係は面白いなと思いました。
杏子御津さんはいつもより演技がはっちゃけててそれが良かったかな。中々演じないタイプのキャラだったと思うし。

■歌乃
もう、どうしても某弟キャラにしか聞こえなくて聞こえなくて。。。
いや、それは置いておきましょう。
初めはツンデレ?というより生意気キャラで「う~ん」といった感じでしたが
歌乃自身、歌えなくなった原因などが解き明かされていくうちに「ほうほう」といった感想に。
最終的に主人公と付きあうようになってからは、デレモードに入ったので「なかなかカワイイじゃん」といった印象になりましたね。
ただ、歌乃シナリオはKUREHAさんとのわだかまりを解くことに重点がおかれてて、先の3ヒロインのシナリオよりも音楽音楽してなかったのが残念でしたね。
(部活ではないけどチーム一丸となって練習して目標に向かう。。。ってのが、感じられなかったという意味です)
オープニングで美鈴さんが歌乃をどうしてライブに連れて行ったのかの謎がとける仕組みになってたのでそれは意外とおもしろかった。
でも、なんで「みーちゃん」って呼んでたんだろう。。。(親父がバンド時代にそう呼んでたのをつかってるだけか?)
因みに、エロシーンのボイスは「もっと頑張りましょう」って評価かなw

まぁ、処女作にしては中々でしたので次回作に期待って所ですかね。