ましろ色でイチャラブ路線という新たなジャンルの開拓に成功したぱれっとの新作。プレイ前「今度のNYAONはイチャラブ来るかっ!?wktk」プレイ後「いつものNYAONだったぉ。。。」
本作をプレイして、「あ~、そういえばNYAONって萌えゲの中にいきなりシリアスパートぶち込んだりヒロイン同士の三角関係で場面を盛り上げる人だったなぁ。。。」と思い出しましたw
ところで本作。いかんせん、主人公がダメでした。
こんなに鈍感で優柔不断な主人公は久し振りでしたよ(汗
プレイしていて「イラッ☆」としてしまう箇所がチラホラとありまして、それがかなり減点対象になったかなと。
NYAON氏が本作をプレイしたユーザに伝えたかったことって、学生時代の青臭い青春。
その青春を謳歌する中で恋を学んだヒロイン(主人公)の心の葛藤や悩み。
時には相手のことを知らなすぎて(絢音や香奈恵)、もしくは知りすぎている(水希やなずな)からこそ
相手への不安や怒り、時には嫉妬なんていう人間の「不」の部分を、分かりやすく三角関係という枠の中で表現したかったのかなと
個人的に感じました。(これは、もしらばとかでも言えますね)
どの話も最終的にはハッピーで終わるので、ここに関してはいいところなんですが、
上で書いた、その伝えたいことを表現するために、主人公を寡黙で不器用で、人との付き合いが苦手な鈍感設定にしたのかなと思いました。
もしそうだとしたら、ちょっと楽しすぎでは。。。?
いや、私はライターでもなんでもなく、ただのエロゲーマーですが、流石にこの主人公設定は
「書きたいことのために作られた楽ちん設定の主人公では??」と勘繰ってしまいました。
(本業の方からするとこいつ何言ってんだ?と思うかもです。。。すみません(汗))
NYAON氏ほどの腕があれば、こんなヘタレ主人公にしなくても、近年流行りのキレる、かっこいいタイプの主人公でも書きたいことが書けたのでは?と思ってしまいました。
(「これが無きゃNYAONじゃない!」って言われたらそこまでなんですが)
かく言う私自身も、昔ながらのこういったヘタレ主人公が近年減ってるせいで、昔ならなんとも思わなかった主人公設定に違和感を感じてしまっているだけのような気もしますが。。。
くすくす氏の描くCGが売りでもありますが、ものによっては「ん?バランスちょっと変じゃね?」といったのが多々あり、そこもちょっと残念でしたね。
ただ、塗りに関しては流石ぱれっとといったところでしょうか。とても丁寧な塗りでした。
シナリオについては、NYAON氏の得意な三角関係が各ヒロインにつき必ず入っていて、
絢音編ではそこまで重くはないんですが、他の3ヒロインのシナリオについてはドロドロの三角関係でしたねw
あ、書いててごっちゃになるとあれなんですが、私個人として不満があったのは主人公とCGのバランスであって
シナリオについてはとても楽しく読ませていただきました。
中でも、水希、香奈恵シナリオは面白かったです。
水希編では、水希が香奈恵に対して恋を応援して欲しいという意地悪なお願いをする。
香奈恵の方は神様であるがゆえに本当は主人公のことが好きだがお願いを断ることも出来ないので感情を隠して応援する。
という対比が上手く描かれているなぁと感じました。
読んでいて混乱しないよう境目がハッキリしているといったら分かりますかね?
終盤のチビ水希も、出てきた時は「なんじゃこのシリアス展開w」と思いましたが
結果、悪いやつでもなく、まして疫病神でももちろんなくて、チビ水希自身も水希同様に幸せになっても良かったんだというのが
個人的に読後感がスッキリして良かったです。
また、なずな編と香奈恵編の中間部分。
ここはかなり秀逸でした。
色々と駆け足気味ではありましたが、なずなが主人公に迫るシーンのきっかけってのが香奈恵で
この辺の、ちょっと上手く言えませんが、誰が誰のことが好きなので、誰に対して嫉妬した結果、こういう行動を起こすってのが
よく出来ていたのではないかなと思います。
やっぱりというか、一番読んでて「おもろいなぁ」と感じたのは香奈恵編でした。
バッドエンドもちゃんと意味があるものでしたし。
ただ、個人的に私は、絢音が好みだったんですが、肝心の絢音編が「う~ん。。。微妙。。。」
絢音自体には問題はないんですが、いかんせん、なずなにイジられまくってて絢音が可哀想っていうのが終始付きまとっていて。。。
そのせいで、なずなは最後まで好きになれなかったです。
ただ、なずな編は一番ドラマチックでしたけどね。
足が動かない理由しかり、後夜祭のシーンしかり、水希がわざと悪者になるところしかり。
最終的に判断すると、もしらば、さくらッセがなまじ良かっただけにちょ~っと期待しすぎた感はありましたね。
全体的には無難な作りですんで、この辺の先入観を持たずにプレイした方からすると良作になり得る出来だったのではないでしょうか。