麻枝准100%
key作品をすべてプレイし、麻枝准のシナリオや音楽には大変魅せられたが、鍵っ子の間で麻枝が天才や神と呼ばれているのを見ると、そこまですごくはないだろと感じていた。しかし本作をプレイして見方が変わった。1997年の段階でこのレベルの作品を作っていたことにただただ驚く。
凌辱が多いということで感動は期待していなかったし、その当時話題となっていたカルトを背景に物語を作るのは安易な発想だと思っていた。実際、凌辱メインのエッチシーンは痛々しく、某キャラによる凌辱以外は胸がじくじく痛む。また、主人公が終始カルト施設でスニーキングミッションをする形になるので得体のしれない怖さがある。ただ、そうした要素を多分に取り込んでいるにもかかわらず、シナリオがエンターテイメントとして圧倒的におもしろい。主人公の成長の描き方・ラストのまとめかたは、見事としか言いようがなく、麻枝の持つ世界観がkeyのどの作品よりも裸のまま凝縮されている。
麻枝さんと久弥さんがシナリオを担当していますが、麻枝さんの香りが濃厚すぎて、麻枝さんが全部書いたと言ったら信じてしまうくらいです。
key作品が好きな人は、いまプレイしてみる価値が十分あると思います。だーまえって天才だったんだ・・・ということが分かるかも。