短すぎるけどそれが作品の良さを引き立てている。
前々から評判は耳にしていたが、眼鏡属性が無いため回避していた。テックジャイアンに付録として付いていたので、この機会にプレイした。
総プレイ時間5hくらい。そこらの長めの体験版とかより短い。しかし、人類滅亡1週間前から始まるので、登場人物達の心情・行動は共感できる部分が多々あり、それにより描写不足だとかの違和感が少なかった。また、毎回冒頭にあるラジオのDJの放送が良い味を出している。登場人物達に現在の自分達の状況を説明させるのでなく、ラジオ放送で世界情勢などの混乱を伝えることでユーザーもこの世界への理解がすんなり出来る。
教師との恋愛、姉弟とのSEXなど禁忌とされるモノも、すぐそこに滅亡が迫っている為あっさり乗り越えていける。サスペンス物とするならタガが外れた人間の浅ましさを描きやすい設定ではあると思うが、本作では日常を描いている。その為、退屈になりそうになるが徹底して無駄を省いたことで飽きる前に終る。これが数十時間の大作ならもっとダレて評価が下がったと思う。短いからこそ伝えたテーマが分かりやすく大変良い。「人間いつか死ぬけどその過程が大事!」ってのが伝えたいことかな。
三人称で描かれる群像劇であるので小説を読んでいる感覚に近い。絵はエロゲっぽさが無く地味であるが、この物語にベストマッチしている。BGMも心地よく耳に残りサントラが欲しくなった。と絶賛しているがこれは安かったからの話で流石に発売当時フルプライスで購入したならこの短さは文句言ったと思う。安くプレイ出来、かつ少し変わった設定の作品だったからこその評価。だが安くて短くて面白いという人に気軽にお勧め出来る良作であることは疑いようが無いので、興味がある人は眼鏡に嫌悪せず是非プレイして頂きたい。
滅亡の原因が太陽の活発な活動で、そのせいで人類は目を守る為にフィルターの付いた眼鏡を全員しているとかの設定だったら全員眼鏡っ娘でも余裕で許せるのにな~