ローグライク、といっても「不○議のダンジョン」シリーズのように一般向けにチューンナップされたものじゃなくて、それこそ原点のRouge、そしてその派生であるNethackやAngbandに近いイメージの作品です。確かに世界規模で需要のあるジャンルなのは確かですが、レアアイテムにハァハァするよりも、美少女にハァハァするのが普通であるこの界隈でこんなゲーム出してどうすんのよ? という感じがします。とりあえず、私が何言ってるのかまったく分からない方は、購入を回避するのをお薦めします。まあ、理解できる人なんて、ES内に二人いれば良い方だと思いますけど。
とかいう、私も体験版しかプレイしてないんですけどね。
それでも、この特殊なユーザーインターフェースや、マゾゲーとも言えるシステム周りは、合わない人は絶対に合わない仕様なので、大抵の人が回避推奨の作品になるでしょう。
実際、商売的な意味では完全な失敗であるのは間違いないような気がします。おそらく国内で最もプレイされているであろう変愚蛮怒でもユーザーは千人はいってるような気がしますが、それ以上ではないでしょうし、そこからエロゲユーザーを抜き出して、なおかつ*勝利*した人を選び出すとしたら、多分十人もいないんじゃないかな、と思います。そんなユーザーの為のゲーム……ある意味男らしいですが、それ以上にアホだと思います。
そして、最後までやってない私が言うのもなんですが、このゲームが変愚蛮怒やJNethackに匹敵する魅力的な要素が有るかと聞かれれば、ぶっちゃけ余りないと思います。食料の種類が無駄に多いわ、移動がし辛いわ、アイテムがあんまり魅力的に感じないわで、あんまり面白く思えませんでした。というか、この手のゲームでスポイラーが無いってのが、一番致命的だと思うんですけどね。
以下は、こんな長文読んで下さった方々への、私なりのローグライクの説明です。
ローグライク、というのはRougeを原点とした、ダンジョン探索型RPGの総称、のようなものです。「不○議のダンジョン」を一般向け、と言いましたが、本来のRouge、そしてその派生のNethackとAngbandは、死んだら全て終わりなのが普通でして、倉庫だとかそういった引き継ぎ要素が無いのが普通のシステムなのです(要はチ○ンソフトは、それが理不尽だと感じる人が多いと思ったから、そういうシステムを導入したのでしょう)。
話を戻します。これらのローグライクは、基本死にまくるのが普通なゲームでして、熟練者でない限りクリアする(ゲームによって*勝利*と言う)のは不可能なゲームでもあります。言い換えればプレイした全ての人がクリアできるようには出来てないのです。そして、そういった要素こそがローグライクが今もなお、多数派ではないものの生きながらえているジャンルの要因となっているのです。その高い難易度こそが、ローグライクの醍醐味なのですから。
操作性やグラフィックも特殊でして、元がUNIXのゲームだったことから、ゲーム画面は文字列の集合体になってます。主人公の表示は@が基本で、モンスターの表示がWだったりDだったりします。そして操作も、全部キーボードで処理出来るように作られてます。
そして、このゲーム達の最たる特徴は、元のゲームのプログラムを参考にして、改造して配布しても構わないという許諾がなされていることでしょう。おそらく、今最も活動が盛んなAngbandも元のプログラマさんが、非営利目的ならば改変して配布しても構わないと、きっちりと宣言されています(言い忘れましたが、これらのゲームはほぼ全部フリーソフトです)。そしてそれを元に、多くの派生作品(これをバリアントと呼びます)が作られました。Angbandのバリアントには、ZAngbandや日本で開発された変愚蛮怒などが有名ですね。
おそらく、今上げた要素だけでも、駄目だと思う方はかなりの方がいると思われます。それ自体はまったく問題では無いのです。問題は、こんなゲームを一般向けに仕様を変えることなく、商業の場に出したメーカーに問題があるのですから。
私も一介のローグライクゲーマーだから、いつかエロゲでそんなゲーム出てこないかな、と夢想したこともあります。しかし、それはあくまで「不○議のダンジョン」シリーズのような一般向けに簡単にされた作品のことでして、こういう原点丸出しなそもそも何人クリア出来るのか分からないゲームの事ではありません。開拓の精神は買いますが、しかしゲームとしては体験版をプレイして満足、そんなレベルの作品であると私は思います。というか、これやるくらいなら、金出さずにフルでプレイ出来る変愚蛮怒とかをやった方が良いと思います。
プレイしたユーザー全てがクリアできるのが推奨とされるエロゲーと、クリア出来るのが(表向きは努力という)鬼プレイしたユーザーに限られるローグライク、その二つの差はここまで大きいのだな、と実感させられた作品でした。体験版しかプレイしてないけど。