有能上司の復讐から始める二人の話。基本主人公は蚊帳の外。結末は自分的にはむしろ後味良かった(主目線)。長文感想はモロバレなので注意
<シナリオ> 65点
主人公
導入(体験版部分)とラスト以外は微妙。シナリオが妻と上司で完結しているため、基本主人公は蚊帳の外
結末に円満夫婦という形で報われることはなかったが、この二人ではそれが自然であるため、違和感なし
それよりも、ずっと男として、夫としてダメだと思っていた主人公が、最後まで妻を愛していることだけはぶれなかった事に感心した
この結末のお陰でちゃんと形になって納得できるものになっている
というか、よくよく考えたらまさにタイトル通りのシナリオだった・・・
上司目線
荒れてやけ酒を煽り、タガが外れて関係を持つ。叫ばれたら終わりのレイプといった形であるため、始まりは微妙
その後冷静になり、会話をして妻の人物把握。復讐として利用出来るとし動き出す。ここまで当然ながら愛はまるで感じない
毎日訪れて思考を読み進めていき、憂さ晴らしに利用する。
が、その日々が進む中で、妻の負い目と温室育ちで善人気質な人柄からか自暴自棄になった上司の事を思いやる気持ちに触れる
それにより上司にとって「エリートとして成功してきた人生に泥を塗られ、弱っている時、それを気遣ってくれる唯一の女性」となってしまう
ここから単なる遊び、憂さ晴らしに過ぎなかった関係、行為が、少しずつ愛を持ち始める。
人は失敗した時に恋を必要とするものであり、非常に自然な流れと言える。・・・主人公? 蚊帳の外である
が、一応このタイミングで気付いて、上司を退場させる。
後、ほんの少し、唯一の女性となる何気ない一言を聞く前に退場させれていれば、(妻への執着がなくなる可能性が高いため)結末は変わっていたと思うのだが・・・
そして一年後、成功を収めた上司が妻に連絡を入れ・・・といった流れ
<人物像>
<夫>
男性、夫としては欠陥部分が多くあるものの、妻への愛は意外と貫いている
<上司> 有能 エリート
離脱した上司は妻を迎えにいくため、他社で尽力して成功。目標を得たことで前以上のエリートに返り咲き、妻への愛が伺える
また、荒れていた時期に目立った乱暴な言葉遣いもなくなり、能力や地位、女性の扱い、人間関係の築き方、外見、何もかも主人公より上である
主人公は妻同様、恵んでもらった物をついばんで食べる雛鳥。会社も地位も妻も社長に恵まれ、妻に与えたのはキスと正常位セックスのみで超早漏、気遣うばかりでなかなか進展しない夫婦関係などなど。
(一方的な)愛情と夫という肩書きしか持たない主人公の張り合える相手ではない。役者が違う
とまぁ能力的には優れる人物であるが、人格的には多くの問題がある
まず、レイプ。エリート街道から外れた事で荒れていた、酔っていたとはいえ常人の行動ではない
そもそもアルコールの実験で酔っても人の道徳観に影響を与えないという結果が出ている。あくまでも本性が出るだけ
レイプにより被害者より加害者となってしまい、同情する気持ちも無くなってしまった
更に素面の時でも横暴な言動、レイプ被害者に「(度重なるレイプを)火遊びのつもりだったが今は本気だ」などと抜かす
そもそも悪いとしたら贔屓が過ぎる社長である。主人公に向かうのは逆恨みに近い。
逆恨みから主人公をあからさまに下に見た態度、敵意丸出しの態度を見せるなど、感情に支配されやすい人間である
所詮、人格に問題ある間男が世間知らずの箱入り娘をかっさらうことが出来たとしても、それで一家を崩壊させた以上、円満夫婦、幸せになるのは難しい
そのためには妻も道徳的に破綻者である必要がある。自分さえよければいいと開き直れる、慰謝料払って終わりだと開き直れる精神力が必要
そして妻がそういう人格でないことは明らか
「愛する妻のためにすら」我慢が出来ず、主人公と、妻の親の会社への復讐心を優先して、主人公の人生を壊してしまった
そんな結末を求めていたはずがないのに、復讐心に囚われて行動してしまった
その結末が上司のEDである。一人でいる時は勿論、上司とセックスしている時ですら妻は時おり涙を流す
<妻>
無垢。自分の意見を言えない(言われた事をしてきただけの)箱入り娘
親に言われた事を疑うことなくしてきただけの人生で、そのせいか自分で考えるといった事を基本的にしない
そういった人生観からか、他人に求められたものに意識せず順応する毛がある
最終的にはやや印象が悪かった人物
親に言われるがまま生きてきて、上司に言われるがまま、別れを切り出し、言われるがまま目の前でセックス
ところが「それでも俺は別れたくない」と言われただけで、仮面夫婦を続ける。最後の最後までただただ言われるがままだった
上司には主人公を憎む気持ちが、悪意があり、追い込む意思があった。悪意に慣れていない妻はそういったものが見抜けず、主人公を追い込むための道具として利用されたにすぎないのは確か
が、それは結局は最後まで妻が考えてこなかったツケ。妻に悪意はなくっても立派な共犯者である
夫の人生を台無しにしてしまい、その姿をみて、ようやく良心の呵責に苛まれる
が、自分の意思を見せない(あくまで他人依存)のため、自分の行動にまるで責任感のようなものを感じない・・・
その姿に嫌悪感を覚えるも、呵責に苛まれてはいる(心底悪いとは思っている)人間性に、多少は情状の余地がある・・・のか・・・
<問題点>
<執着心が持てない>
タイトル(題材)からして主人公は蚊帳の外、上司と妻のシナリオという部分があまりに強く、それに比べて主人公と妻の関係は出会い、夫婦生活含め、余りに希薄
故に妻への執着心を持つことが出来ないといったNTRとして致命的欠陥がある
このため、抜きゲーとして見ると全く使えない
CGのレベルは非常に高いだけに勿体ない
<テーマが悪い>
シナリオはテーマ通りのものを完全に仕上げている。文章力、構成、結末、クオリティは全く問題ない。でもこの内容で仕上げても、-15点ほどされるのがオチ
人物像及びテーマから考えると妥当な結末だが、主人公を覚醒させて活躍する舞台を与えるなどした方が盛り上がりを見せたはず
例えば妻を全力で守る方向性で動いていたら、守っていた物が奪われたという形のNTRに。シナリオとしても抜きとしても完成度は高くなっていた
レイパー上司を警察へと退場、頼りになる姿に妻の愛情が深まる→が、社員から逮捕者が出たことで悪評出回り会社傾く→2人目の間男に融資や契約を条件にかっさらわれる等
<アトリエさくらさんへの要望>
ちなみに寝取らせが一番問題起きにくいんで、今後は寝取らせモノいっぱい書いて下さいな