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saisalyさんのメンアットワーク!の長文感想

ユーザー
saisaly
ゲーム
メンアットワーク!
ブランド
Studio e.go!
得点
35
参照数
123

一言コメント

ゲーム内の期間が24日程度なのにその期間でこれだけの出来事と人間関係の変化が起きたというなら少しムリヤリに過ぎる印象。1ヶ月未満の期間の出来事としては詰め込みすぎで違和感を覚える。作業に感じるような、手ごたえの全然無い難易度の戦闘をやっている時間が多くて、文章を読んでいる時間の2倍以上。昔基準でもかなり満足感が残らない作品。物語もやや薄味。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

数値、5が平均です。(5以下だと気に入らない部分あり)

キャラクター(魅力、言動) 4
ストーリー(全体を通してのお話、結末) 4
シナリオ(作品中での出来事、キャラクターの行動) 4
ゲーム性(難易度を伴いプレイヤーの操作を必要とする部分の要素) 2
音楽 4
文章 3
グラフィック 5
システム 5
ボリューム(長さの満足度) 2
満足度 2


シリーズ化されているので予習のために遊んでおく必要があると考えプレイしています。コムショップで100円で購入。
1ルートのみのクリアなので暫定ですが、おそらく他のルートでもヒロインの生い立ちとエンディング部以外は
大差ないのではと考えています。

あらすじ

この街は昼は平和だが夜は魔物が攻めてくる。夜は人は建物に閉じこもって朝をじっと待つ。
魔物は建物にまでは滅多に入ってこない。人は魔物を恐れている。
だが、そんな魔物を夜に狩る仕事に付く人の存在がある。モンスターハンターだ。モンスターハンターは魔物同様に
町の人には嫌われ歓迎されない。だからモンスターハンターをするものはその生業を隠し昼は別の顔で仕事をしている。
そして俺(主人公)もモンスターハンターをしている。

こんな感じ。


アンナルートを5時間強でクリア。きちんと文章も読んで、なのであまりにもあっさりしすぎている。
主人公の生い立ちなどには触れられず、今の性格は語りでわかるのだが何でハンターをしているのかも不明。

ヒロイン(アンナ)についてはぶっきらぼうな出会いから一緒に夜を戦っていくうちに主人公を認めてゆき、
ストーリー上のイベントで彼女がどういう理由で現在の状況になったのかが「断片的に」明かされていった。
(過去~現在という明かし方でその中間が描写されないのですっきりしない)
イベントCGを含めてヒロインごとに14枚ほど、HCGは4,5枚。

作品中の日数は全体で24日でゲーム開始からラストの戦闘までを決着。
アンナルートの場合は街で見かけるあの人程度、ではなく互いに個人を同業と認識してという出会いが5日目でそれから
たった10日パートナーとして組んだだけで(15日目)でヒロインとしての運命の相手として確定、さらに1週間で
(21日目)ヒロインがさらわれ。2日で助け(22、23日目)24日目でラスボスとの戦闘です。
その間、ヒロインから過去を語られず。イベントアイテムでヒロインの記憶を読む形で事情を知るという。
(そのイベントも20~22日目。3日でヒロインの過去を「なんとなく」ヒロインの元恋人視点で追体験の形で
理解という無茶な展開)
人間の相互の理解ってこんなに短期間では深まりづらいし昔から知っていた間柄ならともかく。これはない。

それから、ラスボスは魔王らしいけどあんなに弱くていいの?
店売りのアイテムをパートナーのヒロインと主人公で1ターン目に1個づつ、ダメージ量55のアイテムを×2、
2ターン目にダメージ量26ダメージの別アイテムを×2。3ターン目に通常攻撃(25ダメージ弱×2)で沈んだ。
この弱っちい奴(ラスボスです)を倒さないとバッドエンドらしいけど・・。
強者の雰囲気を出した割に見かけ倒しではね。手ぬるいとはいえ最後の戦闘ぐらい手応えが欲しかったんだが。

色々、ゲーム内期間で詰め込みすぎていてリアリティに欠けている。
主人公の実力はモンスターハンターの中でもせいぜい中級の中の真ん中程度だと思われる。
今回のルートのヒロインでパートナーのアンナはギルドマスターで主人公よりも上の実力者だったからね。
それがたった24日で魔物の頂点の魔王を倒せる戦闘力を身に付け偶然にも魔王の復活を知り、たった二人で
魔王を倒したって・・。いろいろ無茶じゃないかって思う。その実力も普段どおりに魔物を狩っていただけで
身に付いたことになる。急激に強くなるような特別な事は起きていないし。

他にも、24日中、19日でお互いの事をろくに知りもせずに(身の上もあまり語り合っていないのに)
パートナー同士が相互理解出来るようになっていたりするのも変。(前述で、同じ事を書いてると思う。)

作業に感じるような、手ごたえの全然無い難易度の戦闘をやっている時間が4時間以上、あんまり量の無い
文章を読んでいる時間が1時間ほどで文章を読んでいる時間はすごく短くてプレイ後の満足度もすごく薄い。
当時(1995年以降~2000年初頭)基準として「ぱすてるチャイム」をゲーム性のあるゲームの評価の基準にしているので
このゲームは比べてゲーム性でだいぶ難易度が劣るしボリュームでも劣るのでこの点数になります。
エンディングは二人の間に子供が生まれて微笑ましいけど15行ぐらいで終わっちゃったし。最後まで薄味。
低評価を下したキャッスルファンタジアシリーズの聖魔大戦よりも遥かに短く少ない文章量です。