ErogameScape -エロゲー批評空間-

saisalyさんのHOSHIGAMI ~沈みゆく蒼き大地~の長文感想

ユーザー
saisaly
ゲーム
HOSHIGAMI ~沈みゆく蒼き大地~
ブランド
マックスファイブ
得点
40
参照数
121

一言コメント

(GiveUp) 軽々にゲームを地雷やクソゲー呼ばわりするのは不適切は不適切である事例【大抵はこれに比べりゃ大した事ない。】その2。タクティクスオウガ的な仕様(見た目は)だが、敵戦力が味方の倍以上という状況が最後まで常態化する容赦のない鬼畜難易度のシュミレーションRPG。 戦闘マップでの敵ユニットの初期位置に隙がなく、敵側は初期配置時点で確実に優位な配置にあってこちらを殺しに来る上にその武装や出現LV、人数も明らかに自軍より上で初期配置も高台に遠距離装備持ちで配置され(初期味方位置から数十歩先)一方的に遠距離攻撃を仕掛けられるのも茶飯事。差を埋めるには練習マップでレベル上げを繰り返すしかないのでストーリーを進めるのが困難。好き嫌いとか面白さや酷いバグの壁が理由ではなく唯一難易度を理由にギブアップ登録した過酷さ。LV上げを苦にしない求道者向けの修行ゲー。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

難易度を理由として放棄した唯一のゲーム。
ストーリー進行上、避けられない戦闘の難易度が非常に高くて、リニューアル版では難易度を下げられた作品。
たかみち氏の原画が気に入ったので遊んでみたのですが……。

タクティクスオウガ的なシュミレーションRPG 。ただし、難易度は雲泥。序盤から、戦闘マップは常に
死と隣り合わせ、敵が見方の倍以上の戦力で襲い掛かってくるのが基本で敵の人数も倍以上という事もざら。
飛び道具持ちも多い。

このゲームが本家的存在のタクティクスオウガ並みに、ゲームの主に戦闘部分のバランスが調整されていたとすれば
おそらく70点~80点は付けていたと思う。
ストーリーやキャラクターには魅力があるし、神話とその真相という歴史の裏側部分は興味深いから、
先が気になるシナリオだと思う。
だけど、難易度がこのゲームにおける一番の問題点で、それは歯ごたえなんてレベルじゃない厳しさであり、
戦闘マップでの敵ユニットの初期位置に隙がなく、敵側は戦闘マップの初期配置時点で確実に優位な配置にあって
こちらを仕留めやすい上にその武装や出現レベル、人数なども明らかにこちらより上。 さらに、その初期配置にしても
高台に遠距離装備持ちで配置されていて(初期味方位置から数十歩先)一方的に 遠距離攻撃を仕掛けてくる仕様。

敵ボスを倒せ、という目標に至る前に、到達までに敵の攻撃に耐えながら高台以外の敵を殲滅しないと いけない。
そして近づくまでに一方的に遠距離攻撃を撃たれ続ける、とか味方よりも強い武装、高レベルの敵に削り倒される。

元々敵がこちらより強く人数が多いのでうかつに接近すると 集中攻撃や遠距離攻撃で蜂の巣にされる。
相当にこちらのHPがタフでないと話にならないので、状況をを打ち破るには レベル上げが欠かせず、
物語がちっとも進まない。
そして、高低差を無視してダメージを与える魔法の獲得 と強化も必須になる。

解決策は、レベル上げて物理、またはコイン魔法で叩き潰せというなんのひねりもないもの。ただそれだけ。

それから、レベル差があると攻撃が当たらないし。だから敵が味方のレベルを上回っている。
たったそれだけの事でも、普通なら囲んで殴ればいいけれど、このゲームではそうは行かない。

だから、もうここまでくればと、物語の続きをみるためには意地になってひたすらトレーニングして強化して・・という、
かなりの忍耐を強いられる流れになるしかなく、敵のレベルを圧倒的に上回らねばと練習マップの試練の塔で
レベル上げのためだけに味方を攻撃して5~6点の経験値を ちびちびと稼いでを繰り返してという作業を
ず~っと何十時間と繰り返して塔篭りウン十時間後に物語を再開って 超しんどい。とそういうゲーム。
そこまでやらないとクリアするのが困難。塔籠り修行ゲー。
タクティクスオウガをはじめとする3D&高低差ありのマップゲームであれば、戦闘マップ上の敵は、雑魚兵が
適正な戦力の範疇に設定されているのでここまでしなくていい。このゲームおかしい。

ところが、そこまでしても。 戦闘マップでは、自軍レベルにあわせて敵兵のレベルが上方補正されて強化される。
レベルを上げて、さあ再開だと戦闘マップに行くと敵が強化される。
(補正レベル(上方)には一定の上限がある、あるのが救い)
レベル上げ作業で出現する敵レベル(+補正有り)を上回ればばいいが、上回ってなければ苦戦するのでまた修行。
必然的に、塔の中でレベル上げしている時間がストーリーを体験する楽しい時間よりも10倍以上長くなって辛い。

擁護すると、主人公側は最初は少数弱者の立場であるわけで、帝国など圧倒的強者を敵にする以上は、
敵が多くて強いのは理屈では正しい。正しいんだけどね……。

私の主観だけど、ゲームに歯ごたえある難易度を好む人でも、戦闘難易度が原因で物語を進めるのが困難だと思う。
昔の自分は歯ごたえ有るシュミレーションゲーム好きだったが、それでも放棄したぐらいにはゲームバランスが
終わってる。

製作者の熱意がゲームにはあるはず、楽しみつくしたいとそう思うのだけど、これはあまりにも遊び手に対して
容赦がない。唯一難易度を理由にギブアップを登録しているくらい容赦がない・・。
そして、この難易度ならギブアップも仕方ないんじゃない、と「難易度を理由とした放棄」の基準ゲーにしている。

「難しいからクソゲー」なんて、むやみに使っていい用語じゃないと思うよ・・・。
その難しさとやらも、程度の違いというものがあるので、その違いについて知りたい人にオススメしたい。(実体験)
移植版はたかみち氏の原画のキャラデザインではなくなっている。
たかみち氏の原画で遊びたい場合は、このプレイステーション版を遊ぶしかない、というのもネック、酷な問題。
移植版ではこの難易度はハードモード扱い。(だけど、プレイステーション版よりはずっと簡単になっているらしい)