この文章を書いている時点で言えば22年も前の作品だけど、シュミレーションゲームとして ゲームバランス(難易度)、個性的なゲームデザイン(当時を含めて他に類を見ない局地制圧型)、 イベントやフラグの多彩さ、登場人物の多さと性格付けなどの設定、音楽、背景世界の魅力は やはり一級品であると思う。本当によくできていて、今でも楽しく面白く遊べる。 96年当時であれば最高の作品で、しばらくずっとこの作品が人気を独占していたのも納得できる。多少の難点はあれどもWin7の64Bit版で問題なく動作する(遊べる)ので贅沢は言えませんし 無料で公開されているのが信じられない作品。 (2018年5/12に書き直し)
◆簡易評
キャラ ◎◎
ゲームバランス◎
ストーリー◎◎
シナリオ◎○
音楽 ◎○
◆雑感
この文章を書いている時点で言えば22年も前の作品だけど、シュミレーションゲームとして
ゲームバランス(難易度)、個性的なゲームデザイン(当時を含めて他に類を見ない局地制圧型)、
イベントやフラグの多彩さ、登場人物の多さと性格付けなどの設定、音楽、背景世界の魅力は
やはり一級品であると思う。本当によくできていて、今でも楽しく面白く遊べる。
96年当時であれば最高の作品で、しばらくずっとこの作品が人気を独占していたのも納得できる。
今回鬼畜王ランスをランス10を終え、ランスシリーズ完結という事で久しぶりに遊んだのだけど
まずCG。
今の時代、塗りを重視し、線の少ないCGも多い。べたっと塗ったようなという印象の絵もよく見かける。
けどこの90年代のCGは色の少なさを除けば完成度で劣らない物もかなりあると再認識できた。
絵柄は織音さんよりもMINさんのほうがいいなと思えるキャラも多かったしMINさんのCGも
今よりも線に細やかさがあると思えた。PC98時代の懐かしさ。この作品が登場した年がPC98末期に
近かった事情もあってPC98時代の空気も十分の感じる事ができる。
◆ゲーム評
ランスシリーズの世界、人物を説明し、魅力を示すのに十分なゲームとしての長さで
それでありながらドラマ作りもとてもうまい。
主人公は破天荒でワガママで、だけどその個性が人を惹きつける存在。
破天荒な主人公とクセの強いキャラ、敵がかみ合い物語をドラマティックにしている。
全体を見ると一本道だけどエンディングはマルチでキャラごとに不幸、幸福という条件まであって・・。
それから、ゲームとしての全体をクリアするまでに十分楽しめるだけの長さがある。
ストーリーのボリュームに富んでいて、長く楽しく遊べるのはとても素晴らしい。
まず、ターンごとにできる範囲が程よく制限されている。
戦う時にも考えて通用する要員を選択する判断と育成の意識を両方必要とする。
ハーレムや○(施設や徴収)コマンドがフラグだったり何かしら条件だったりするので気も抜けない。
さまざまな行動コマンドがクリアと無関係ではない(意外な物も多い)ので気が抜けない。
かなり時限イベントがあるのでフラグ管理も意識しつついろいろこなすのでバランス感覚が必要になる。
とにかく制約が多いけどその制約が程よいのでゲームバランスが絶妙な按配になっていてとても歯ごたえがある。
戦闘関連(どんなキャラでもHPゼロで即、戦死する容赦のなさ、キャラ性能と兵数について現状を認識し
適切に敵へ自軍のどの者を当てるかの判断や、1ターンで占領できる回数が1つ限定なのでどこを占領するか、
敵からの反撃で守勢の時に戦闘に誰を投入するかの判断、出兵先の時期の判断、軍事費=兵数増強に投入する加減を
考慮し、戦闘の際のキャラごとの参戦時の費用を意識し・・など)はとりわけあらゆる検討が要るなど悩まされる事が多い。
けどそれが本当に本当に楽しい。攻勢だけではなく守勢においても判断の検討を要する、楽しい。
間違えても自動セーブ機能により記録がされるのでやり直しが利き易いのもありがたい。
これくらい難易度があるゲームであればこのくらいの便利な要素はあってもよいだろう。
イベントも膨大、フラグも多彩。アイテムも多彩。ハーレムに呼べる女の子も多彩。
時限イベント対処、フラグへの意識、戦闘参戦がトリガーとなるイベントの存在や
ハーレムHがトリガーのイベント、施設訪問や徴収がトリガーだったり選択すれば
即BADエンドの選択肢まで存在する。
ターンの行動によって次のターン冒頭にさまざまな出来事が降ってくるので飽きが来ない。
ダンジョンを探索したり。排他関係でどちらかしか手に入らないケースを迫られたり。
とにかく仕込まれたイベントは山のようにある。
することが山のようにある。登場するキャラクターも本当に膨大でそれぞれが
いろんな考えを持ち、行動し、戦闘で出すキャラによっては因縁めいた戦闘会話もある。
悲劇もあるし笑いもある。魅力にあふれている。
ゲーム後半になってゲームバランス的に厳しい敵と対峙する状況になってからでも
対応策はよく考えれば存在すると気づけるし、強大な敵と対決するときになっても
敵の考えも意思統一されているのは対人類という部分だけで考え方もいろんな点が語られ
敵のキャラが立ってるなとうならされる。
◆追記
ソフトハウスキャラのゲーム「その大樹は魔界を喰らう」を遊んだけどゲームとして長さ(ボリューム)、
ストーリーの面白さ、イベントの多彩さ、キャラクターの人数、掛け合い、敵の魅力もどれもこれもこの作品よりも
ずっと(その大樹は魔界を喰らうのほうは22年も後の時代のゲームなのに)劣っていると感じた。
登場人物の数のバランスだったり、ストーリーの面白さ、イベントの多彩さ、キャラクターの人数、掛け合い、敵の魅力、
ゲームバランスなどの手ごたえなどシュミレーションゲームに含まれるあらゆる要素。
簡単すぎては楽しくないし、難しすぎてもいけないし。役の役割付けの大事さなど。
全体の流れで主人公側だけではなく対立する人物や勢力の魅せ方は戦争、競争をテーマとしたゲームでは
大事だと対比して、改めて再認識した。
シュミレーションゲームは適度な難易度、頭を使い考える部分、敵の魅力を提示してほしい。
◆難点
難点はバックログがない、バグの残存、動作環境によって音楽が鳴らないという問題を
どうにか調整して解決する手間など、1996年当時ではどうしようもなかった点など。
CGも色数がPC98からは幾分進化したけれどこの時代の色の数なので鮮やかさには欠ける。
◆おしまいに
それでも、Win7の64Bit版で問題なく動作する(遊べる)のだから贅沢は言えませんね。
無料で公開されているのが信じられない作品。
きちんと最後まで遊ばないで放り出してしまう気の短い人にはお勧めできません。
Giveupの人の多くが最後までやらず低得点をつけてるので(大半プレイされた方の意見であれば理解します)
最後までやらないと全体を見通せないタイプのゲームなのにそれではもったいないなと感じた。
否定的な意見に『古い』『難しい』というのがあるけれども感じ方は人それぞれ。、
それは仕方がないけど。
けど、そういう人には「古いという一言で片付けられないよ、面白い物は面白いんだ」とは言いたい。
それは今この作品が22年前の作品だけども面白いと私が思ったのと同じではないかな。
今(2010年以降)の作品を評価しながらこの作品を古いという評価で、見向きもせず低く評価を済ますだけの人は
「近年(2010年代)の名作だってあと十何年経てばその先の時代の人に古いといわれるじゃないか?」と言われたら
どう思うかな。私なら「この作品にしても2010年代の名作にしても面白い物は面白い。すごい物はすごい。」と思う。
難易度についてはそれは主観だから仕様がない、ただ全体を体験して最後まで遊ばないと
見えてこない面白さを持つ作品はあると思う、この作品はそういう作品だと思う。