ErogameScape -エロゲー批評空間-

saisalyさんの姫狩りダンジョンマイスターの長文感想

ユーザー
saisaly
ゲーム
姫狩りダンジョンマイスター
ブランド
エウシュリー
得点
60
参照数
1093

一言コメント

ゲームの部分は言う事はないがシナリオに工夫欲しい 描写不足

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ラストもED曲が終わった後があっさりしすぎかな。

私はやりこみゲーマーじゃないのでやりこみ要素などでの評価はしません、お話を重視します。
CGの塗りがどうの、とか気にしない。エロが濃いとかネコミミがとかのキャラ属性、絵師や声優などそういうのよりも
お話、人物描写、過程、経緯、描写重視。
描写も違和感のある部分は感想で指摘しています。
ゲーム性のあるものはゲームバランスも意識しますがまずはお話、背景、人物、過程、経緯の描写。


あまり話の内容をネタバレしないように人物名はあまり書かない事にします。 何章で登場とかも避けます。
各ルートを攻略すると思うので文章は更に長くなると思います。

ネタバレ要素:全9章で完という事、あとはできるだけ避けてます。

★ここから感想。

この話で全9章は短い。戦闘する、お話が進む、という事であればあの戦闘数で展開するという流れになるので
1章につき4戦闘程度(戦闘が1回しかない章もある)で次のシナリオ段階に行ってしまうので
1章あたりの戦闘数を13くらいにした9章ならいいと思うが。 なかでも特別な章だけ戦闘回数が1回の章でも良いということにして。

もう一度書くがこの話で9章は短い。 あの戦闘回数で話が進むなら終章まですぐ着いてしまうので15章は欲しい。
展開が速いせいであのエルフと神官・・・。(お話進めた人はお察しでしょう)

戦闘がなければ6時間かからず終わりそう。

「そんなに戦いたくねぇよ、二週目だるくなる」という人のために
EXマップ以外の攻略済みマップ限定で戦闘スキップ機能を2週目からというのも考慮されてもいいと思う。
未経験マップは飛ばせないという事にして。

主人公側は情報もないので少しづつ手探りで進めていくのだが色々明らかになり、そして・・という展開ならもっと燃えた。
都合よく進むのが難点。 工夫が足りない。
主人公側が多分こうだろうという予想や方針を立てられない、情報0になる要所要所で
初期の章で登場する狂言回しの女魔法使いが主人公の目的のための情報を提供して道筋をお膳立てしてしまうのと
その情報提示に主人公が飛びつく展開が難。


王女ルートは終章攻略後に目的を遂げた主人公と王女が同じ画面で、王女と主人公の本来の姿の状態で
並んで登場、会話する一枚絵のCGがあったらいいなと思いました。同じ絵で並ぶ構図がないのはもったいない。


姫騎士も話の流れに深く関わらない役だったのはもったいないな。 専用ルートでは完全に壊れちゃったし・・。
勇者の血筋だそうだが花好き、戦闘が強く、自分の中の正義に忠実で王女を友と呼び魔族を憎んでいる。だけどそれだけ。
人物として善良だが最後まで頭が固く 変化しない人と変わっていく人との対比にはよかったが魅力的かというとね。
人となりがきちんと描写されたとは言いがたい。 あのままだとただの独りよがり。


後半の章で登場する2名、名前、絵まであるエルフと神官が空気。
登場が遅すぎた。 登場したけど快楽に負けただけってのはな。その後登場しなくなるので存在する意味がない。
登場前はどういう人物かと期待していただけに残念。
えろ見て洗脳してイベント戦闘を見る以外に存在意義がない。



エミリオと魔王がどういう人物なのかの描写が少ない。
エミリオ=体をとられる前の、と魔王時代(封印前)の描写が驚くほど描写がない。
(王女ルートでの段階)
設定上、登場人物は知ってるのかもしれないけど、作中でかなり速い段階で登場人物から語らせないと
プレイヤーにはわからんのよ。

そのため主人公がモテてる理由が・・・。?


上で書いたがシナリオのボリューム不足で描写不足が目立つ。すぐ進んで次の章に移る&描写が足りないから。
シナリオの見せ場を増やす要素は色々あったはず。 登場人物が少ないからかも。(過去作品では十数人登場し
思惑の入り乱れた展開やそれえぞれ違う立場や役回りで魅せてくれたのに。)

ラスボス、ラスボスに関わる存在に意外性を持たせる事と登場しても話の流れに関わらない立ち絵、イベントの多い
王国側人物の見せ場をもう少し増やす、主人公の魔王時代の過去の話を魔族コンビに語らせる、回想を用意する、
どういう流れで封じられたのかの詳細など封印にいたるまでの壮絶な戦い(有能な部下は皆倒されたというくらい
壮絶だったのだろうから)もっと描写できれば、ずいぶんとシナリオの幅と厚みが出たと思う。 
女魔法使いについてもエルフと神官についてももっと書けたはずだ。

だからそういう部分をEVENTで補完できたはずだけどEVENT自体少ないと感じた。
他のゲームの名前を出すなら、ランスクエストのようにというところかな。

◆捕獲
重要人物なら捕獲後に会話くらいできればね。(牢獄へ行く、みたいなコマンド)

◆洗脳
いや、2クリックで洗脳完了ってなんなんだよ。
「うわ、やめろ~!(私は絶対負けない!)」⇒「ヴォォ~ン・・ピンッ! (洗脳完了の効果音)」
「洗脳が完了しました、これ以降配下で使用できます~」 こんだけかいw

洗脳後、目つきが変わるだけで一言もせりふないし。イベント戦闘でもしゃべらないし。
キャラ別にきちんと洗脳中のシーンを描写するとかして欲しいね 洗脳に用いるアイテムだってキャラごとに違うんだし。
性魔術はあんだけきちんと描写してるんだからあの半分のテキスト量くらいには。
「生贄に捧げる」もあっさりしてるが具体的に描写するとグロテスクになるのであっちはあんなものか。

◆性魔術
描写は濃い。しかし重要人物へ実行した後は二度と登場しない。生かしておいているはずだけどその後どうなるんだろう。


気になった点

ユークリッド王国の描写もあまりない。 普段はどんな政治/外交なのか一端でも描写があればね。
終直前の章で描写不足が響いている。序盤で大臣役サブキャラでも出しておけばよかった。 温和な相談役の老人とか。
後半でシナリオ上の事件が起きたときに城内が描写されたがあの段階であれはないだろう。
大臣役のサブキャラがいないので「他国からの~」 誰が対応してんの?
(私は洗脳してないけど)あの王女は不在になったり洗脳したらまずいんじゃない、国内的に。
メイド二人では代わりができないポジションだしそういう意味で政治サブが作中に不在だといろいろ変になる。

開始直後で見る「かつて、戦いがあった」でのCGでの魔法使いは王女だけど後2名誰だろう。
彼ら、と書かれてるので1名は男性だろうけど。

王女ルート、メイドコンビが敵役に捕まってああなるまでの間、そしてマップに登場するまでの間の描写が欲しい。
周辺国も名前くらい出ても良かったんじゃないかな。 王女のシーン後に登場してその後いきなり戦闘MAPでああだもの。
その間はないの?



ゲーム部分は普通でプレイ。S&Lはしたほうだけどそれでも歯ごたえがあったし楽しめた。 漂着姫獲得後はバランス崩壊したが。
経験値稼ぎマップの利用と相性武器を把握すればなんとかやっていけますね。
戦闘に出したり下げたりを利用する事を心がけて。 魔術はすごく便利、というか便利すぎ。
何度でも使え範囲が自在。 今まで経験したSMLでもここまで便利なのはなかったかと。


話の幅を広げれば名作だったのに惜しいです。 シナリオ部分の不満は王女ルートプレイ段階でのもので
他ルートで何か語られれば感想が変化するかも。 姫騎士ルートについては予想通りの展開。
折れて悪墜ち。単純ですねー。

ゲーム性を評価して佳作という事でこの点数。 突込みどころ満載。王女ルートでこれだけ変だと思う部分がある。
他のルートもプレイしてみる気はあるが話の筋はさほど変わらないらしいし・・。