(GiveUp) これをクリアできる人間は、相当に試行錯誤が好きな人間だけだろう。
アドベンチャーパートは、基本的に作りは丁寧だと思う。
魅力的とは言わないまでも、十分なキャラクターが居て、過剰ではなく適当なレベルの演出があって、そしてテキストも読んでて悪くはない。
が、明らかに失敗しているところが、2カ所ある。
一つは「クリアするのに不可欠な要素である」、場所&キャラ&道具選びの画面だ。
これは救いようが無く、それこそ無数にある組み合わせを、前の会話だけで推測して選ばなければならない。
しかし、どうにも自分の感覚と、制作側の感覚がずれているようで、それがマッチングしない為に、無駄に日数が過ぎる結果になってしまう。
また、困ったことに、セーブ&ロードした場合に、過去ログが全て消滅する為、最早「適切な選択を行うヒントすら消滅」してしまう。
これが序盤であればいいが、それなりに話を進めた後にやってしまうと、プレイする意欲は完全に消滅する。
次に、話の取りかかりが最悪だ。
「カレ・カノ」の関係になりたいと言うのは勝手だが、引いた。
この時点で、もうやりたくなくなったのが正直なところで、無理して続けていただけ。
興味を持ちながらやっていたわけではないので、特にシナリオは面白いと思わなかった。
まぁ、ある程度シナリオを作ってみたら、シナリオに入り出す動機がなかったことに気づいて、急遽付け加えた結果、お粗末になったってところだろうが。
後、少しプレイすれば十分わかるはずことを書けば、音量が滅茶苦茶。
通常の台詞やBGMの音量は適切だが、「アイテムを手に入れたときに出てくる声や、起動直後の注意に流れる声の音量は、Windowsの設定を問答無用で無視している」。
このため、唐突に大きな音が出て、少々驚く部分がある。
結論を書けば、特にやるべき物ではない。
メーカーがパッチを用意して、場所やアイテムを選ぶ画面でヒントが出て、音声の問題を解消して、ついでにテキストを少々変更すれば、我慢強くない人でもやれるレベルにはなるだろう。
ただし、シナリオが全く持って大したことではなく、「ああ、結局この程度のことを、多大な労力を強いて、わざわざさせた訳ね」と思わないでもないので、それなりに覚悟が欲しい。