キャラを選択した後には一本道だが、シナリオが面白かった。
このゲームのポイントは、主人公が「無鉄砲」でも「馬鹿」でもないことだ。
そして「よく考える主人公」が居るからこそ、このゲームの面白さが成立している点を、強く主張しておきたい。
シナリオ構成力のないシナリオライターは、頻繁に「無鉄砲」で「馬鹿」な主人公を登場させ、呆れるほど単純な論理で話を進めようとする。
例えば「XXXXがあった」→「許せない」→「勝手に暴走」→「ピンチになって仲間が駆けつける」のパターンだ。
この時にあるのは、シナリオライターの頭の中では論理付けられていても、その論理を共有できないプレーヤーには、チープな話としか見えない。
しかし、このゲームはそのようなチープさが感じない。
主人公は明確に自分の主張を持っていて、自分の主張を通そうと努力する。
だがライターにとって簡単な、「力押しの馬鹿」とするのではなく、あくまで合理的で結果論を求めて行動を行う。
そしてその行動について、荒唐無稽ではあるが、その荒唐無稽さが良いと感じるバランスも優れている。
飽きさせない展開で、よく考えられたシナリオも文句はない。
非常に優れたゲームだ。