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oldreavesさんのむこうがわの礼節 ~知ることの礼節~の長文感想

ユーザー
oldreaves
ゲーム
むこうがわの礼節 ~知ることの礼節~
ブランド
Studio・Hommage(スタジオ・おま~じゅ)
得点
84
参照数
78

一言コメント

学問、政治、人間

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

プレイ時間:約1時間

「むこうがわの礼節」に引き続きプレイ

見ること/覗くこと(=真実を暴くこと)の暴力性、知ること・学ぶことと、教えること、教育することの割り切れない加害性と難しさ、シロクロがはっきり付くエンターテイメントに惹きつけられてしまう弱さ……たった1時間の物語に、これだけのものを、説明的になりすぎずに入れ込んでパッケージングする手腕が素晴らしい。同作者の「国」シリーズに通底していた思想の答え合わせ、楽屋裏的な趣もある。

やや「教育的」すぎるきらいもあるが、萌佳と文太郎のコンビの掛け合いは軽妙で心地よく、単なるマンスプレイニングなどにも陥らず、2人ともが学び合い教え合う良い関係を築けていたと思う。
「先生」の人生もまた……タイトル画面へと戻ってくる演出が沁みた。


そういや尋常小学校って「雪子の国」の雅子さんか幸子さんの過去編で出てきたような
※追記:「尋常小学校」って特定の学校名とかじゃなくて、当時の学校制度による小学校一般の名前なんですね。浅学にして『鼓草』をやっていて初めて知りました。