(GiveUp) タイトル通り砂糖菓子の様な甘さ。というか杏奈かわいすぎだろ…
共通やってるときは正直言ってつまらんかったけど、個別入ってからこの作品の真価に気付いた。
私はHOOK系列作品に対して、共通のぶっとび気味なノリが面白いというイメージを持っているのですが、本作はそのノリが全くと言っていいほど無かったです。何か淡々と進んでいく感じ。笑い要素は皆無といっていいです。はっきり言って共通はつまらない。
しかし、個別がまさにタイトル通り。「女の子の砂糖の様な甘い願い」。お菓子に砂糖をぶっかけたような激甘です。
この「甘さ」だが、いわゆるイチャラブの甘さとはまた違う甘さです。いや、イチャラブもするんですが。こうなんていうか乙女チックな少女漫画の様な甘さなんです。
どういうことかというと、本作のヒロイン達は「ロマンティックレシピ」という恋愛における理想のシチュエーションをそれぞれ持っています。例えば、「王子様からのお誘いを受けるお姫様になってみたい」だとか、「眠れる森の美女の様にキスで起こしてほしい」だとか。そういったヒロインの乙女チックな願いを叶えてあげる形でストーリーが展開します。そのため、内容がまさに「りぼん」とか「なかよし」みたいな少女漫画。主人公はヒロインの願いを叶える王子様の様な存在であり、そんな主人公にヒロイン達はベタ惚れというわけです。
ちなみに説明書には「ロマンティックレシピを叶えてあげることが物語上大きな鍵になります」的なことが書いてありますが、別に選択肢が用意されているとかそういうわけではありません。なんのことはない、個別に入れば願いを叶えてあげるように自動的にお話が進みます。これに関しては選択肢を設けた方が楽しかったとは思います。
あと、本作の特徴としては、「ガーリートーキング」というヒロイン視点がちょくちょく挿入されます。私はヒロイン側の心情描写が好きなので、これが大変気に入りました。ヒロインの主人公を思って悶々とする可愛らしい姿がこれによって目に見えるようにされています。どんなものかと例えると、「ましろ色シンフォニー」で愛理が「来週さん、来週さん~」とやるような感じ。ああいうヒロインの恋に悩むような姿が好きだという方にはうってつけの仕組みだと思います。
それでは、ここからは個別感想を。とはいっても、私がHOOK系列作品をやる場合の例に漏れず気に入ったヒロインしか攻略していないので、そこは勘弁してください。本作は胡桃と杏奈です。
<胡桃>
見た目通りのツンデレっ子。ツン多め。頑張り屋だけどドジっ子属性あり。
どこにでもいるツンデレっ子ですが、ツンデレスキーな私としては攻略せずにはいられない。特別良かったわけでもないが、悪いわけでもない、まあアリだなというのが感想。最後までは。
しかし、この子は最後の最後で私の逆鱗に大きく触れてしまった。本当にやらかしてくれたなあ。私はツンデレスキーといっても許せないものが一つある。それは「理不尽な我儘」である。いくらツンツンするからといって、自分の感情のままに理に適わない我儘を言って人に迷惑をかけるようであってはならない。他人に迷惑をかけないなんて人として当然のことです。素直な感情を出したいのにうまくいかずに内に抱え込んでしまい思い悩むところにツンデレの真の魅力があるのであり、感情のままに喚き散らすなんてツンデレの風上にも置けません。そんなのをみると正直イラっとします。
だから、最後に主人公がやるべきことがあったにもかかわらず構ってもらえないからといって泣き叫んで主人公を罵ったのは本当に頂けなかった。この子は駄目だなと一気に冷めました。
あと、CVはこれじゃない感が最後まで消えなかったです。本当に個人的な意見ですが、ロリ寄りのツンデレに青山ゆかりさんは合わないと思います。
<杏奈>
この子がいるだけで本作は価値がある。至高。
今までエロゲをプレイしていてこの子に似たキャラって記憶にないです。だから説明するのが結構難しい。脱力系でイタズラ好き、自分の興味外には無頓着で適当な言葉遣い、だけどその実友達想いな結構いい子。これだけみると「春ポコ」の桜に若干似ているかなと感じますが、この子はそれに小悪魔的な可愛さと乙女チックな一面がプラスされます。
恋愛なんて興味無さげな感じなのに、個別入ると「素敵なキスがしたい」と可愛い妄想を繰り広げます。付き合ってからは主人公が好きで好きでたまらなくなり、悶々としだします。部屋で一人きりの時に主人公のことを考えベッドの上をゴロゴロ転がる姿とかは乙女そのもの。主人公の前では才女らしくわかってやってますよ的に誘いをかけてくる言動が多いですが、たまに「キスで起こしてほしい」とか乙女チックな姿を見せてくる。そして、脱力系なので笑顔となることが少ないのですが、主人公にだけ見せる満面の笑みが本当に可愛い。
文章だけでは彼女の魅力を上手く表現することができなくてもどかしいですが、個人的には2011年作品のベストヒロインです。彼女を攻略できただけで本作を買った価値は十分にありました。ちなみに本作プレイ前は2011年ベストは「Strawberry Nauts」の橙子だったので、昨年のHOOKヒロインの強さは異常でした。
最後にまとめとして、二人しか攻略してない私が言うのもなんですが、女の子の少女漫画の様な乙女チックな妄想と恋に思い悩む姿を見たい方にはお勧めの一作です。ただ、共通はつまらないですよ。そこを求めてはいけませんよ。
世界観・雰囲気 12/15
シナリオ 17/25
キャラクター 11/15
サウンド 7/10
グラフィック 9/10
システム 4/5
個人的補正 9/20
総合 69/100