日常のつまらなさは確かに異常なほどですが、それで全スキップしてしまうにはあまりに惜しいものがシリアスパートに眠っていたりします
まず言っておきますが、日常パートのシナリオは救いようのないぐらいひどいです。
なんてったってつまらない。ギャグを連用するのにそのギャグがいちいち寒い。
そもそもがシリアスなノリで成功している会社なのになんでわざわざあんな寒いギャグに走ろうと思ったのか…。
しかも、あの絵です。シナリオの寒さをさらにレベルアップさせてくれます。
ですが、従来のシナリオの良さは健在です。むしろシリアスパートだけでいえば今までで一番良かったように思えます。
なんといっても、代表格はガーディでしょう。
一番好印象だったのは壊されたものをしっかり描き切っていたことです。
設定自体は、「誰もいなくなった都市を守り続けるロボット(=ガーディ」というほんとうにどこにでもある設定です。
この設定でもっとも大切なのは都市に対するガーディの愛情です。
「ガーディが壊れたおもちゃを不器用ながらも直そうとする」描写がありましたが、これがまさにそこに当たると思います。
「ガーディはこの都市が好きだった」とどれだけ言われるよりかもこのシンプルな動作が心に響きました。
もちろん、こんなの基礎的な事ですが、この基礎をおろそかにするライターのなんと多いことか…。
壊されたのはそれだけではありません。都市に住む人々の夢。
ガーディと一緒に冒険したいといったシックスアベンジャーズの夢も未来永劫叶わなくなってしまいます。
叶わないと分かっているのに、過去を、それも希望に満ちた風に見せつけられるもんですから余計に切なくなりました。
しかもその内容が「冒険にでたい!」というこれ以上にないぐらい希望に満ち溢れたものだから・・・。
しかも、シナリオの展開上彼らを倒さないといけないんですよねー。シックスアベンジャーズごめんよ。
子供たちを守ろうとした大人たちの思いも当然叶わないものになってしまいます。
で、ここまで破壊されたものを描き切ったあとでラスボスが出てきます。
なんと名前が「炉を食らう竜」。名前からして人類の敵です。
このボスは修正で雑魚になり下がってしまったんですが、以前の強さの方が良かったですねー。
それまでの展開で燃えてましたから、GAMEOVERになっても「なにくそっ!」と思って再戦してました。
戦闘はじまる直前の「こいつにだけは容赦はいらない!」というアベルのセリフも丁度その時の気分にフィットしてて良かったです。
そして、倒した後にガーディイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイとなる展開が待ってます。
ロリ殺し竜に何もかも壊されてしまい、一人になってしまっていても、皆ともに居たときに誓った「冒険に出たい!」いう夢はガーディのなかに残っていました
後は…わかるな?
ところで、このガーディを読むとぽっと出という印象を持つ人が多いようです。というか私も最初そう思いました。
しかし、よくよく考えてみれば、こいつは一章のなかに消えてしまうインスタントキャラなわけです。
普通のインスタントキャラであればぽっと出という印象を持つことはありません。それが当たり前なのですから。
それが、ぽっと出と思われたということはいつの間にやら私やその人々の中でガーディが主役級に格上げされていたということでしょう。
それだけでも、この部分のシナリオがいかに魅力的だったかが見て取れる気がします。
さて、セールスポイントはもう一つ。
ゲームが面白い!
いや、これはもう体験版でもやってくれればわかると思いますし皆書いてるのでので軽く。
まず、支援魔法の効果が絶大です。
(支援さえ使えば)MPにかなり余裕があり大技を使いまくることができます。
スキルはいくらでも振りなおし出来ますが、その分敵が強いので、使うスキルを考える楽しさがあります。
あとはいろいろ。
そういや、特筆すべき点がひとつだけありました。
【遊べたい時に遊べる】
この手のものってシナリオとゲームが複雑に交じり合って「軽く遊びたいんだけどシナリオ読まないと遊べない・・・」となりシナリオをスキップすることが多いのですが(私はバルドとかでその現象が起きました)
これは自分が望むタイミングでシナリオに入れますから遊びたいときには遊んでーシナリオ進めたくなったらシナリオ読んでーという風にある程度自由に進められます。
ほかのゲーム物もこの部分は激しく見習って欲しいところです。
で、残りは文句です。
・上にも書きましたが、ギャグが寒い!!!!!!
・OPの歌がすごいいいんですけど、出だしがいまいちなんですよね・・・。最初当たりは全部聞いたことが無かったのでなんだこれ・・・とおもってとばしてました。
・エロとシナリオとゲームの三位一体のナインテイルはどこに消えたんでしょう。今回エロは完全に空気でした。
・破の魔石でてこいー
・彩色はもっと精進しろ。何年前から変わってないんだ。白黒CG見て彩色の原因大きいって分かったんだからな。
・絵ももっと精進しろ。ピザ顔やめろ。目縮めろ。絵で損してるって言われない程度でいいのでどうにかなりませんかねー・・・。
・「天の光は恋の星」もそうでしたが、なんで今年のシナリオが期待できるゲーム物は本来の良さを失いライトな方向に走ったあげくシナリオが劣化しまうんでしょうねー・・・・・・
今年期待してたのが、この2作だった分ショックが大きいです。
もっとも「天の光は恋の星」ほど外れては居ないけれど・・・。
なんにせよ、九尾がもとにもどってくれることを期待しています。シリアスが確実に進化している分次はかなりの良作がくる!・・・といいですね・・・。どうせ2年後ですけど・・・。