君は知っているだろうか。 僕たちが暮らすこの世界の構造は思いのほかいい加減で複雑なものだったらしい。 フカンするノベルゲーム。『西暦2236年』 『哲学×SF×人の心』を描いた考察ゲー 「君は知っているだろうか」
君は知っているだろうか。
僕たちが暮らすこの世界の構造は思いのほかいい加減で複雑なものだったらしい。
フカンするノベルゲーム。『西暦2236年』
『哲学×SF×人の心』を描いた考察ゲー
「答え、見つけた?」
(前半はネタバレ無し、後半ネタバレありで)
演出×考察ゲー。
どのようなゲームなのかはOPを見てもらったほうが一番早いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=pCdbStCUqBw
(youtube)
面白い点、すごい点を挙げると本当にたくさん挙げられるが、
何よりもセンスがすごい。一見難しいと思われる哲学的テーマ
SFな設定を演出をいかんなく使って、自然と受け入れられるように
自分の中に入っていく。
ノベルゲームならではの、BGM、ムービー、テキストの3つを上手く
組み合わせ、どれも上手に緩急つけて魅せてくる演出で飽きが来ない。
「99通のメールが届いていた」
「……俺はまだこの気持ちをフォーマットしていない」
「問題です。さてこの二人が出会うことはあるでしょうか?」
「次元置換説」
「ウィトゲンシュタインの裏ですか?」
「どんなに恐怖を覚えても忘れてしまう愚かな存在です」
「語りえぬものについては沈黙しなければならない」
「褒めて欲しかったんですか?」
「私の声は届かない。届くべきではない」
「私の意味は?」「私は誰?」
「パラダイムロスト」
「私は愛を送り続けましょう」
「目に映るのは部屋とソファと、ロッキングチェアとバイオリンのケース……」
「そう、世界は至って正常だった」
「その夢叶えたいですか? いいえ 私はまずね、夢から醒めたいの」
「──意味のないデータの羅列が、意味を持ち始める」
「ひーん!」
「ところで皆さん18の階乗はご存じですか。」
「私が溶けていく、曖昧になっていく」
「答えは心の中に──」
「意味なしアリス」
「都合が良ければ誰でもいいんだ」
「ミスディレクション」
「愛してる」
「四角な三角形、三角形はこれからも永遠に」
「──あなたはテーブルを見ることができますか?」
「でも違う、今は疑り深くなくなったの」
「全てがここにある」
「全てが無意味で等価値」
「おかしさに気づけない」
「フカンしてごらんよ」
「絡み合う時間が、今ほどけていく……」
「過去と未来どちらが長いの?」
『──なるほど。』
『世界はこんなにも美しい。』
『君は答え、見つけた?』
時にはウィトゲンシュタインの探求といったなどの哲学やSF理論(オリジナル)を交えながら
人の心を見通していくフカンするノベルゲーム。
公式HPに体験版があるので、そちらをまずやってみるのもいいかもしれません。
難しい内容ではありますが、テキスト自体は読みやすく、飽きずに読み進めることができます。
同人だからこそできた作品、おすすめします。
以下ネタバレありで。
いや本当にすごい作品でした。
とりあえず、どこから書いていいのかわからないので、部分部分面白かった点を記憶保持がてら抜粋。
あらすじを書いていく感想のため、物語を抜粋、要約する感想です。
ご了承ください。
①共通(phase6 太陽嵐・ハルシオンの消滅まで)
西暦2236年で面白いと引き込まれたひとつの理由として
共通の時点で伏線的な心の動きや行動がいくつもちりば
められていたことでした。
それが後のルートに入ることで、心の奥底まで見ていく、
あの時のあの行動、心理状態はこういうことだったのかと
なるのが丁寧で面白い。
特に2週目をしていくとよりそう感じます。
(1)ヨツバ
>いつからひとりでいたいと思うようになったのだろう。
いつから誰かといるのが億劫になったのだろう。
みんなと一緒にいて心地よいと感じるとき、それは自分
がみんなより優れた何かがあると保証されている時だった。
>怖い。他人の中の自分が怖い
こいつらの目に、今自分はどのように写っているんだろう……。
どうしてこいつらとは繋がらないんだ。
他にも、シライシへの苛立ち、何もわかっていないという。
ルート1endに繋がるような心の動きが面白かった。
ヨツバの心の本質、言ってしまえば弱さが垣間見えました。
同時に、テレパシーが使えるからこその怖さというSFらしさもありました。
(2)ハルシオン
>私は誰??
私は私 でもそれじゃ答えになってない
私のことを私以外の言葉で説明してよ!!(ハル)
ハルシオンでは、後に説明されるハルとシオンの
自分の意味性についての弱さに困惑するシーンが
とても痛々しいものでした。
後半の話ではありますが、シオンが本当になりたかった面
ハルが表向きのなりたくなかった面と説明されるシーンに繋がりました。
ヨツバがシオンに話しかけるきっかけになったのでさえ、ハルがいない限り
可能性は低かったと考えるのは皮肉でしょうか。
①の感想
西暦2236年はフカンするゲームでありますが、 プレーヤー自身もフカンすることができるゲーム
であったと感じます。特に1週目を終えて、ハルシオンの抱える意味性、ヒメ先輩のハサミの衝動、
ヨツバが持つ トラウマ(?)を知った上で、また共通パートをする 面白いです。
そういったことを予測済みで、用意されているMEGANEパートだと思います。
作中にもあった「一度読んだ物語は上から見下ろす」からこそまた違った面白さがあると感じました。
(これは他の読み物 でも言えることではありますが)
個人的にもう一つ好きなシーンがあります。それはハルシオン が消えてからの1シーン。
この世界にいた証拠がどこにでもないという気づき。 マスコが「静かで広そうだから練習に最適ですね!」
ってことば今でも思い出してゾクゾクします。メールはただの記号にしかすぎずハルシオンの匂いはただの
バニラの匂いにしかすぎず。 観測者が一人しかいない時点で証拠にならない。
意味性を与えるのは自分しかいない。
②共通(アーカイヴまで)
(1)ヨツバ
>久しぶりのヒメ先輩。
少しドキドキしていた。
嬉しいけれど……素直に喜べない……。
俺はハルのためにここに来たのに……どうしてこんな気持ちになるのだろう。
──俺は期待していた
「何を考えているんだろう」と言いながら……期待していた……
だけどそんな自分を認めるのが本当に嫌で……嫌で……フォーマットしないようにしていた。
─だけどなんとなくわかっているのかもしれない。
フォーマットしたくないだけ。
フォーマットすれば曖昧さが消えてしまう。
よくわからなくて、曖昧で、柔らかいものを言葉という箱に詰め込んでしまうということだ。
だけど俺の方からは動けない。
俺が好きなのはハル・シオンだから。
そう思っているから。<
曖昧な気持ちをはっきりさせてしまうのって怖い。 そんなヨツバの曖昧のままにさせておきたい、
ハルシオン のことが本当に好きなままでいたいという 気持ち。この時点ですでにハルシオンの
ことをしっかり 見ていなかったのかもしれないと思いつつ。
こんなナイスバディーな人に言い寄られたら、青少年 だもの。仕方ないじゃない。とも思う。
曖昧なまま、他人との距離をはっきりさせないでおくのは
楽でいいと確かに思ます。
印象的な1シーンでした。
(2)ヒメ先輩
>アカシックフォーンを見つけることは先輩にとって夢なんですか?
少し返答に困るでしょうけど 夢 なんでしょうね。
たった一人だけの世界、自分しかいなかったけれど
その自分が保てなくなりそうだった。
目標というより 意味 ね。そしてここ(図書館)に逃げ付いた。
私を束ねる意味は 恐怖
恐怖から逃れ続けることで、私は私でいられる。
その夢叶えたいですか?
いいえ。
私はまずね、夢から醒めたいの。
どうして?
夢は夢である限りかなわないわ。夢は現実とは違うもの。
私たちがいるのは現実。夢と現実は違う位相にあるのよ。
現実は夢の影ですか?
同時に夢は現実の続きでもある。
ありがとうございます。
僕が聞きたかったのはその言葉だったんだと思います。<
ヒメ先輩は、自分の意味しているものを恐怖とすでに知っていて
それを知的探求によって対抗しよう(?)としていました。
また同時に、夢という存在についてもよく理解をしているようでした。
後述するヨツバルートにもつながるのですが。(ドクターCSも夢について
同じようなことを言っていましたね)
また自分を束ねる意味は恐怖。
この恐怖、ヨツバは後半あれだけのことがあって気づくわけですが
すでに悟っているヒメ先輩は賢い。たぶん。
ヨツバにとって、夢と現実の違いについて無自覚ながら受け入れる
1シーンでもあり、救いの言葉でもあったと思います。
(3)春紫苑(ハルシオン)
現実世界での心理世界について。
(TRUEルートの一部の考察に入ります)
>ハルは私が大嫌いだった私のことなんだ。
表面ばかり取り繕って、自分は悪者にならないように綺麗な言葉を使って、彼を傷つけて、
彼と正面から向き合おうとしない、笑ってごまかす。
好きと言われるのは気持ちがいいからもっと言って欲しいけど
自分がいうのはプライドが許さない。
弱いところは見せたくない。
でも、どこかで自分には価値があるとおもっているから
好きって言われたり誰かに良い人だと思ってもらえたりするのが気持ちいいの。
そうやって自尊心を満たしていた。
自分が大切だったんだ。
傷つきたくなかったんだ。
自分の価値を失うのが怖いから、
人と正面から向き合うのが怖いから、人を好きになることもない。
誰にでもいい顔するけど誰のことも好きじゃない、そんな嫌な自分。
自信がないんだよ。
誰か一人の期待に応える自信がない。
だからみんなに好かれようとする。
誰にでも好きになってもらえる偽りの自分を作る。
私はその中で気に入った人と仲良くすればいいやっていう、そんな馬鹿げたおはなし。
なに考えてるんだろう、本当に馬鹿。
自分のことばっかり。人の気持ちも考えられない馬鹿者。
こんな自分……嫌だった。
だけど私の心は弱いから……私は私の中のハルに自分を守ってもらい続けた。
……消えてしまえばいいのに。
そしてもうひとりシオン。
シオンこそ私がなりたい自分の理想の姿。
というか、ハルに守られていた、本当の自分の姿がシオンだったんだと思う
だけど本当の私は……人とどう接すればいいのかがわからなかった。
周りの人間がなにをかんがえているのかわからなかった。
私が思う 本当の私 は孤立していた
シオン「……私の声は……届かない」
「……届くべきではない」
(略)
わかったんだ。
何故だか、いつのまにか私はすべての人間に気に入られなきゃいけないと
思うようになっていたんだ。
不安だった。この世界に、ひとりだけ取り残されることに怯えていた。
だけど……だけどね、世界中の総ての人に気に入られるなんて無理だよ。
もしそんな人がいたら、私が気に入らないと思うもの。
そういうことを彼は教えてくれたのかもしれない。
彼は、私の声が届く人のひとりだったんじゃないかなって思う。
声が届く人、ちゃんといるんだ……。
救われたんだ。<
ハルシオンは、ハル・シオンの二面性を持つ少女でした。
ここでの告白の姿をしっかり覚えておきながら、TRUEルート(心理宇宙じゃない)
を見ていくと、また少しはハルシオンの姿も捉えながらみることができると思います。
確かに、TRUEではハルから「好き」って言葉を言わなかったり、節節にそう感じられる
1シーンがありました。
ヨツバは、TRUEのVHS1巻からのお話で、このハルの姿しかみることができていなか
ったと思われます。ハル自身もメールでは、このハルでしか文面を打つことができなか
った。無理に小文字を使ってまで。ヨツバはそんな小文字のメールも嫌という感情は
持っていたようでしたが。
ハルのことが嫌い、だけどハルでしか外に表すことができない。そんなハルにとっての
学園生活はどんなものだっただろうか。そんなハルにとって、メールですら、ハルでしか
表せられない。だからメールが嫌いだったのかとも思われます。
限界が来たヨツバに、さらにハルは追い詰められ。メールの文面は私じゃない。
最後には、ハルシオンは、自分が誰なのか、自分の意味すらわからなくなり。
こんなハルじゃないときにヨツバが来てしまって。
ミスディレクション。
意図的に、西暦2236年では、ハルに愛着を持たないようにハル視点を描写されてない
のである程度の推測も入ります。ただ、ヨツバがこのシオンの部分まで見てあげることが
できたのなら、というのは酷かもしれません。
自分の姿をしっかり見定めることすら、苦労することだと思います。
ただ、そういった意味での「しっかり見ていた?」もあるのかなーと思いつつ。
「……私の声は……届かない
……届くべきではない」
ハルとシオンが受け入れられた時のハルシオンはどれだけ嬉しかったのか。
ただそれでもうまくいきませんが。
1週目では、ハルシオン(TRUE)のとき、なんだこの女ってめんどくぇって思ったのは内緒ry
(4)マスコ
ここまでで、良いなぁって思ったのでマスコも書きます。(今後は出番なくなりますし)
それは、シライシとマスコが比較されるときでした。
図書館の検索スピードであったり、用語検索であったりが劣っているマスコ。ただ、シラ
イシに勝っている点がそれでもある!それがヨツバに伝えるとき。
シライシはまだ新品なので、人間に影響されていなく、あくまでロボットらしい。マスコの場合
ヨツバとずっと一緒のため、考え(論理式)に影響が出ていて、より人間らしくなっている。
だからこその秘書としての存在が際立っていて、マスコが本当に可愛かった。
ヒメ先輩に、知能を持っていると言われて喜んでいるところなんて特に可愛かった。
ただ、その後ロジックエラーが出てしまったのは、ロボットの限界を示唆しているのか。
もきねさんの、人工知能を主体にしたSF絶対に面白い。
読みたいなぁとちょっと思いました。
話は飛びますが、ハルシオン1巻(TRUE)の世界でも、マスコは常にヨツバのための存在で
ありました。
選択肢でマスコを選ぶと、早々にハルの考えを読み取りヨツバを諦めさせてgoodendになっ
たり、どこの世界でもマスコの存在はヨツバのそばにためにあると思え、ますますマスコが
可愛いです。
マスコが一番好きです。
②の感想
太陽嵐からアーカイヴまでの話は、ヒメ先輩のターン!でしたね。同時に、漫画チッ
クな表現から、神秘的な様子を表すムービーまで、緩急つけて魅せてくる表現はここ
のサークルの本領発揮ともいえ、ワクワクしました……。
漫画のシーンでは、全然大丈夫じゃねーwwwとも思いつつ。ソフトモヒカンなヨツバ
に笑いつつ。私は女優になりたいのを思い出すシーンですきでした。
③ルート1end
実はこちらの世界が心理宇宙だということが発覚し、現実世界のハルシオンに会いに行こ
うとするおはなし。心理世界では雪が降るのに雲がなく、虹は変な形をしていたり、背景
はピンクだったり、という、ノベルゲームでは違和感でもスルーしそうな点を突っ込んだの
がまた面白かった。言われてみれば、という点。
そしてハルシオンに会いにいくことを決めたヨツバ。そのために、心理宇宙内でのドッペ
ルゲンガーを探し出す。
その後は、ドッペルゲンガーに出会う中で自分自身を見つめ直す、いままでの様々な
キャラクターが登場しながらのやりとりに移ります。各ステップを踏みながら、ゆっくりと自
分を見つめ直していく。
エヴァンゲリオンを思い出します。
実際にヨツバの問答はとても身近に感じられるものでした。
最初楽しいと感じたことがいつの間にか、期待に応えられる楽しさにすり替わって。
周りの期待、という自分への期待にすり替わって。
誰も興味がないのに。自分が一番興味があるだけで。
この葛藤をSTEPを踏むごとにゆっくり染み渡るように問い直していくのが面白かった
ですよね。 特にSTEP2のムービーは、BGMとともにヨツバの葛藤がよく現れてて、
ただ魅せられて、見終わったあとには、「これはなんだ……すげぇ」ってなった記憶 が濃いです。
また夢という、様々な話のテーマになりがちの中で、一つの答えとしては、 夢からの線引きでした。
夢は見てはいけない。夢である限り叶わないから。
できないことをできないと認めることで、初めてできるようになることもある。
視界が開けるようになる、じゃあなにができるのかって。
『自分の姿を、しっかりと、間違わないように見てあげて』
そこにいるのがきっと あなた
ここの1シーンを初めて読んだ時「なるほど」という納得した感情になりまし
た。同時に、ウィトゲンシュタインの「「語りえぬものについては、沈黙しなければならな
い」という言葉が出てきたのも記憶にあります。
哲学の役割を見極め直して、「何が語り得ることであり、何が語りえないかを明確にすること」
夢と現実の線引きをすること。夢は夢であり、なにが自分のか、自分をしっかりと見つめ直すこと。
どうしてそれがしたいのか。そうすることが「嬉しい」から。
それが自然だから。 それが自分だから。
自分を 『意味』 するものはなんなのか。
まさしく自分を見つめ直す、自分をフカンするルートであったと思います。
③の感想
あらためて、エヴァ色の濃いルートだったなーという感想。
心象世界の様々な登場人物が出てくるところだったり、最後には祝福されるのは、
オマージュしているんだろうなと感じます。EDの祝福だったり。
ただエヴァよりも、わかりやすくすんなり入ってくるのはさすが。
ムービーの使いどころ、テキストの緩急も上手でした。
そしてEDの「ブラボー!!」っていうところから、一番最後の全てを茶番か
と思わせるような笑い声。一週目の時は、なんで笑ってるんだwwと思って いたけれど、
2週目になってわかるこの笑い声。茶番。
1週目のときは、最後自分自身を見つめ直したあと、ドキドキしました。やっとハルに会
えるんだと。こうして、「──まるで、何かがまた始まるような予感がした。」という言葉に は祝福しました。
2週目のときは、ただ虚しい。最後のEDの笑い声もなるほどと思わせてくる。
この周回したからこそ二度違った気持ち。なんというか、すごいなぁと思います。
この1週目に味わった感動を汚されていく、塗り替えられていく感じ。貴重なのかもしれないです。(M感)
④ヒメルート
(1)ヒメルート前半
ヒメ先輩ルートは、ヒメ先輩の壊れていく姿が痛々しかった。
知ることがヒメ先輩にとっての「嬉しさ」であり、知的探求に魅入られた彼女。
同時に、知りすぎたがゆえの自分の意味を見失っていく彼女、ヨツバに縋り付く
ヒメ先輩が、ただ哀しかったです。
同時に、このルートでは、哲学SFとしての本領発揮でもありました。
正三角形はずっと前から正三角形だし、これからも永遠に正三角形。
数学は生み出すものであり、発見するもの。時間の概念はない。
全ての曲があるということは、つまりすべての音の並びがあるということ。
全ての本があるということは、つまりすべての文字の並びがあるということ。
全てが無意味で等価値、が君にとっては意味や価値の違いがあるように感じられる。
それは、『アリス』が意味付したから。
君がそれに価値を感じるのは君が「嬉しい」と感じたから。
その「嬉しい」というのは、「アリス」が意味付したから。そういう風にヒトを作ったから。
ヒトは意味を通してでしか、物を『見る』ことができない。
そして何度も忘れて何度も同じ快楽を求め、何度も同じ恐怖を味わう。
そうすることで、自分の境界線を確認している。
だから、意味のわからないものは、動揺、畏怖の対象になる。
意味がわからない、から。
かけ算と現実の対応ができなかったとき。(シオン)
目に映るのは部屋とソファと、ロッキングチェアとバイオリンのケース……の違和感(ヨツバ)
この時にアリスがいたのだと。
アリスの存在、はっきりいうとよくわかんないです。
ただ、こうしたアリスという代替の存在を用いることでの、抱えるこの違和感だったりを
ゲシュタルト崩壊をさせていくように染み渡るように説明していくの、面白かったなと感じます。
言葉の意味について、ここらへんはウィトゲンシュタインの哲学探求あたりが絡んできているので
しょうか。自分は詳しくないのでわからないですが。
ただ、こういった言葉に意味を与えるという説明できないような神秘的な部分の代替にアリスという
存在を用いることで、わかりやすく読者にこの奇妙さを描いているのはすごいと思います。
もきねさんのセンスが溢れ出たところだと思います。
自分が自分でなくなっていくような、自分の境界線が曖昧になるような、大げさかもしれませんが、
そんな奇妙さを読んでいるこちらも感じられるような、意味なしアリスのお話でした。
ロボット論理式によって、決まったパターンで行動される。全てはデータ、無意味な数字の列。
でも、人間だって同じなのかもしれない。全ては同じ決まったパターン。無意味。
自分を意味するものがわからなくなって、アリスを見てしまって死んじゃう。
ここに関しては、次回作の『アリスとチョコミント』によってある程度はっきりするようになるのかな
と思いつつ。
ドクターCSとシュンとアリスの存在。気になるところです。
(2)ヒメ先輩ルート後半
ヒメ先輩、ますます壊れちゃう。
自分の意味を見失って、ヨツバにすがって。
その後の告白。
ヒメ先輩の殺したのは妹だったのか、それとも猫だったのか。気になるところです。
ヒメ先輩は妹だと主張しますが、記憶は嘘。猫だったと。長靴を履いた猫。
アリスの仕業でしょうか。現実の中にいるきみたちは現実にいることに気づけない。
心理宇宙では長靴の彼女。彼女の過去も気になるところです。
こうした中で、ヨツバにすがろうとする彼女。乱れる先輩。
ヨツバにとってはフローラルな香りの美しい先輩が。
ただの『肉の塊』にしか見えなくなる。
ヨツバにとってはヒメ先輩は憧れの『美しい』先輩だったがために、
そうではなくなった彼女に「意味」を見いだせなくなったのでしょうか。
そもそも、ヒメ先輩の姿の『美しさ』しか見れなかったヨツバにとって、
いまのヒメ先輩は醜く映ったのか。
本編前半では美しさを描いていた分、人間の愚かさ、醜さを描いていて
見ていて悲しくなるほどでした。
またヨツバも、ヒメ先輩を糾弾します。
>「だから……先輩が好きなのは俺じゃない
俺の意味なんですよ!!!
消極的で、流されやすくて、理性が弱いという俺の性質が好きなんですよ!!」
自分を抱いてくれるひと、自分に優しさをくれる人ならば誰でも良かった。
自分に優しい世界を求めるという、ヒメ先輩の弱さが吐露される印象的なシーンです。
(ヨツバからの現実をそのままに見たらという仮定ではありますが)
ただ同時にヨツバも、こんな自分を好きになるわけがない、という現れもあって、
自分という存在自体が好きになってくれるわけがないという弱さの現れでも感じます。
『美しい意味をもつ』理想の先輩を求めるがゆえの、先輩は『理想の意味をもつ』ヨツバ
を選んでいるに決まっている!という鏡の現れではないかとも感じます。
こうした中でのムービー。なにを表したものかは謎です。
ヒメ先輩にとって、相手を傷つけるということは、自分に恨みの矛先を向けることができる
ようにすることで、自分が一番傷つくということの現れでした。
相手の傷は愛しているからこその目印でもあり、憎悪の目印。
ハサミで相手の首を狩るということは、(死んじゃってますけどいやそういうことじゃないか)
相手が自分のことをいつまでも思ってくれるということでしょうか。
そういった意味で、ヨツバに自分が刺されることは本望であり、逆に自分で自分を刺すこと
に対して「ダメ」と止めたのかなと思ったり。推測です。
その後はアリスの意味付に対して前向きになります。
>アリスが綺麗って意味を与えてくれたんでしょう。
私がそれを綺麗だと感じるように意味付したのもアリスなのかもしれないけれど
でもね それでもこの気持ちは本物だと思うの
きれいだなって思うの
アリスはいいセンスの持ち主。
>AI、水路が嫌いだった
なぜなら本当の言葉じゃなかったから。
AIが嬉しいと喋ったとしても、嬉しさはそこに本当にあるの?
>私は面と向かって会話できる人間のことしか信用できなくなっちゃったんだわ
これもいわゆる アリスを見た ということになるのかしらね。
>でも今は違う。疑り深くなくなったわ。
いまそこに『嬉しい』と言ってくれる人が嬉しそうにしていたら
その人はきっと嬉しいんだなと思うようになったの。
これあなたのおかげよ ……忘れないで。
ヒメ先輩は、AIには本当の言葉の意味がない、だから嫌いだと。
本物の感情がそこにはない、だからそこから発せられる言葉でないと
受け入れらないというのがあったのではと思います。
だからこそ、意味なしアリスの存在で、自分も実は本物の感情からの
言葉ではなく、アリスによって意味付された、決められた感情であり
決められた感情であり、壊れたしまった。
自分が嫌っていたAIや水路の感情と同じじゃないかと。
ただ、アリスが意味付したとしても、『嬉しい』『美しい』という感情には
偽りはないのだと受け入れた先輩は、より美しくなったように感じます。
おびえる必要なんてなかった。
私が『美しい』と感じたものは『美しい』のだと。
ヒメ先輩の過去が気になるところであります。
もう一つの疑問点として、ここで2013年となったり、します。
ただ、アリスの存在を知っていたり、単に過去というわけではなさそう。
アスペクトを超えるということは、時間の概念もなく超えるということでしょうか。
ここは謎です。
最後にはヨツバはヒメ先輩を求め探します。
ここでいろんなアスペクト超えまくってます。たぶん。
先輩の問題がでます。ここで伏線回収なのが上手い。
どうしたら二人は追いつくことができるだろうか。
(蛇足:私は序盤のこの時マスコと同じ回答を思ってた記憶がよみがえります)
ヒントは
>「追いつけるはずがない」
「本当に?」
「出会わないことの証明はすべての場合で出会わないことを言わないといけないから大変」
「逆に出会うことの証明は、一つでも出会う例を挙げればいいだけ 簡単」
>「この世界でヒメ先輩の行けるところは有限だから、きっといつか見つけられるはずなんだ」
「俺が諦めなければ……いつか必ず……」
この推測が外れていたら恥ずかしいのであれですが。つまりこういうことなのかなと思いつつ。
あの他者を求めていた、ヨツバが自分からヒメ先輩を求めるようになる、ちょっとした感慨深い
ものがあります。ヒメ先輩に自分の道を委ねていた、自分の目標を彼女の操作に任せていた、
そのヨツバが、ヒメ先輩をただ美しい必要だからと求める姿はどこかかっこいいです。
>この世界はとても綺麗だ。
>こんな綺麗な世界にどうして汚い自分がいるのか。
>──それはね、あなたもまた、美しいからよ。
ヒメ先輩にとってヨツバのことを『美しい』と感じるからこそ『美しい』のであり。
ヨツバにとってヒメ先輩のことを『美しい』と感じるからこそ『好き』であり。
それは、「美しい」のが『好き』なのではなく、先輩のことが『美しい』から
ヨツバはヒメ先輩でないとダメなんだと。
『美しい』という意味が好きなのではなく、『美しい』という感情を起因させるのが
先輩しかいないから、先輩でないとダメだと。
アスペクトを超えて消える二人。
④ヒメルートの感想
ヒメルートって難しいです。
ただ、テーマが美しいというものなんですが、ルートで見てもすごい綺麗なんですよね。
美しい先輩が、アーカイヴによって崩壊しそうになるのを自分を保つためにヨツバに縋ろうと
する、あの醜く、退廃的で、そして哀れのあるシーンから、最後の美しい意味合いへ持っていく
『美しい』とは何かという感情を示唆するようなお話。
この流れが綺麗。中盤に挟む意味なしアリスも相まって、どこか神秘的で綺麗なんですよね。
確かに、TRUEに比べると難しくまたわかりにくくもあるけれど、一本でみると完成度が高い。
一番好きなルートと言われると、私はTRUEより、ヒメルートを選びそうです。
決して全部理解しきれてるとは言いませんけど、もしかしたら的外れな考察をしているかもです
が。
でもなんか好きです。ヒメルート。
⑤TRUE
四角い三角形のお話。
前半はハルシオンとヨツバがふつうにであっていたらのお話。
ここはすでに上記共通の、ハルシオンの独白についての感想で述べていますが、
ヨツバがハルだけしか見れなかった。シオンのことまで見れなかった。
だから、ハルシオンは自分が誰なのかわからなくなってしまい、ミスディレクション。
これも、ヨツバには酷な話だとは思いますが。
ミスディレクションって、アリスが見せた錯誤なんでしょうかね。
そっちのほうがアリスにとって面白いから。ヒメ先輩の猫と妹のように。
>彼女は本当に真面目で健気、道徳や責任を押し付けないように自分が率先してやる。
>自分がいつも悪者になる。
ハルシオンにとっては、それは他人に嫌われたくないから、どう接していいかわからないから
ゆえの姿であるのに、ヨツバにはそう見えてしまう。
『見え方』が違う。
ハルシオンにとってはメールはハルでしか表すことができない苦痛なもの(推測)
ヨツバにとってはメールは送ってすぐに返信してくれなかったら傷つくものだと。
『見え方』が違う。
ふとした瞬間に気に出すと止まらなくなる小さな傷。
100%を求めるからこそ、その姿に『恋愛』をしてしまう。
恋愛という感情に恋してしまう。
後半は、1ルートエンドの続きでした。
まさに1週目の感動を汚されていくような感覚。
『きみは知っているだろうか』
『何か始まる予感がした』
こうくれば、新しい幸せな生活が始まるのだろうと思わせておいてのこの
何度も何度もこの感情をレイプされる感じ。
本当に何とも言えない感情に襲われて、もうこの時の衝動は忘れられない……。
本当に残酷で。何度も何度もあの感動の場面を見せつけるのが本当に憎たらしい。
ただだからこその、無力感も同時に伝わってきて、シンクロが本当にすごかったなぁと
1週目は記憶してます。
このendの続きの場合、上記とは違って、ハルだけじゃなくてシオンのことも知っているは
ずなんですよね。シオンの存在を認めてこそだと思っていたのに。だからといって上手く
いくというわけではなく。
>なんかさ、向こうにいたときは私にとってヨツバは特別な存在だったしいろいろ良かっ
たんだけど、こうやって普通になると……普通な感じなんだよね。
この言葉、一番残酷です。悲劇のヒロイン(主役)だったからこそ、好きだったと。
ヨツバ自体のことが好きなのではなく、『アスペクト』が違うヨツバという『状況』に
恋していたのだと。『意味』性に恋していた。
すべての可能性を見て、すべての結末がうまくいかなくて。
ヒメ先輩を追い求めていたパターンの結論とは逆です。
フカンする。世界のすべてをみることができるここだからこそフカンする。
答えを見つけるために。(嬉しいこと、見つけなよ。)
嬉しいと思えるようになる答えを見つけるために。
シュンとヨツバの問答が始まります。
ハルが好きなのにうまくいかない。
ハルが飽きるから。なぜ?
ハルが嬉しくなくなるなら。
飽きる前はなにが好きだったのか?
ヨツバの与える劇的な状況が好きだったのだと。
君はハルシオンのことをちゃんと見ていた?
君のことを見てくれる誰か別の女の子を見ていたんじゃない。
ハル・シオンという女の子のことをもし君が誤りなくちゃんと見ることができていたなら
君がハル・シオンと添い遂げる世界を願うこともなかったはずだよ
そう 君は
『ハル・シオンを見ていなかった』
自分に優しい世界を与えてくれる彼女だけを見ていたのだと。
優しい『意味』を持たせてくれた彼女だけを見ていたのだと。
本当の彼女をみることができなかったのだと。
自分の意味すら見つめることが難しいのにとは思わないもないですが。
>恋愛をしているとき夢を見ている時には特別な高揚感があるんでしょう。
>それはヒトのもつ想像力を存分に働かせている瞬間じゃないかな。
恋愛、夢を見るときには、そこに意味をもって見る。その「もの」自体ではなく
そこから生み出す、意味を通して「もの」を見る。
だからこそその意味を通してでしかみることができない。
人間は愚かで無知。
意味に恋してしまう。
>恋愛はしちゃいけない、それは人を好きになるという現実とは違う行為ですから。
>夢は見ちゃいけなかった、夢は現実に存在しませんから。
>こういう部分です。ヒトの愚かなところ
(ドクターCS)
恋愛、夢、それらは現実の「嬉しい」という感情を生み出すものでなく、
意味を通してでしか見れない産物。
ただ、同時にヒトは想像すること、夢をみることをやめたときに意味を失うわけで、
難しいです。
⑤TRUE 感想
感想は上である程度書いてしまった感ありますが、なんとも残酷ですね……。
ヒメ先輩の問題における、「二人の出会わないパターンを探すにはすべての場合を
試すしかない」と言っておいて、すべてのパターンがダメだったという。
四角い三角形は図に書けない。
また、ハルシオンの視点が全然描かれないのも意図的でしょうが上手い。
ここで少しでもハルシオンに愛着を持ってしまったら、変に同情して、恋愛に恋する
事実からまた違った見方が出てきそうな気がします。
あくまで、ヨツバ視点から徹底することで、最後の決断に説得力を持たせる。
シンクロさせる。私の場合1週目はヨツバにシンクロして、あの決断にはシンクロした
記憶があります。
すべての可能性がうまくいかないことがわかった。
フカンすることで、彼女とは上手くいかないことがわかった。
だから、苦しい決断の末、彼女との決別を選んだ。
答えを見つけたね。
ただ、ここでヨツバはハルのことが好きじゃなかったかと言われると、私はハル自身の
ことは好きだったと思います。確かに恋愛に恋をしてしまっていたけれど、ただヨツバ
という性質をもつ彼では、ハルシオン自身をみることができない。意味をみることしかで
きない。ヒトは意味を通してでしかみることができないから。
そうじゃなきゃ9999年もかけて彼女との可能性をみつけようとまでできない。
そう思うと、シュンの質問はなかなかに残酷です。
ヒトは想像でしか意味を通してでしかみることができないのに、「君はちゃんと彼女のこと
を見ていた?」と質問するのだから。この見ることでさえ、全てがあるここでフカンすること
しか答えを見つけることはできないのに。
ただ、こうしたノベルゲーギャルゲーお馴染みのテンプレを壊してくるような、感情に恋する
という結論の結びつけ方、ある意味清々しくも感じました。
ギャルゲーにおける、各ヒロインのルートは、必ず『選択肢』によって、BADEND、ノーマルend
ハッピーエンド(ないものもありますが)によって分かれていて。
よくあるものでは、『可能性』があるからこそ、面白さがあるのに。0。完全な可能性の否定。
ただ、私はend1の、あの時の「いま」の幸せは同時に否定できないです。
TRUEで確かに結論は出たけれど、でもその過程にあった、end1の感情は確かにあったのだから。
決して意味がないわけではないと思いたい。その意味すら自分で決めるしかできない、のだけれど。
主観でしかないけれど。
過去と未来はないのだから。
⑥ヒメ先輩とハルシオンを比べて
ヒメ先輩とはうまくいって、ハルシオンとはどうして上手くいかなかったか。
相性が悪かったから。そうアリスが決めたから。
まぁそうなんですけど。
感情に恋をしたのか、その感情を生み出す彼女を好きになったのか。
『意味性』に恋したのか、その意味性を発する『彼女に』恋したのか。
この違いを二つのルートで対比して表現したかったのかなと思います。
ヒメ先輩の場合は、「美しい」に恋したのではなく、
ヒメ先輩(ヨツバ)が『美しい』と感じるからこそ、彼女(彼)を好きになった。
ヒメ先輩でなければ『嬉しい』とならないから。
美しいという『意味合い』に恋したのではなく、彼女自身に恋をした。
ハルシオンの場合は、ヨツバの置かれる状況に恋したから。
ハルシオンのハルの部分を見て楽しいから、恋した。
彼女自身に恋したわけではない。
その「意味合い」に恋をした。
ここを本テーマでは表現したかったのかなと推測します。
違うかもですけど。
感情をフォーマットする中でしかものが見れない。
意味を通してでしかものが見れない。
人間の愚かさであり、奇妙さを描いた作品であると思います。
同時にどこか神秘的でもあると思います。
こんなふうに作ったアリス。何を考えてヒトをこう作ったのか。
SOS!SOS! 教えてありす。
⑦私は女優になりたいの
ここからはさらに話がずれますが、もし私は女優になりたいのの女主人公の話だとしたら。
この壮大な話が実は彼女の作り話だとしたら。
さらに盛り上がりますよね。え?盛り上がらない?
私は女優になりたいの、で次はドッペルゲンガーの話作ろうか って出てきますしね。
シライシってあのシライシですしね。
いつかまたあの世界が崩壊し始めるときがくるんですかね。うーむ。
⑧総論
もう書く事あまりないんですけどね。なんというかもきねさんすげーよあんた。
(何様のつもりですかねごめんなさい)
ここまで作品に魅了されて、考察に考察加えて、2週目プレイしてこれだけ発見が
また生まれる作品、本当にすごい。
2週目を想定して作られたんだろうけど、2週目だからこそのギミック。
飽きさせない演出、テキストのセンス。
なによりも、難しいテーマなのにすんなり自分の中で入ってくるこのセンス。
本当に面白かった。
3週間弱、西暦2236年に魅せられた時間でした。
素晴らしい作品をありがとう。
アリスとチョコミント 待ってます。
マスコください。
ありがとうございました。
※すいません「アリスかチョコミント」でした。
訂正します。申し訳ありません。
本物の『好き』ってなんなんでしょうね。
相手のことを真に見ることでしょうか。
感情に溺れず、『あなた』を見ることでしょうか。
相手の気持ちなんてわからないから、自分が『好き』なら
相手も『好き』なはずと信じ続けることでしょうか。
恋愛をせず、好きになる。 恋愛に好という文字はないのだから。