気軽な気持ちでプレイし始めたつもりが、いつのまにか70時間ものめり込んでいた。 RPGでありながら育成シミュレーションの要素も強く、多要素であるが完成され尽くしている。 いわゆる「ゆるい」雰囲気の作品なのだが、「究極」と形容したいぐらいには緻密なゲーム設計がなされている。 なによりキャラクターが……キャラクターが良いんだ、これがまた……!!!
ざくアクをプレイできる層はかなり広いだろう。
①RPGが苦手な人でも楽しめる
プレイし始めはゆるやかに、説明が丁寧なRPGぐらいだと思っていた。
けれども、その説明がものすごく丁寧でゲームシステムにすぐ適応できる。
「どこへ行くのか」「なにをすればいいのか」で迷うこともなく、また行き先を過度に強制させられることもない。
倒せないボスがいたら、推奨レベルから大幅にレベルを上げれば倒せる。
手応えある戦いをしたい人は、推奨レベル以下で戦う。
得意な人でも苦手な人でも楽しめる作りになっています。
②育成ゲーが苦手な人でも楽しめる
35キャラ以上もいたら育成めんどくさい。
普通はそうなるはずなんだけど、ざくアクは「めんどくさい」 と一切なりません。
道場システムというのがあって、使用しているキャラクター以外のレベルも上がってゆきます。
けれども、長く使用しているキャラクターの方がレベルは高く、こういうところで差別化をしています。
育成ゲーが好きな人も苦手な人でも満足する設計です。
③ 勿体無い病な人でも楽しめる
かなり革新的だなと思った点です。
本作ではドーピングアイテムや技覚えアイテムがいくつかあるのですが、普通に拾うだけで手に入ります。
ほんの一部は例外あるんですけど、大体はいくらでも手に入るんですよ。
つまり勿体無い病が発症しない。どんどん使える。それが楽しい。
お気に入りのキャラにアイテムをつぎ込んで、自分だけの最強キャラづくりができます。
本来ならゲームバランスが崩れるんですが、「推奨レベル」という縛りをしている場合はドーピングしてもそう簡単じゃありません。
④ ゲーム性だけのゲームが苦手な人でも楽しめる
これ、自分なんですけどね。
ストーリーあります。キャラクターが魅力的です。
ゲーム性だけだとやったあとの満足感が結構薄かったりするのですが、本作はそういうことがありません。
結構ジーンとくるシーンが多くて、2・3章は話として普通に面白かった。
最終章は少し「ん……」となったけど、最後の最後でボロ泣きしました。
なによりゲーム性の部分として絡んでくる数々のイベントがキャラクターの魅力を引き立てるものだから、やってて楽しいんですよ。
いろんなところに色んなキャラクターが絡んでくる。だから愛着が持てるし面白い。
⑤ 借り物素材ゲーが苦手な人でも楽しめる
これも自分です。 敵キャラグラフィックはまだしも、使用キャラまでもがツクール付属のものだったりするとやる気が無くなってしまいます。
なぜなら、他の作品と被ってキャラクターに感情移入できないからです。
だかららんだむダンジョンの方はやっていないのですが……なんとざくざくアクターズは35名近いキャラクターを全部作者様が描かれています。
しかも、絵を描き始めたのがざくアクからっていうもんで、これ凄いことですよ……。
後半の絵とか普通に上手いし可愛いし……。
⑥だいたい途中で倒れても無駄にならない
ここも大きいです。
セーブをいちいちするのはめんどくさいのが理由でかもしれませんが、セーブ場所は限定されています。
じゃあ途中で死んだりしたらそれまでに拾ったレアアイテムとか無駄にならない? と思うでしょう。
けれどもストーリーの中核部分は除いて、だいたいは途中で倒れてもそれまでの経験値やドロップが無駄になりません。
どのみちストーリー部分では大きなレアアイテムもないので問題ないんですよ。やり込み向けダンジョンでレアアイテムが多く出現し、そこでは途中で死んでも一切問題ない。
トライアンドエラーを、プレイヤー自身でやるのではなくゲームの設計として組み込んでいるのが配慮が行き届いていることがわかります。
このようにゲーム性に関する部分で言うと絶賛しか出来ません。
自分がこれまでにプレイしたRPGやSRPGやアクションやらなにやら……ゲーム性のあるゲームを振り返ってこれほどまでに完成され尽くしたゲームデザインを見たことがありません。
自分の満足度換算が絶対評価であれば95以上だと思います。それほどに長時間プレイしていても「苦しい」と思うことがなかった。
ちょっとでいいんです。ちょっとやってみてその「ゆるい」雰囲気で「ふふっ」ってなったらもう取り込まれてるはずです。
その雰囲気で「イラッ」と来る人は向いてないかもしれません。けれどもそうでなければ大体の人はハマってしまうのではないでしょうか。
※追記
水着イベントがかなり良かったので+2加点。
続編作ってそれまでのキャラを下げるどころか株あげまくるのって、なかなか出来ることじゃない。