ひとりのクオリアの対となる作品。点数は百合描写を考慮したものです。シナリオはひとりが一応の落とし所を設けたのに対してこちらはかなり問題や疑問を残したまま終わりました。クロスクオリアは百合を楽しむ作品として購入したので、点数はふたりの方が高いです。
ひとりのクオリアのヒロインはどちらも一人よがりな所がありました。そのためかすれ違いと和解を繰り返す展開が多く、恋人というよりも友達という言葉が相応しい関係でしたね。ふたりのクオリアのヒロインはもうこれ完全に恋人ですw(というか新婚さん?)ナツメがギンザの事を考えて「ああでもないこうでもない」悩んでいる所なんて恋する乙女そのものですし、ギンザの「こうすればナツメが喜ぶだろう!」みたいな思い切りの良さは王子様ッて感じですね~。ニヤニヤが止まりませんでした。日常会話もギンザが攻めてナツメが守る類のじゃれ合いが多くて可愛かったです。本編でも「似たもの同士」と称していたように攻守はあってもお互いの事を深く考えているのが伝わってきます。この辺りの丁寧な描写は流石です。
左右の世界の演出もなかなか面白かったのですが、結局片方の世界に収束してしまうのがなぁ。ADVなのだから、積極的に選択肢として盛り込んでいったら変化があって楽しめたかも。大詰めの左右の世界なんかは選択肢を設けてギンザを引き留められないENDがあったり、保留することでギンザに左右の世界に気付いてもらうような展開があっても良かったのでは?
CVに関しては大満足で、中性的で深みのある声のギンザは勿論、ナツメがはまり役でした。北見六花さんの大人しめのウィスパーボイスが繊細なナツメのキャラにピッタリで、いいキャスティングだと思いました。
物語としては非常に中途半端ですが、百合目的ならば価格に見合った満足くらいは得られるかと。続編が発売されれば、投げっぱなし伏線もきちんと回収されそうですしね(クロスクオリアが発売されるまでの経緯を考えると続編が仕上がるのが何時になるか分かったもんじゃないですが)