バレを見ず、SNS疲れを感じている方にこそプレイしていただきたい。
核心的な事柄は伏せておくつもりだが、以下はネタバレになる可能性があるので、プレイ前は見ない方が良い。
最後までプレイするとわかるが、これはいつ誰にネタバレされてもおかしくはない。
SNS社会に対するアンチテーゼ作品ともいえるが、この作品全てがそれを体現しているといっても過言ではない。
↓↓↓ 注意
まず、物語の構造が良い。
借金のカタに手伝わされるかと思えば、意味深な6つの提示。
この時点で目的と終わりを予想させ、結末を示唆している。
巻き込まれるまま第1の事件、第2の事件、第3の事件と進んでいくこともだが、各話ごとのEDが良い。
このEDで盛り上がるサビの部分が、まさかそんなこと…!? のような驚きの部分で、次への期待を膨らませる。
各話EDが流れるエピローグでその後の話やSNSの出来事について語られるのだが、今の時代ならではのネットリテラシーの低さをこれでもかと表現してきた。
主人公が純粋だからこそ不特定多数の無責任な害意が刺さり、注目されるためもとい、承認欲求や反応のためになんでもやる正義の一般人がとても表現されていた。
写真を勝手に撮るなと言っても撮ってSNSに上げる輩。
そういう人は晒された人がどんな目に合うかなど関係なく、ただ反応がもらえればよいと思っている。
面白そうだからと他人を動画配信してSNSに晒す輩。
ただ自分の動画が注目されることを考え、他人を道具にしか見ていない。
4話にいたっては買取の販売だ。
田舎の家から勝手にモノを買取、転売することで利益を出したりする転売ヤーのような輩が取り上げられていた。
最初にSNS社会に対するアンチテーゼ作品といったが、それは5話・6話にも関わってくる。
誰しもが身に覚えがあるだろう出来事と、それをフィクションまたはノンフィクションに思えるよう表現する手腕。
最後の演出も相棒が変わるというワクワクする展開で、普段とは違う最終局面ということを示唆してくる。
そしてラスト。
思わず声を上げたくなるほどの衝撃にはなかなか出会えないだろう。
どんな展開かは見届けてほしい。
余談:
各話のエピソードは自身の実体験で思うこともあり刺さった。
1話:SNSの某DMによる炎上。または身に覚えのないことでSNSの悪意に晒された経験
2話:オフ会で勝手に写真&ネット晒され
4話:実家での出張買取業者。最悪な対応でクレーム入れるほど。
などなど。
他では都市伝説や洒落にならないほど怖い話にハマっていた頃もあり、馴染み深いエピソードばかりでとても楽しめた。