里沙が良キャラすぎてわんこが見えない
「わんことくらそう」という、人の形をした犬との共同生活を中心としたストーリーですが、そんなわんこ達には脇目も振らずに、人間の里沙だけを褒めちぎりたい。
何が良かったって言うと、主人公と婚約する場面での里沙と主人公の思いのやり取りが良かったです。人を愛することが出来ない主人公のことを好きになってしまった里沙。しかし、人を愛せない主人公でしたが、料理上手な里沙の健康的なご飯に魅了され、いつの間にか胃袋をがっちり掴まれています。そして、里沙(の料理)がないと生きていけないと悟った主人公は、次第に心も移ろって行くのです…。
ここで、は?どこがいいキャラなんだ?って思うかもしれません。僕自身、上記を書いただけだと何が良かったのか分からなくなってしまいそうでした。
でも、こんな過程で結婚に至っちゃうのがいいなぁと思えるような内容だったんですよね。元々、里沙と主人公はわんこを通して同棲していたために仲も良かったですし、既に夫婦のような関係だったからなのかもしれません。しかし、仲は良かったが停滞していた。その関係を一歩超えるために、"おいしい料理"が鍵となった。なんだか、間抜けな話なように思えるかもしれませんが、家庭的で料理ができる女性の魅力を、まさかゲームで知ることになるとは思いもしなかったので、そこが一番僕が里沙を良キャラだと思う所以かもしれません。
最初の方に、主人公は人を愛することができないのだと書いてしまいましたが、主人公は恋をすることができなかった、といった方が正しそうですね。育ちの環境が、水商売のお姉さんに拾われたっていう境遇もあるせいか、その感性にも納得がいっています。ただ、単純に恋ができないから愛を知ることができないというのは逃げである、ということを示してくれたのが僕にとっては大きかったです。「恋人が夫婦へと移行すると、恋心は薄れる」という文がゲーム内にあったと思います。どうせ恋心が薄れてしまうのならば、一気に夫婦になっても同じだよね?みたいなとんでも理論が出ていましたが、今ならば一つの過程としていいなぁと思えます。そんな主人公を救い、共に生きていく里沙というキャラクターが印象に残りました。
最後に、胃袋でハートを掴め!は割りとガチかもしれません。
あと、わんこではなく猫のクゥが最かわでした。