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keikegoさんのCROSS†CHANNELの長文感想

ユーザー
keikego
ゲーム
CROSS†CHANNEL
ブランド
FlyingShine
得点
94
参照数
265

一言コメント

B世界について

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

3度目のプレイで88点から94点に訂正しました。
B世界について色々と思うところがあったので、自分なりに考察しました。


B世界の存在はあまりに不自然で現実味が無いです。
どう分岐したらあんな世界になるのか?

商店の存在や、美希と知り合っている事、7人(部員)がみんな太一に殺されていることから、元々の設定はA世界と変わらないのではないか?と考えます。


結論から言うとB世界って太一の妄想だったんじゃないかな~と。
B世界はいくらなんでも都合が良すぎます。
誰もいない世界、やり直しが効く世界。

A世界での人間関係の崩壊。
そこからB世界(この時はただの妄想)が始まったんでは無いかと。

現実は上手くいかないから。
私達がゲーム(非現実的な何か)に救いを求めるよう、太一は太一に取って良い世界を描こうとしたんだと思います。無意識化に。
そして自我の分裂。
妄想世界にいる太一は、A世界の太一と同一でいて別個。
辿りつく結果として、世界の選択権があるB世界は神隠しが起った。
人がいなくなれば自分を保てる。
でも、人が減れば減るほど自分の理性を保つものも理由も無くなって来る。
確実にみんないなくなるんです。
それなら狂っても変わり無い。理性を解放しても何も変わらない。
(また、この世界は太一の理解している範囲しか機能しない。原発にいけない等)


対するA世界太一は、自分の意思で世界を変えることの出来ない普通の人間。
必死に取り繕って、理性を被って、選択出来る中の最善を目指して、合宿を強行。
結果、より取り返しのつかない関係に悪化しました。
やっぱり一人が良いと判断。
そして狂っても、失敗しても、何をしても取り返しのつく自分に優しい世界を願う
この時にB世界を観測。
独立された妄想は観測された事で世界に認識され、平行世界の一つとして成立する。
たしか量子力学では観測者がいれば平行世界へ移動できるんでしたよね。
と言うより、その世界が居る世界になって、元の世界も観測できなければ戻ることが出来ない。

人のぬくもりに飢えている太一は、部員7人をその瞬間に観測してしまう。
それでもCROSS(交差)したいから。


すべてを失ったB世界太一に対し、A世界太一にはB世界が残ってるってのもかなり皮肉。
メインプレイヤーはA世界の太一だから、どうしてもB世界の太一は報われない。
そう思った文賞は友達の塔から。


――――――――――――――――――――――――――――――


その瞬間、何かが起こった。
何者かが、あるいは偶然という神が、二枚の紙を重ねて画鋲で射止めた。
すると8つの気配が出現した。
瞬間的に、俺は気配を断つ。
本能だ。
8つの気配。
いや・・・・ありえない。
気配を具現するなんて器用なことはできない。
観念の虚像ならともかく。

太一「ううう・・・ううぅぅぅ・・・・」

山をおりる。
早足に。
すべてがイッちゃってる。
俺のための確かなものは何もない。
もう気配は探るまい。
こわいよ。
こわいんだ。

(中略)


人でなければ何なのか?
神?
そんな陳腐なことを、誰が言えるのだ。
神とは現象だ。
だから俺は現象なのかもしれない。



――――――――――――――――――――――――――――――


救われないですね・・・・・多分流れ的に気付いたんじゃないかなと考えます。自分が虚像だって事に。正確にはオリジナルが来たことにより虚像になったことに。

でも・・・・私はそんな救われなさが大好きだっ!!






ループは後付かと思います。
多分太一がB世界に入った時に付け加えられた世界の設定。



B世界に突入する前から七香が居た理由。
やはり七香は霊的な存在では無く太一の妄想だったということかと。



B太一の死体だけが残ることについても上記の理由から。
元々は太一の無自覚の意識から作り上げた妄想世界だから。


七人を観測してしまったことによりA太一にとってはB世界が部員と接するための世界となり、七人と交差するための世界になった。
だから七人を送り返した後CROSS POINTを過ぎてしまったのではないかと思います


七人の幽霊がいなくなった事。
人間になれた太一が放送をすることで、一方的にでも他人と触れ合う事で、初めて人間というものを理解し自分なりの答えを出し切った時に、世界が正常(この場合正常と言えるかわからんが)に戻った、若しくは消滅したのではないでしょうか。
※ラストのセミの声から



ループも神隠しも太一には不要なもの。

正常に戻っても誰もいないかもしれない。
神隠しにあった人達が太一の殺した七人を除いて戻ったのかもしれない。(この場合幽霊の言葉も納得出来る)
若しくは七人が曜子ちゃんの言うところの現象として新しく入れ替わって、誰一人不足の無い世界になったのかもしれない。

ただ送還したA世界の7人では無いことだけは確かで。
B世界の形が、通常の世界の形に近づいたのではないかと思います。

それでも太一は放送し続けるのではないでしょうか。
彼ら彼女らと交差する為に。



そんなことを言いながらも世界消滅説が私の中では一番有力なんですが……夢、見たいじゃないですか(泣)