まさにエロゲーの「Prima Stella(一番星)」と言えよう。アトリエかぐやの真骨頂。斜め上の展開も冗長な表現もツンだかデレだか分からないようなキャラクターも存在しない。“ユーザーのささやかな夢を叶えてくれる”作品。流行の言葉で表現すれば「癒し系エロゲー」と呼ぶのが適切だろう。
日本の朝の食卓には、ご飯と味噌汁が最適である。
たまにはパンやシリアルを食べたいと思うこともあるだろう。
だが、あの白米のほかほかとした暖かさと、味噌汁をすすった時の胃の中に流れ込む温もり、そして、トントントンと小気味よくまな板を叩く包丁の音。
これらこそ日本の朝の原風景であり、他の何者にも替え難い定番であろう。
最近、この定番を忘れ、奇抜に走る作品が多すぎないだろうか?
定番に飽きた時にはそれもいいだろう。
だが、どうしても奇抜は当たり外れが激しい。
個人的に、ツンデレにはあまり興味がないのである。
「涼宮ハルヒ」以後、ツンデレこそが萌え系コンテンツの本流などといった状態になっているが、私には理解できない。
清楚で、可憐で、健気で、純情な、大和撫子。
これこそが、萌えの定番ではないのだろうか。
ゆえに、私的ナンバーワンの萌えキャラクターを挙げるならば、迷うことなく、「ウィズ アニバーサリー」のローラを一押しする。
一応年上キャラであるがそれを笠に着たりはしない。天然系で大人しいお嬢様で、可憐な容姿と甘々なヴォイスは他の追随を許さない。
ただ、「ウィズ アニバーサリー」本編では余計な設定の為に不完全燃焼となってしまったことが非常に悔やまれるが、それを補って余りある萌え度なのである。
そして、それに匹敵するほどの可憐さをまとったお嬢様が、本作の東方院静歌なのだと言えば、どれほどの萌え度であるのかをお分かりいただけることだろう。
今更、基本情報に触れるまでもないとは思うが、
CGはchoco chip氏のハイレベルな萌え。
声優はみるさんを始め申し分ない布陣。
シナリオも意外と悪くない。
部活に燃える主人公というのはやはり見ていて気持ちが良い。
というか、静歌の立ち絵とみるさんのヴォイスを鑑賞しているだけですでにおなか一杯である。
これにHシーンをたっぷりと上乗せしてくれると言うのだから、本当に至れり尽くせりとしか言いようがない。
製作陣に敬意を表したい。