単純に難しいだけでなくしっかりとメッセージ性のある考察する価値があるゲーム 2週目したい
MYTH
シナリオによって創られた本の中の世界。
影の存在を否定して終わりに向かう世界で、共存を図るために影のない世界へ向けた誇示。
奏(綺姫)・悧里=エインヘリャル
命人(影なし)=特別な存在
本の中に3人だけ存在する純粋な人間、という設定。
終末(ラグナロク)に備え、オーディンによって影との共存を誇示する世界に選ばれ、ヴァルキリーによって並行世界から転移させられた者、という設定。
MYTHではシナリオに沿って動かされるが、同時に自身の意思も持つ。
アースガルド=物語の作者が住む世界(上層)
オーディン(市井悠爾)=本作の物語を描く作者
ヴァルキリー(梓門)=エインヘリヤルをMYTHへと導く役割
影の世界に入ると記憶を失い、10ページ(10日)までに真実の記憶を思い出し、20ページ(20日)の間に影との共存を実現しなければならない。
失敗した場合は書き直しとなり、成功するまで物語は繰り返される。
アースガルドの規律により、作者であるヴァルキリーは10日辺りに死んで物語を退場する。
・Episode1(1週目)
奏とヒビキの行動に命人は人間らしい感情を覚える。
11日目に梓門が死亡、ヒビキが消滅し、さらに12日目に奏が死亡。
錯乱した後に正気を取り戻し、悧里に本来の自分達が死んでいること、MYTHが終末(ラグナロク)に達する事で魂が肉体に還されることを聞く。
MYTHという世界に向き合い、変わることを決意するも、主人公である田辺命人の存在の強さに対してその意思である自身の無力さを痛感する。
最終日、悧里はヒビキ失踪の真実に気付くが死亡。
命人はノートに情報を残し、次回の自分へと望みを繋ぐ。
・Episode2(2週目a)MYTHの本流世界
ヒビキは10日の夜に梓門が命人に言った台詞を聞き、自我を取り戻して響となっていたことがわかる。
父への愛を身体の関係に求め、妊娠をきっかけにそれが失われたことで狂っていった琴美。
産まれた娘の響への愛情は皆無。
父の浮気を知った琴美は自身を正当化し、独占欲から殺害している。
一方、ゆにに出会った命人らは村を追放されたゆにの母親の存在を知る。
ゆにの母親は梓門の母親でもあり、訪れた母親を梓門共々追放に追い込もうとする村長。それが村の秩序を守るための建前での行動だと知り、命人は2人を解放する役目を全うする。
母親の正体は市井諒子で、未来(現実世界)に生きる存在。
ゆに(オーディン)と梓門(ヴァルキリー)の母ということで、後にオーディンが自身の創造主である市井諒子を母としていたことがわかる。
最後は命人「一人称:僕」に刺されて意識を失って終わる。
オーディンの差し金でヴァーサーカーは影の世界へ向かい、ロキ・響・命人の殺害を実行しようとするが達成されず、ロキによって半現実世界に存在転移される。
・another episode
いじめられっ子だった悧里がアグニより世界傍観を定められていた少女に出会う。
綺姫と名付けられた少女はその出会いで人間の心を持つ。
綺姫はずっと一緒にいようと言ってくれた悧里との未来を超力で観測し、綺姫の両親に超力を制御する鏡を奪われて虐待を受け、殺害してしまう場面を悧里に目撃される未来を知る。
綺姫は悧里に殺される為に自身の髪飾りを譲渡して超力者の運命を与え、海へ。
「運命の先」で再び此処にくることを約束する。
無夢を師に統治者となった悧里は、その力で綺姫身に起こっていた真実を知り、綺姫を殺すという運命を回避。
しかし、綺姫への復讐という目的を失った悧里は、インシ=悪として殺人を繰り返す冷鬼となり、能力が消えて罪人になる。
処刑の場で綺姫に庇われ、約束を思い出した悧里は約束の海へ。
あと一歩で命が尽き果てそうになったところでヴァルキリーに迎えられる。
・Episode2(2週目b)
現世で彼女だった友里がユリとしてMYTHの世界に登場。
タトゥーにより自我を保ったユリがノートを守ったことでシナリオの本流から逃れる。
それにより、梓門(ヴァルキリー)は早々に正体を現して離脱。
MYTHの自律の影響で自我を保った状態の綺姫と悧里とも合流し、舞台は命人が亡くなったとされる2002年の東京へと変わる(悠爾が産まれた年でもある)。
命人の両親の会社で働く従業員・市井諒子と命人「一人称:俺」を親に誕生。
市井諒子は1週間後に命人「一人称:俺」と悠爾と共にMYTHの自律世界から影の世界へ旅立っている。
その後、年月を重ねてゆにとその母親として影の世界へ留まっている
友里が亡くなったとされるのは現実世界の2016年であり、年は32歳。
2016年時点でのゆには14歳で、ヒイロの後輩であり、市井諒子の弟にあたる江戸川の姪として、お見舞いに現れている。
MYTHの本流世界(作者:オーディン)
命人「一人称:俺」(オーディンによって新たに作られた命人)
MYTHの自律世界
命人「一人称:僕」ノートの存在によって生まれた例外(半現実世界の記憶を有する命人)
ヴァルキリーはノートを奪うためと称してオーディンを出し抜き、命人「一人称:僕」に命人「一人称:俺」の殺害を示唆。
MYTHの本流世界に戻り、例外である命人「一人称:僕」だけが残る。
ゲートから半現実世界へ帰還。
主人公の消えた世界で命人「一人称:僕」の存在は周りに認識されず、森で自殺している自身の姿を目撃。
命人は、自身がオーディンによって作られたキャラクターであること、全ての記憶は偽物であり、MYTHの意義(市井諒子の願い)とオーディンの欲望(自らの存在を現実に刻むこと)の板挟みになっていたという真実を知る。
一方、半現実世界に転移されたヴァーサーカーは綺姫に未来予知の力を授かり、現実の2052年に。
踏切で死亡する記憶を否定したことで2002年の記憶を克明に作り上げた命人「一人称:僕」との邂逅を果たす。
これによって半現実世界に新たな可能性が生まれ、命人「一人称:僕」は消失。
ノートはヴァルキリーから次回の悧里に渡され、本当の現実(人類の滅亡した2052年の世界)を知ったヴァーサーカーによってMYTHは修正される。
・ANSWER EP1
-本当の現実世界-
江戸川(ロキ)
2002年 姉(市井諒子)、失踪
2016年 ヒイロ(命人の元恋人・友里)と結婚
世界の崩壊が進行
その後、姉と再会して訪印教の誘いを受ける
→姉が開発したプログラム・神話(MYTH)に記憶を提供し、アースガルドへ
(ヴァルキリーとオーディンは機械の中で希望を実現するために姉によって作られたツール)
・ANSWER EP2
2002年から姿を消していた命人がヒイロ(友里)の元に現れる。
当時、妻を殺害した命人の父は、偶然そこを通りかかった友里に犯人はその場から逃げた命人だと虚言。
その後、友里は弁護士となって命人の無実を証明しようとするが証拠は見つけられず。
命人を信じたい気持ちと、犯人と認めて罪を償わせなければならない気持ちで悩み続けることとなる。
ユキヒメに訪印教絡みで襲われ、部下ケムリの密室殺人犯に陥れられそうにもなるが、命人に助けられる。
1週目(続き)
命人はオーディンがシナリオに組み込んだヒビキの行方を示唆するセリフに導かれ、物語が終わった後に森の奥にあるアースガルドへ。
MYTHは痛みを追って死んでしまった人々の為に作られた墓場(プログラム)
データを管理し、データが揃い次第、影の世界へ送るのがヴァルキリーとオーディンの役目だったが、オーディンが自ら新しい世界を創造しようとしたことが今作の事の発端。
その過程で命人という存在が生み出される。
命人は自身がプログラムに過ぎないという真実を突き付けられるが、ヴァルキリーと話し、オーディンを止めることで半永久であるMYTHという墓場が永遠ではなくなることを防ぐという新たな意味を見い出す。
命人の役目は、ノートの存在から消去された記憶を思い出し、「MYTH上に『本当の現実、2002年東京に住む田辺命人』のデータを完成させる」こと。
それによって命人は2052年の作られた半現実の記憶を思い出す。
オーディンの目を欺くため、命人はヴァーサーカーとなってアースガルドへ。
ヴァルキリーは2週目の命人を誘導し、シナリオ上の田辺命人とすり替わることノートの記憶を保持したまま半現実世界へ導く。
そこで、存在するはずの創造主・市井諒子に会い、半現実を希望する原因を消去することでオーディンの企みを阻止する計画を立てる。
・ANSWER EP3
3週目(悧里視点)
命人と綺姫が既に存在していない正常な機能を取り戻したMYTH。
影を存在として誇示する世界。
記憶を失い、ノートを手にした悧里は、市井諒子に出会ってMYTHの本来の姿を認識する。
生み出された存在である命人も他の死者たちも同様、MYTHという世界で終末を迎えるまでに描かれた物語、展開された世界、生きた時間は紛れもなく真実であり、現実である。
「この物語は、虚構(フィクション)ですか?」というキャッチコピーは、作品を終えて見るとなかなかに味があった。
軽くストーリーをまとめたけど2週目で気づくことが多々ありそうだし、考えを改める場面も多いかも。
細部の考察をしたらキリがなさそうだけどその点を踏まえてもう一周したら楽しそう。