なぜか究極のハンズフリーを目指した本作。失ったものは無限のエロス。
■現在のプレイ状況:
ランク「箱帝」でギブアップ。
プレイ時間は6時間以上。
■「箱帝」に至る感想:
1時間程度のチュートリアル終了直後から作業プレイでしかなく、何度も挫折しかかった。
それでも「箱娘と同サイズのチンコ」という新要素を希望にプレイを続けたが、肝心の新要素が期待はずれで心が折れた。
■見ているだけのHシーン&ふれあい:
イリュのHシーンでは、
「行動・パネル選択」・「クリック・ピストン」・「ドラッグ・ぐりぐり」・「ホイール・強弱」が選択可能だと考えていたが、
本作では「行動・パネル操作」と「ホイール・強弱」のみが選択可能。
プレイヤーは、「パネルを選択して、ホイールで強弱を設定」するだけ。
乳を揉むにしても、ディープなキスにしても、やることは「パネルを選択して、ホイールで強弱を設定」のみ。
あとはゲージを確認しながら、適当なところでボタンの切り替え・射精ボタンをクリックすればいい。
ハンズフリーと言えば聞こえはいいが、逆に言えば、「それしかやる事がない」という事。
これは、この作品の作業感を増大させる原因でもある。
例えば、同じ30秒を待つとしても、
「ただ、ぼ~っと画面を眺めている」のと、
「クリック&ドラッグで対象を操作している」のでは、体感時間は大きく変化する。
「ループするデモプレイを見せられる場合」と、
「ループするが自分でプレイしている場合」の、どちらが時間の経過を早く感じるだろうか。
つまり、本作では、意図的に「プレイヤーの楽しみ」を奪い、
無駄に「作業感を増大させる」システムを取り入れているのである。
さらに悪いことに、この作品では「Hシーンを見るためにゲージを溜める」必要がある。
そして、この作品のHシーンは射精1回で強制終了する。
そのため、ゲームの流れとしては、
【開始点→ふれあいゲージを溜める→Hゲージを溜める→射精(強制終了)→開始点へ戻る】
という具合に、無闇にゲージを溜める機会が多くなる。
このループの「ゲージを溜める」部分を「ぼーっと画面を眺めている」に置き換えると、このゲームの作業感が分かるだろう。
■ペットボトル精液:
汁の増量が叫ばれているのか、この作品はやたらと精液の量が多い。
一応は「精液タンク・ゲージ」で量を調整できるが、よほどの早漏プレイでなければ、結局は満タンになってしまう。
精液の量にリアリティを求める訳ではないので、
「ペットボトル1本分の精液」が出ようと、「許容量を完全にオーバー」しようと問題はない。
問題は、射精時間の長さ。
ドクドクドクというSEと共に10秒以上。
それでもスクールメイトのように、「精液マシンガン」などの遊びが付加されていれば良かったのだが、
この作品では、そこに「何もない」のである。
発射ボタンを押した直後から始まる10秒以上の硬直。
やはり見ているだけなので、とても長く感じてしまう。
加えて、「精液に濡れる衣服」システムが廃止されているため、
本作では「外出し」しても痕跡が残らないようになっている。
そして、どう頑張っても射精1回で強制終了してしまうので、
「汚す」のが好きな人にとっては、とても満足できない仕様になっている。
■ビームライフル精液:
本作の主人公は、どういう訳か、
「精液をビームライフルのように射出する」ことが出来る。
足コキや手コキなどの状態で発射すると、そのままの角度で精液が発射される。
問題はその後で、「発射された精液は、勢いを落とすことなく、壁や天井に直撃する」のである。
数メートル、場合によってはそれ以上に飛んでいく精液。
直撃した壁や天井で、きちんと垂れる描写がされるのだから芸が細かい。
これがバグなのか、意図的なのかは不明だが、
本作における最大の笑いどころであるのは間違いないだろう。
■着衣指定の廃止:
徹底的なハンズフリーを目指したのか、複雑化した操作をシンプルに戻したかったのか、
本作ではHシーンにおける「着衣指定」が廃止されている。
その意図は不明だが、代替システムの不備も手伝って、これは本作に致命傷を与えている。
旧システムでは、「上着」や「下着」などの着脱を個別に選択することで、マニアックな服装を指定できた。
しかし、新システムでは、興奮度にあわせて「自動的に服が脱げていく」ようになってしまった。
つまり、どう足掻こうと「最終的には真っ裸」である。
残念ながら、着衣の状態を戻す機能はない。
着衣の状態を戻したければ、現在のHシーンを終了し、もう一度、ゲージをためてHシーンを始めなければならない。
「マニアックなプレイの完全否定」と引き換えに何を得たのか、何を目指したのか、
その答えはまったくもって不明である。
■絶頂間際でハートマーク乱舞:
絶頂間際の「箱娘」は、全身から無数のハートマークを放出する。
ただし、画面の隅に「絶頂ゲージ」が存在するため、
この「全身から放出される無数のハートマーク」は無用の長物である。
しかし、ぽわぽわ~ん、という効果音が聞こえてきそうなエフェクトなので、
直視すると萎えてしまうのは間違いないだろう。
■射精パネルで感電:
射精パネルに数秒カーソルを合わせると、主人公に感電エフェクトが発生する。
もしかすると、射精を我慢しているのを視覚的に表現したのかもしれないが、
どう頑張っても感電しているようにしか見えない。
前述した「絶頂間際のハートマーク」と同時に発生させることで、
「無数のハートマークが飛び交う中で、ばりばりと感電する主人公」という素敵な光景を目にできる。
この素敵すぎる光景が何を意味しているのか、本作における最大の謎である。
■自由度のない「箱娘」:
「箱娘」は人工少女系のキャラクターでありながら、カスタマイズする事ができない。
それどころか、プレイヤーは「箱娘」を選ぶことすらできない。
プレイヤーに許されるのは、ランダムに変化する「箱娘の入っているリンゴ」を選択する事だけ。
「色」や「形」、「へた」や「葉っぱ」など、
あくまでリンゴの状態から、中の「箱娘」を予想しなければならないのである。
一応、「リンゴの法則」というモノは存在するが、それが理解できるまでは運頼みになってしまう。
そして、趣味ではない「箱娘」を引いてしまった場合でも、
後述するポイントのマイナスを覚悟しなければ、育児放棄することはできない。
残念ながら、本作はオートセーブなので、セーブ&ロードで回避することも不可能。
プレイヤーに許された「箱娘」のカスタマイズは服装のみだが、
それすらも「箱娘」の意思によって着替えてもらうのを待つしかないというレベルである。
カスタマイズを許さないうえに、ランダム作成されるキャラクターの個性は薄い。
開発者が何を目指したのか、その真意は計り知れない。
■作業を義務づけられた「箱娘」育成:
本作の作業プレイの象徴たるポイント制&所持金システム。
ポイント制はスクールメイトでも採用されていたが、
本作ではHシーンまでのテンポの悪さ、画面を眺めるだけプレイの影響で段違いに悪化している。
そして、ポイントと所持金を分割したため、さらに作業感が増加している。
ポイントを溜めるとショップの品物が増え、
ショップの品物は所持金を溜めて購入する。
ポイントは、1日の終わりの「箱娘」飼育状態によって与えられ、
所持金は、「箱娘」に与えた食事のグレード・成否によって与えられる。
すべての品物を出すには、相当なポイントを要求されるうえ、
1度に与えられるポイントは微々たるモノでしかない。
その結果、より効率の良いプレイをしなければならなくなる。
【「箱娘」選択→食事(個体によって好みに変化)→触れ合い(ポイントアップのためHシーンへ)→瞬間射精→次の「箱娘」へ】
以降、この繰り返しとなる。
そして、欲しい品物がショップに並ぶ頃には、完全に飽きてしまっているという最悪の状態に陥る。
■期待はずれな巨大ちんこ:
「箱娘」とのサイズ差を利用した、本作の新要素。
ふれあい中に、特定のパネルを、特定の順番で選択する事で発生する。
しかし、クリック・ピストンシステムが廃止されてしまったため、
巨大なモザイクと「箱娘」が戯れるのを眺めるだけである。
プレイヤーに許されたのは、発射ボタンを押すことのみ。
ホイールで強弱をつけることすら許されない。
そのうえ、ミニマム状態とは比べ物にならないほど精液の量が乏しいため、
「箱娘」を精液の海に沈めるなど、夢のまた夢となっている。
■まとめ:
思うに、
本作は「遊べるゲーム」ではなく、「見せられるゲーム」である。
「クリック・ピストンシステム」の廃止を始めとする自由度の剥奪も、
より画面に集中させる・動きと声を同期させるためには有効な手段なのかもしれない。
たしかにイリュの技術的な進歩は凄まじい。
しかし、それでも「見せられるゲーム」としては半端である。
そして何より、
イリュに求められているのは「見せられるゲーム」ではなく、「遊べるゲーム」だろう。
本作のHシーンから廃止された「クリック・ピストン」・「ドラッグ・ぐりぐり」。
これらの機能が生きていた頃、プレイヤーはたしかに主人公を操作していた。
プレイヤーは、イリュージョンの作品で遊んでいたのである。
少なくとも、本作のように、ただ画面を眺めているだけでは無かった。
最近のイリュ作品で感じるガッカリ感は、
「作品で遊びたい」のに、「作品を見せられる」ことに原因があると考える。
次回作では、「綺麗なグラフィック」よりも「面白いシステム」を重視してくれますように……。