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ice-nineさんのランス・クエストの長文感想

ユーザー
ice-nine
ゲーム
ランス・クエスト
ブランド
ALICESOFT
得点
85
参照数
1353

一言コメント

簡潔に言えばランスファンディスク。事前情報からランス6のような大作ではないお祭りものと思っていたせいもあるのか、ゲームとしてとても楽しめました。システムは異なりますが、ベクトル的にはままにょにょに近いと思います。つまりはキャラゲー。ランスの世界観が好きな自分にとっては時間を忘れてプレイできる良作でした。ヘルマン編が実に楽しみです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

攻略情報をシャットアウトしての自力プレイでした。
以下つらつらと感想を。

まず最初に基本となるゲームシステムについて。

ランス6の時もそうでしたが、行動回数システムは面白いなぁと思いました。
この制限があることによって、例えPTメンバーがたくさんいたとしても
強キャラで固定してしまいがちな従来のRPGとは異なり、
多くのキャラを操作できるし育てる意欲も沸きます。

特に今回のようなキャラがたくさん出てくるゲームだとそれが実感できますね。
新たに仲間が加入してくるたびに、わくわくされられました。
愛着のあるキャラが多ければ多いほど恩恵がでてくるシステムだと思います。

また、行動回数が制限されてることで、クエ進行やスキルの育成面についても考えさせられます。
特に高難易度クエの初回プレイ時にレアアイテムなどをゲットしてしまった場合などは、果たしてちゃんと完遂できるのかと緊張感溢れるプレイが出来てとても楽しめました。

続いて、その行動回数システムと合わせて実装された職業システム。
特別目新しいものではありませんが、やはり大雑把でもキャラ特性があるといいですね。

・・・・・・大帝国のことは忘れよう。

その中で、特にその恩恵を受けたのが、レンジャーという人たちでしょう。
ダメージソース的にはあまりなりえませんが、行動回数をいかにして抑えるかが
攻略のポイントの一つになるため、隠密行動や罠回避などのスキルをもつレンジャーは
クエの初回プレイ時には重宝します。クレインの逃亡能力にはとても助けられました。

上記のように、行動回数に制限をかけたり、職業によってキャラの利用価値を高めようとしたりしているわけですが、その製作者側の意図は明白。
つまりは多くのキャラを使って楽しんでくださいということなのでしょう。

過去作から様々なキャラクターが出演したキャラゲーとしては、
ゲームバランス的に成功していると私は思います。
時間を忘れて育成させて頂きました。


続いて物語面について。

一言コメントにあるようにランス6のような大作を期待していなかった自身にとって
リセット関係をやってくれれば満足でした。
そして、その点については全く問題なかったので、あまり不満点はなかったりします。
鬼畜王をプレイしたときからリセットについてはとても楽しみにしてましたが、
期待どおりに可愛い娘さんでした。この点は、世間的にも異論はないんじゃないかと。

まぁ、今作は言ってみればヘルマン編のプロローグともいうべきカラー編といったところですね。
あとは冒険者ランスの日常風景といった感じです。
なので物語としてはこじんまりしていると思います。
しかし、一つ言えるのは次作ヘルマン編が楽しみになったのは確か。


最後に不満点をつらつら。

ファイターという職業についてなのですが、ここはもう少し細分化してほしかった気がします。
というのは、剣・槌・槍・短剣と装備できるファイターという職業。
その中でもキャラ事に装備できる武器の種類を限定すれば、さらに個性がでたのではないでしょうか。
例えば、イメージ的にも謙信などのJAPAN勢が槌を装備している姿がイメージできませんし、ゲームバランス的にもそっちのが面白かったかなと個人的には思います。
余談ですが、私はJAPAN勢は日本刀の一択でした。

そして一番落胆したところ。
それは音楽面。
いままでのアリス作品には少なくても一曲は燃える曲があったと思うのですが
これといって耳に残るものがなかったです。
非常に残念でした。


最後に一言。

アールコートが出てきたときにはマジ歓喜。