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gurasさんのTHE iDOLM@STERの長文感想

ユーザー
guras
ゲーム
THE iDOLM@STER
ブランド
namco
得点
95
参照数
6939

一言コメント

なにげに敷居が高い。想像していた物よりも遥かに硬派。慣れるまでが結構大変。難易度とあわせてランダム要素が足かせとなりなかなか「完全なプレイ」をさせてくれない。さらに3周もすると、その作業っぷりにもうウンザリ。ミニゲームの操作性が悪く、最初は失敗の連続に心底ウンザリさせられる。次から次へと操作の未熟さ故に犠牲になって行くアイドル達。上手くいかない。ランクが全然上がらない。それは全て自分の責任。彼女達は何も悪く無い。憧憬にあるアイドルの頂点。それを目指しただひたすらに腕を磨く。同じ失敗は二度としない!この娘はあの高みへ立たせてやりたい!。何時の間にかゲームごときに、そんな気概が生まれていた事に一番驚いた。この心理(真理)に到達した時、ミニゲームはただの作業では無くなっていた。

長文感想

Xbox360はじまったな。

かわいいという事はやはり正義だった。

かつて「PCやWindowsを初めてさわったときと同じ感動がXboxにある」そう笑顔で語ったゲイツの言葉がついに形となり姿を現した。美少女+インタラクティブ。ここに停滞を続ける美少女ゲームの夜明けを見た気がする。そういった新しい風を確かに感じた。恐るべきはナムコ脅威のメカニズム。もとい技術力。

トゥーンシェードで描かれた表情豊かに動き回るキャラクター達を見るだけでも、何かとても満たされた気持ちになってくる。髪の毛の揺れや表情の変化。細かい仕草(パターン数は少ないですが)やダンス。とても良く出来てる。アピールやカメラワークを考えるだけでも何時間でも楽しめる。ビシッと決まった時の最高のカタルシス。これだけでも十分に値段分の満足を感じた。それをニヤニヤしながら眺めている自分がとても気持ち悪い。鏡を見ると死にたくなる。心からキモイ。

音楽もわりと良く出来ていて、ちゃんと歌謡曲になっていた。一部あきらかに電波曲と思われる物もあるが、これがキャラクターが振り付きで歌って踊るだけで、とても魅力的な物に見えてくるから不思議だ。能力次第で得意な歌が変わる上に、持ち歌で補正が掛かったりするので曲選びには注意したい。フルコーラス覚えちゃったりしてニヤニヤが止まらない。たまに血を吐きそうになりながら小声(近所付き合いは大切です)で歌いながらニヤニヤしている自分が気持ち悪い。

育成ゲームにありがちな、最初に覚えないとならないようなシステム面などの項目はとても少ないです。理解しないとならない部分が少ないので、簡単に覚える事はできます。ですが中身は結構硬派。ミニゲームはシンプルなのですが、結構条件はシビアで最初は失敗の連続。ひたすら育成して、オーディションをこなしランクを上げて行く。このミニゲームの結果が如実に反映されるために毎回すごい緊張感。力が入りまくる。はい失敗。しかしここでやってはいけないのが「リセット」。取り返しが付かない事がこのゲームの一番のゲーム性であり醍醐味だと思います。失敗した事を嘆く彼女達。一緒になって己の無力を嘆く自分。成功した事を喜ぶ彼女達。一緒になって喜ぶ自分。それが気持ち悪い。

AVGのように、キャラクターと交流し、好感度をあげるパートもあるのですが、これがまた良く出来てる。純愛系のエロゲーだとなかなかできない「セクハラ」これが楽しい。いや、イベント時の選択肢がテンション(体調や機嫌の事)の増減やら、オーディションやお別れコンサートの成功に絡んでくるので、イタズラばかりしてるとあっさりと干上がりますが。テンションの管理が一番このゲームで難しい部分なのでやりすぎに注意。しかし欲望に勝てませんからね人間だれしも。嫌がられてはほくそ笑み。わりと喜ばれたりして鼻の下を盛大に伸ばしたりするわけですよ。そんな自分が気持ち悪い。

確かにXbox360は始まった。ゲイツの逆襲も始まった。ナムコは良い方向へと進化した。しかし自分自身は色々と終わったのかもしれないな。ロリコンは死んだ方がいいと心から思いましたね。私自身が死んだ方がいい。


時にネットで対戦などしたり、マーケットプレイスで服や小物を購入したり。そんな中で何時の間にか娘達に強烈な愛着を持つようになって行く。実際の対価を支払って時間をかけて育成する。当たり前と言っては当たり前だが、何か自分の創作物のような気分になってくるから不思議だ。

初回プレイ時は育成のしやすい(テンション管理のしやすい)キャラが良いですが、個人的には好きなキャラを選んだ方が良いと思います。モチベーションが全然違う。恋をするような気持ちでプロデュースに望みましょう。しかし時期が来たら彼女達は自分の下を去って行く。それは最初から解っている事。その事に本気でセンチな気分になっていたりする自分が気持ち悪い。

ここでオススメ(お気に入り)キャラクターを挙げてみようと思う。

あずささん。アイドルとしては色々と辛そうな20歳。エロ担当。おっぱい担当。アホの子。ババア結婚してくれ。彼女に制服を着せて猫耳付けて「おはよう!!朝御飯」「ポジティブ!」等を歌わせる。痛々しい。背筋のあたりがモゾモゾする。ギャップからくる凶悪なかわいさとエロさに血を吐きそうになる。お茶の間のパパやママは今ごろきっと顔引きつらせてるんだろうな。なんて、お茶の間の空気を想像してみると面白い。つーかおっぱい触りすぎてまだTrue見れてません。OKババア愛してるぜ。

真。どう見ても男の子。こんなかわいい子が女の子なわけがない。女らしくない自分にちょっとコンプレックスな彼女。なので、イベントのたびに女の子扱いしたり、まともな反応してあげるだけで簡単にテンションが上がる上、失敗時の増減も少なめで安定しやすく、コミュニケーションも簡単。能力も悪く無い初心者も安心な強キャラ。なによりセクハラへのリアクションが最高。その彼女にかわいらしい制服を着せて、リボンを付けて「私はアイドル」を歌わせる。酷く痛々しい。もにょもにょする。評価までイマイチだ。でも彼女はきっと今幸せなはずだ!きっとそうに違いない!今、君は輝いてるよ!理想の自分になれているかも?と感涙。

メガネ。酷く地味。見た目も地味。選択肢も地味。ツンデレ委員長。でもなぜか屈指の能力の高さと育成のしやすさとコミュニケーションの楽しさを誇る強キャラの一人。美希に次いでドームに近い人。デュオやトリオの時には入れておきたい子。でも見た目や声が凶悪に地味。そんな彼女にエキセントリックな服を着せて「エージェント夜を往く」。効果抜群だ!gurasは心に痛恨のダメージを食らった。これは地味すぎる。

あずさ、真、メガネ。この三人を並べて「魔法をかけて」。これはひどい。


楽しそうに生き生きと歌って踊る彼女達。自分の育てたアイドル。その姿を見るだけで酷く満たされる。

必死に操作を覚え、育成してきた彼女達が成功する。ランクを上げる。レベルを上げる。これが我が事のように嬉しくなってくる。
何時の間にか、育成パートが作業ではなく、画面の向こうに居る彼女達との大切な交流の場になっていた。
彼女達が志半ばでアイドルを引退させられてしまう。そして別れ。これが我が事のように切なく悲しくなる。

そして彼女達が成功を収め、頂点を極めたドームでのラストステージ。

「みんなで最高の喝采を浴びよう!」(アニメ/カレイドスター)

あの時間、あの空間、あの場所。全ての思い出が一つとなる。それを演出したのは自分と彼女達。
圧倒的なカタルシスだった。彼女達に最高の喝采を贈る。気持ち悪いはずだった自分を少しだけ誇らしく思えた。
そんな自分の心理が、とても気持ち悪い。心から。


ダービーオーナーズクラブ(DOC)で散々散財して、辛酸を舐めさせられた屈辱の日々。アーケードのこの形式はもうやりません!そう心に決めたあの日。エロゲーに生きる。エロゲーの特典をとことん集めようと心に決めた日。それを思い出すと目頭が熱くなって変なしょっぱい汁がたれそうになる。

ほんとアケに手出さないで良かった。これアケでやってたら自分はきっと破産した。バカだから。