感動はなく、じんわりと生ぬるい切なさだけが残った。初見では小難しい考察SFモノといった印象を抱くかもしれないが、案外そんなことはない。伝えるテーマは明確だし理解を促すためにノベルゲームらしい手法をふんだんに取り入れている。凄いゲームなのは間違いないが、誤解を恐れずに言えば僕はそんな好きじゃない。
面白いのだけど、気味が悪いというべきか。伝えたいテーマに沿って、物語に沿ってキャラクターが動いている感覚。ただ、内容は決してつまんないわけではないしむしろ面白いのだけど、好きといえない理由がそこ。作られたかのような狂気を与えられて発狂するキャラクター達には特に全然共感できなかった。
ただ、TRUE√最後のハル・シオンのCGは、それこそ今まで見たゲームの中でも指折りの美しさだと思う。あの「そっかあ・・・」には本気の気持ちが見えたし、何度見ても切ない。