×を見てあなたは何を思い浮かべますか?
ピッ(効果音)
『クロスチャンネルをプレイしていないなんてとんでもない!』
1stプレイを終えた直後、本作『CROSS†CANNEL(以下、C†Cと表記)』に対する私の評価は決して高いものではありませんでした
感動よりも、田中ロミオの描いた『C†C』の世界像、ループものの特徴を活かしたシナリオ構成、そしてトリックをカモフラージュする絶妙な筆才、と、後者のほうに魅かれたのがその理由でしょう
多世界解釈、すなはち量子力学と観測の分野に対する額が乏しかった当時の私にとっては「ふたつの世界(以下、元の世界をA世界、人類が滅亡していた世界をB世界とする)が交差しているところの話」なんて未体験ゾーンだったので、そちらの推理・理解に夢中になってしまって
明確な答えが出されないままストーリーが進行するので感動しきれなかったためかと
そのため、未回収の伏線や、『C†C』1周目、いわゆる「CROSS†CHANNEL」の真相等、説明不足なことを減点要素として評価していました
1stプレイ後の評価 80点
その答えとなったのが公式設定資料集に収められている追加シナリオ『CROSS†'CHANNEL(以下、C†'Cと表記)』
未見者へのネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、これを読むことで、B世界のことと共に、先に述べた「CROSS†CHANNEL」の真相、未回収だった伏線、84%側面の太一、などが明らかになります
田中ロミオすげえ。
『C†'C』後の評価 89点
そして2ndプレイ後の評価 100点
これほど素晴らしい作品だったとは思わなかった
「CROSS†CHANNEL」か…センスよすぎ
言葉に多彩な意味を魂める田中ロミオだからこそ視ることのできた世界
読めばあらゆる言葉が意味を持っていて、心に響く
胸に「染みる」感動ではなく、胸を「打つ」感動、これが『C†C』の印象でしょうか
以下、最も心に響いた名シーン
七香「確かにあんたは、心の中にこわいものを飼ってる
人間は貴くないし
世界は美しくないし
でもさ、太一はひとつだけ、きれいなものを持ってるじゃない?」
太一「……何も持ってないよ。ただ黒いだけだ。人を傷つけることに特化した心が、美 しいはずない」
七香「でもその太一が、こんなにも普通に焦がれてる」
太一「……」
七香「健全なものを夢見て、それを真似て……何も考えず、誰も傷つけず、生きていき たいと思ってる」
太一「思ってるだけだ」
七香「でも、財産だよ
ちっとは、誇れ」
『C†'C』未見の方はぜひ読んでみてください
ニコ○○動画に『C†'C』のスクリプト版「トモダチの塔」のプレイ動画があるのでそれを見るのもいいかも
この文章の誤字はすべて太一のです。僕じゃないです…。