ストーリーは(あくまでもこの作品だけで見るなら)面白い。※長文は作者の方への否定的な評価あり
一応の表のエンディングと裏のエンディングで話が180度ひっくり返るという構図は面白い。この作品単体で見るなら悪趣味(褒め言葉)だが面白い、と迷わず言える。
ただ肝心のゲーム自体は1週目も2周めも同じことをしているだけであり、表ENDを見てからの裏ENDの衝撃だけの作品と思ってしまうのも無理はない作品、という印象。いわゆる死に覚えゲーで、多種多様な死因・(理由のある)理不尽な殺し方と工夫は凝らされているのだが、正直覚えてしまえば作業になってしまう。
ただ(この作品だけからは必ずしも分からないことなのだが)、前日譚である小説版を読んだり又はインターネットで適当に調べるだけで、作者の方があるキャラを超絶贔屓していることが判明してしまう。自分の創造したキャラに入れ込む気持ちは分からなくはないが、それを踏まえても、少々贔屓が行き過ぎている感は否めない。そうなると作品の楽しめた部分が色褪せて薄れていくと共に、文字通り悪趣味な話だなぁ、と感じてしまった。
些か挑発的な表現をすれば、他人のことを自分の都合の良い道具としか思ってない自己中心的な人間がやりたい放題やった挙げ句、作品世界(=神としての作者)から全肯定されるのを見せられても、白けるだけというか。一人のユーザーの我儘で申し訳ないのだが、かつては斬新だっただろう展開も、もはやベタなネタと化しただの予定調和になっている様を見ると、捻りがなくて面白くない、と感じてしまう。