プレイ時間内訳→本筋25.5h/秘密の手紙9.5h いつも通りのHOOKと言えばその通りだが、要所要所で丁寧な作りをしていると感じた。不満点が無いわけではないが十分楽しめた作品だった。
私自身そこまでHOOKの作品をプレイしているわけではないため、「いつものHOOK」という表現を使うことに多少の違和感を覚えますが、感想などを聞いて形成された「いつものHOOKというイメージ」それの通りであったと感じました。
雰囲気が良くまったりとした日常、イチャラブを中心とし物語性はそれほど強いわけではないもののキャラの魅力の感じられるシナリオ面など、そういった良さがしっかり出ていたかなと思います。
今作では、物語性こそそんなに強かったわけではないものの、各ヒロインごとに個別√においてテーマのようなものが定まっていたかなと思いました。
どのヒロインもそのテーマがしっかりと中核となった上でイチャラブの描かれた個別だったように感じました。あくまでも個人的に感じたものですが、各ヒロインのテーマは
・夕花→一緒にいるということ
・すみれ→本音
・操→大切なもの
・菜月→成長
・葵→変化
であったと思いました。
こういったテーマがしっかり中核にあったがために、イチャラブがメインとなっていた中でも、ひたすら特に変化も無いイチャラブが続いてダレるなどということが無かったので良かったのではないかと思います。
また、コンセプトとなっていた「恋するキッカケ」もうまく魅せてくれたように思いました。
HOOKではおなじみとなりつつあるガーリートーキングやRTCはもちろんのこと、時間差マップ移動が非常にハマっていたと思います。ただヒロインと一緒の時間を過ごすというだけでなく、
「なぜその時間にその場所にその子がいたのか」「どうして時間が経つことでそちらへ移動したのか」
というようなヒロイン側の行動についていろいろ考えてみるのもなかなか楽しかったですし、ニヤニヤさせられる要素にもなりました。
元から主人公と付き合いがあり、好意を持っている夕花やすみれはもちろんのこと、物語が始まってから知り合い関係性のできた菜月、操、葵の3人に関しても徐々に気になっていきながら好きだと自覚していき、その想いを募らせていく流れは非常にドキドキさせられ、ニヤニヤさせられました。
時間差マップ移動やRTCなどはそれだけにとどまらず、秘密の手紙と相まって1度プレイするだけでは見えてこないヒロインの姿が見えてくるため何度も周回プレイするのにも有効であると感じました。
秘密の手紙は、特定のポイントで特定の選択をすることで開放されていきますが、ただ選択するだけではなくEDまでプレイしなければならないため、すべての秘密の手紙を見ようと思うと最低でも5週、開放のポイントとなる場所が分かりにくいものもある(ほとんどは個別ですが一部共通部にもある)ため場合によってはもっとプレイすることになってしまい、そこがやや作業感を感じさせちょっともったいないなと思いました。
しかも、1度のプレイで複数のポイントとなる部分を選択してもその複数が開放されるわけではなく、より後に選んだ1つのみが開放されるため、早い段階で選択するものはそれ以降で他のポイントとなる選択をしないようにしなければならないところも作業感を加速させマイナス要素になってしまってしました。
ですが、その秘密の手紙を読むだけでEDまでの日々やイチャイチャを思い返したり、想いを巡らしたりニヤニヤできるため、決してマイナス要素ばかりでもありませんでした。
・まとめ
私自身は原画初参加となるたかやKiさんに釣られてしまった部分が強いのだが、らっこさんの引退作としてHOOKが良い作品で最後を飾らせてあげようとする思いを感じた作品でした。
RTCや時間差マップ移動などによる展開の変化がその直後だけに限らず最後までしっかりその部分を引き継いでおり、細かい部分までしっかり仕上げてきたなと思いました。
らっこさんの引退作として良い最後となったのではないでしょうか。 私は楽しめた作品でした。