無料とは思えない世界観、音楽、キャラクターの魅力に最後まで圧倒されました。
この作品の最大の魅力は圭介とキリンの友情にあります。こんな友達が欲しかった、そんなこと思わせるほど羨ましい関係でとにかく仲が良い。夏を舞台に二人の少年が天狗の国という日本だけれど日本ではない場所へ旅に出て、いろんな人や世界を体感する、まさに青春の物語。いつも楽観的なやつだと思ってたキリンが実は壮絶な生い立ちだったり、自分がどれほど大事な友として見られていたか、友として悩み考え行動する圭介はかっこよかったです。前作「みすずの国」に登場したヒマワリも今作では驚くほど女の子の部分が見られ、キリンと再会した時の恥ずかしさから色々な言葉を並べ最後には抱きつく場面はとても愛らしい。他の登場人物も棘はあるが根はやさしい人ばかりで、白川村の背景や美しい音楽の影響もあり、この世界にずっと浸っていたい...そんな作品でした。