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andanteさんのSTEELの長文感想

ユーザー
andante
ゲーム
STEEL
ブランド
Graviton
得点
81
参照数
1540

一言コメント

評判通り名作と言っても良い出来、結構難解なシナリオなのでそういうのが好きな人で時間のある人はやる価値はあると思います。 長文感想は不明となっている点の解釈です

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

疑問点はminorityさんの流用なのですが…

・有紗にとり憑いた泰司のアニマはどうなったのか?

有佐にとり憑いたアニマの行方は分からないのですが
このアニマは、一人の人間に複数のアニマが寄生することは
可能という事を示すために存在するのではないでしょうか

秋月の父親に寄生していた時に
父親は本来のアニマと交信出来なくなっていたような気がしますが
これは伏線であり(本体から認識出来ないアニマ)
秋月には、父親と智也のアニマが憑いていたのだと思えます
(父親のアニマは智也に気付いていなかったので
 これも1階層ずれていたのだと思いますが)
智也はずっと秋月に憑いていたからこそ
ラストの
『俺が彼女の傍にいる理由はない』
『もう俺が見守っていなくても彼女は大丈夫だろうから』
『約束は、十分果たせたと思う』
『ああ、監視していたアニマの気配は完全に消えたな』
と言う文章があるのだと考えられます。


・最後、携帯電話で会話をしていた二人は誰なのか?

これは、坂口と坂口の母親だと思われます。
違和感のあるプロローグでこのゲームは始まりますが
それは2つの視点ではそれぞれ時間軸が違ったという
伏線としても機能するようになっていたからです

2つの世界では時間軸が違うはずなのですが
坂口の行動はかなりわざとらしいです

秋月視点:所持しているデジカメを指摘され後ろに隠す
智也視点:デジカメでアイドルを撮ると言い出す

両者の視点で坂口はデジカメを所持しており、それ以外にも
視点が切り替わる毎に、坂口本人も『用事が出来た』等と口実を作り
秋月や智也の前からいなくなります。

坂口の母親は
智也の行く前はずっと外周世界で生きており
それを坂口は
『母親は入院している』
と偽って?いたのだと思います。

『秋月が、これでやっと野球チームができるように喜んでた
 そう伝えといてくれ』
と言う言葉に
『なに、それ?』
と答えたのは、坂口の母親の答えとして当然とも言えます

・有紗の真意

これは作中でも言われていたような気がしますが
有紗は自分自身に記憶の改変が行われていないと言う保障はないと考え
自分が死ねば、範子たちには真実が分かる、という理由で自殺したのでは
(有紗は、範子や智也達が自分を許してくれたと思っていたわけですが
 そうではない可能性(記憶改変)に気付き絶望したのかと)

秋月を遠ざけていた理由と
秋月と範子の記憶違いの理由は分からないです。

前者は有紗がアニマに記憶改変されていたんですかねぇ

・アンビエントって結局何なの?
・外周世界とは?

これはメタ的に考えていいのではないでしょうか
はっきりとは理解できていませんが
「坂口は不器用な方法で世界の行き来をしている」
ということをヒントとして受け取ればいいのでは
何故あんな不便な方法で行き来しているのか、と