主人公のヤリチンぶりに辟易としたが、そこ以外はとても楽しめた。
ナインテイルの過去作と比較すると、雰囲気は「機械仕掛けのイヴ」に近く、
コメディしつつもシリアスな部分はしっかりと締められてるあたりはとてもよかった。
RPGの部分もとてもよく出来ていて、特にゲームバランスが素晴らしかった。
自分は1週目に難易度ノーマルを選択したが、漫然と進めるだけではなかなか安定して勝てず、
最後まで自分なりに勝てる戦略を模索し続けることになり、飽きることなくプレイできた。
一方でエロ関係は不満が残る。別に1プレイ中に複数人と関係を結ぶこと自体は問題ないのだが、
そこに過去作にはあった必然性がほとんどなく、主人公がヤリチン以外のなにものにも見えないのが残念だった。
ナインテイルはここまで全ての主人公が複数人と関係を結んでいるが、例えばイヴでは
エロとゲームの目的とが見事に一致していて、複数の相手にモニタリングするという必然性もあった。
天ツ風は比してやや適当ながらも、忍びだから房中術は必要、と言う免罪符はあった。
エロゲー全体をみてもこのような場合には何らかの理由付け(主人公の性格、目的、身体的理由、
あるいは現実との倫理観の違いなどなど)があるのが一般的で、本作にもそのような免罪符は
欲しかった。
これがシナリオにも若干の悪影響を及ぼし、本命に罪悪感を感じつつも状況に流されヤってしまうのに、
友情やら愛情やら言ってみても…ねぇ、と白ける部分もあった。
とはいえ全体でみれば良く出来たゲームであることは間違いなく、シナリオとは別に自由に探索、戦闘を楽しめる
フリーモードや、そこにパッチで追加されたボスの攻略など、やりたいことが次々と出てきて、サルのように
のめりこんでプレイできた。
やや特徴的……な絵やRPGというジャンルそのものに忌避感を持たないならプレイして損しないゲーム。