ルドラサウム世界にどっぷり浸かっている人ならかなり楽しめると思う。逆にアリスソフトゲームをあまりやっていないと、わけのわからない登場キャラなどにとまどい、おそらく置いてきぼりをくらう。難易度が甘く、またシステム的に戦闘がどうしても単調になってしまうのが珠に瑕。
戦闘システム
オーソドックスな1対1バトルかと思いきや、コマンド入力がリアルタイム(通常攻撃のみオート入力)。これで戦術性が増したかと思ったが、操作が必要になるのが相手が溜め攻撃準備をした時と回復だけ。やはり1対1戦闘で高い戦術性は難しいか。ぶっちゃけた言い方をすれば、3Dになって入力がオートになった闘神都市IIの戦闘ほとんどそのまま。
シナリオ
良い。おそらくアリスソフトにしかできないようなシナリオ構成で、闘神都市シリーズであろうとしたことがうかがえる。ただし、闘神都市II並のものを期待すると物足りない。何より主人公に悲壮感が足りない。
アリスソフトファン、というよりルドラサウム世界について読み込んだ人でないと一部シナリオが意味不明になってしまう。闘神都市シリーズやランスシリーズだけでなく、ハニホンやスタッフネタまで知識が及ぶと、あちこちに仕込まれたニヤリとできるネタの数々に、プレイしていて飽きないだろうと思う。
キャラ
相変わらずアリスソフトは魅力的なキャラクターを出してくれる。ただし今回は登場人物が膨大な数のため、主要キャラを除いて掘り下げが浅いように思う。数回イベントがあったらその後は出てこないキャラが比較的多い。パーティーを組むRPGならもっといろいろなイベントを入れられるのだろうが……。
絵・音楽
キャラ・背景共に非常に高水準。CG数も差分なしで176枚と豊富。複数原画家だが、それぞれの原画家の特徴を活かした塗りで、背景も恐ろしく力が入っている。
3D部分についてはまだ実験段階だと思うが、いつものモンスターがよく動く。ハニーなどがぬるぬる動く様は新鮮。ゾンビなどは本当にグロいという弊害も。女の子モンスターやにょーなどはかわいくできていると思う。
BGMはshade氏によるもので、言うことのない出来。
だいぶ低評価を受けているが、おそらく戦闘の単調さとアリスソフトへの期待が高すぎたことが原因ではないだろうか。闘神都市IIには及ばなくても十分名作だと思う。