ＴＳ（性転換）ゲーの旧作。これはもう思い出の作品レベル。男に戻るか、女のままでいるのか悩む主人公。ＴＳが好きな人には是非押さえておいていただきたい佳作。今はもういない（と思われる）文月かな、来弥らみの印象的な声が聞ける貴重な一作でもあります。
タイムスリップして性転換してしまう、というちょっぴり複雑な時間軸の中でストーリーが展開。
落ち込まずに意外と明るい真澄、そしてそのかわいらしさに引き込まれてしまったらきっと本作にはまってしまうことでしょう。
シナリオライターが同じぴよみず氏である2013年の「あい♂まい♀みすと」との比較で本作を語る人が少なからずいたため、探してプレイ。ダウンロード販売もあるのは知っていたが、あえてパッケージ版を探した。なかなか見つからずに数カ月もかかったのも今は良い思い出です。
真澄役の榎津まおの上手さはもちろんのこと、今はもういない文月かな・来弥らみが印象的な声でした。この頃の彩世ゆうは今ひとつ上手くなかったり、抜きゲーで見かけるこのかなみが普通のキャラを演じたりなど、新しい発見もあり。芹園みやはこういうテンションの高くないロリキャラを演じさせたら魅力的。
声優の演技力や声の魅力という点では「あい♂まい♀みすと」に勝っていると思えた。
性転換してしまった主人公が男に戻るか、女のままでいるかに悩むところが本作最大の魅力と思う。
そこにタイムスリップというはっきりとしたＳＦ要素が加わり、元に戻るためのタイムリミットが設定される中で、意外に凌辱的な展開が待っているなどやっぱり「主人公がやられちゃう」ところがお約束と思えた。そしてもうひとつのお約束は「主人公が一番かわいい」ところ。主人公・真澄を好きになれるかどうかがプレイする上での大事なポイントとなる。
それにしても、マスターの鬼畜っぷりには参った。マスターとくっつくストーリーは蛇足というか反則だよぉ（泣）
男性キャラにも声があったほうが良かった、と思う。
あと、ＢＧＭの曲数が少ない。主題歌はなくてもいいけど音楽にはこだわって欲しかった。ビートルズの「ヘルプ！」みたいな旋律のＢＧＭだけが耳に残って離れない。
マイナーなブランドのマイナーな作品ではあるが、ＴＳゲーの変遷や流れを知る上で重要な作品である。
「びーにゃん」の後継と思われる「白濁系」には今後もＴＳ作品を発表していただきたいものである。