良い意味でのジャケ絵詐欺とでも言えばいいのか、下品な抜きゲを期待してプレイしたら予想以上に青春ゲーで驚いた。こういう意表の突かれ方はキライじゃない。すめらぎ琥珀のいやらしい絵柄の美しさと下品さは表裏一体みたいだった。最後までプレイしないと全容がわからない作品である。
ジャケ絵からして「色情教団」のような下品な抜きゲだと思っていたのに、いざプレイしてみたら予想以上に青春ゲーであり、驚いた。良い意味でのジャケ絵詐欺である。
第一次やりまくり期みたいな主人公とヒロインなのに、その合間で繰り広げられる3年間のストーリーは良質な青春ゲーであり、最後までプレイしないと作品の全容がわからない構成には「してやられた感」が大きかった。
特に屋上のシーンが良かった。BGMといい、どこかデジャビュを感じたが、うまく作られていたと思う。
Hシーンが充実していることだけを望んでいたのに、終わってみたらアラフォーが学園生(十代)の頃を振り返っている作品に化けてしまっているのが痛快だった。
本作はプレイヤー自身のプレイ時点での年齢によって、作品やキャラへの感じ方が大きく異なると言える。
これだけのシナリオを書かれてしまうと、すべてのHシーンが主人公とヒロインにとっては必然だったと思えてしまう。
ストーリーもクソもない抜きゲーは無数の前例があるが、本作はまったく逆を行っている作品であり、貴重な作品だと思う。
ストーリーゲーとして「当たり」と言える。
それにしても「MUSICUS!」や「同級生リメイク」と同じ原画家(すめらぎ琥珀)が描いているとは思えないほどの下品な絵柄だった。美しさと下品さ・いやらしさは実は表裏一体なのだと思えてしまった。